紙切れの内容
ブックマークが4件になっていて思わず声が出てしまいました。
本当に嬉しいです!ありがとうございます!
これを糧に頑張ります!
できましたら、小説の感想、ここがおかしいなどのアドバイスなど頂けたら幸いです。(図々しいお願い事だとは承知しているのですが・・・)
「何が書かれていたのですか?」
アンナへのお説教タイムが終わり、夕食を食べ、アンナが寝室に入って数時間後、アズサはテーブルに紅茶を淹れたカップを二つ置くと、オードリューの向かいに座り問いかけた。
「一体何のことだ」
オードリューは眉一つ動かさずにアズサを見据えたが、アズサは彼の指が微かに動いたのを見逃さなかった。
「誤魔化さないでください。紙切れを貰っていたでしょう、あのロリコン国王様から」
「お前な・・・不敬罪で捕まっても文句言えんぞ」
「事実を言って何が悪いんですか。というか、話をすり替えないでください。あの紙切れはなんだったんです?」
アズサは溜息を吐きながら額に手を当てるオードリューの様子など気にもかけず、紅茶を啜り、紙切れの内容を話すよう促す。
そんな彼女の様子に隠すことは不可能だと悟ったオードリューはスーツの内ポケットに指を伸ばし、それを引き抜いた。
「ほら」
シュッ
アズサの目の前に紙切れを見せようとした瞬間、オードリューの手から紙切れが消え、アズサは紙切れを開いて中を凝視していた。
「お前な、せめて一言言ってから受け取ったらどうだ」
「……『明日14時、サルラの花畑にて。くれぐれもアンナには知られないように』ですか」
「人の話を聞かないか」
「隠していたオードリューさんに言う一言なんてありません」
「全く」
オードリューは食い入るように紙切れを見るアズサの様子にもう一度溜息を吐きながら、彼女の淹れた紅茶を口に含んだ。
温かいアッサムティーが喉を通り、胃に渡るのが心地よく、思わず笑みが零れた。
(まあ、仕方ないな。お嬢様に関係することをこいつが見逃すはずもない)
オードリューの瞳がアズサに向けられる。
その瞳は、聞き分けのない子どもを見る親のような暖かいものであることを、紙切れを凝視していたアズサも、そしてそれを向けている本人も気がついてはいなかった。
「この待ち合わせ、私も行きます」
そんな瞳を向けられていると知らないアズサは凝視していた紙切れから視線をオードリューに移した。その表情は無表情であるが、長年一緒にサンタマール家に仕えていたオードリューにはそれが、彼女の何かに挑む時の表情だとわかっていた。
そして、この表情をしているときのアズサが自身の意見を曲げることは殆どないことも。
「まあ、そう言うだろうとは思っていた。しかし、お前仕事はどうするんだ?私は明日丁度休みだからいいが、お前は違うだろう」
「何が何でも午後からの半休をもぎ取ります。いざというときのモノは用意していますし、取れるはずです」
「いざというときのモノ?」
「私のバイト先の店長の浮気の記録です。これで脅せば半休の一つや二つ楽勝です」
「……」
数秒、二人の間に沈黙の時が流れた。
「オードリューさん、どうかしましたか?」
「いや、なるべくそれを使わないで済むといいな」
「そうですね。バイト先の空気が変わってしまうでしょうから、なるべく使わない方向でいきたいです」
アズサは何も言わないオードリューに首を傾げたが、オードリューはそんなアズサの無言の問いに答えずに無難な言葉をかけた。
アズサはそれを気にした様子もなくオードリューの言葉に頷き、オードリューはそんなアズサの様子に冷や汗を流しながら過去を振り返った。
(確かに、確かに、お嬢様の身の安全の為にと体術、剣術、その他格闘技を教え、それらの覚えがいいからと、調子にのって諜報活動のいろはまで教えてしまったが、ここまで物にしてしまうとは……お嬢様が嫁いだ後はこいつにも良い嫁ぎ先を見つけようとは思っているが、こんな、ある意味ハイスペックな女を嫁に貰ってくれる奇特な男はいるのだろうか?)
「お前がここまで育つとは……サンタマール家に来た当初はお嬢様の後ろに隠れてばかりの少女だったのにな」
「なんです?唐突に」
「いや、なんでもない」
(育て過ぎた……気がする)
「?」
首を傾げるアズサに、首を振って「気にするな」と伝えながらも、出会った当初のプルプルと震えていた彼女を思い出し、ちょっと過去の自身の行いを悔いたオードリューだった。
「それで、私も行って構いませんよね?」
アズサはオードリューの様子が気になるも本人が「気にするな」と言うため、そのことには触れずに自身が一番気になっていることを口に出し、じっとオードリューを睨みつけた。その瞳から、『お嬢様に関することを私抜きで進めるなんて許しません』という意思が伝わってくる。
そんなアズサに『ハイスペックがあろうがなかろうが、このお嬢様狂が治らない限り嫁にはいけないんじゃないか?』という結論に達したオードリューは、自身の罪悪感が少し薄くなったのを感じながら、そんな内心をおくびにも出さずに溜息を吐いてみせた。
「構わないもなにも私が反対しても来る気だろう、お前は」
「勿論です」
即座に頷くアズサにオードリューは呆れた表情を作った。
「ならどうしようもないだろうが、勝手にしろ」
「はい、そうします」
オードリューはアズサの満足そうな無表情に苦笑を零す。
(さて、明日、あの国王陛下は私達に何を告げようというのだろうな)
オードリューはどうしても拭いきれない嫌な予感を飲み込んでしまう為に、飲み干してしまったアッサムティーのおかわりを頼むのだった。
まだまだ、タイトルに書かれているの仮面部分までいきませんが、もう少しでこのタイトルの意味がわかるはずです!
我が主人公アズサさんの恋愛はいつ始まるのか・・・これももう少し先になります。
どうか温かい目でみていただけたら幸いです。




