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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる  作者: のんびり生きていきたいおっさん


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夜の会話と硬くて凄そうなランドの…

ランドがランと街の散策を楽しんだ日の夜、夕食を終えたランドは自分に充てがわれた部屋でのんびりとしていた。


「明日が発表式か、どういった形式でやるかは知らないが…無事に終えたら俺の役目も終わりかな」


そんな事をぼんやりとランドが呟いていると、廊下側の障子を誰かがトントンと軽く叩いた。


「ん…誰ですか?」


ランドがそんな反応をすると、障子の向こうから声が返ってくる。


「夜分に失礼しますランドさん、少しよろしいでしょうか?」


返って来た声にランドは(その声は…)と思いながら声の主に返事をする。


「イブキか、入っていいぞ(仮面は…まぁイブキはもう見てるからいいか)」


ランドがそう返すと、イブキは「失礼します」と言って障子を開けて入ってきた。


「どうかしたのかイブキ?」


ランドが入ってきたイブキにそう尋ねると、イブキは「えぇ、少しランドさんに話がありまして」と口にする。


「俺に話?」


「はい、大してお時間は取らせませんので」


「わかった、まぁとりあえず立ってるのもあれだろうし座ってくれ」


ランドの言葉にイブキは「お気遣い感謝します」と言うと腰を下ろす。


「それで、俺に話ってなんだ?」


ランドがそう切り出すとイブキは…


「はい、ランドさんには謝らないといけないと思いまして」


と言葉にした。


「俺に謝る?」


ランドが首を傾げるとイブキは「はい」と返して言葉を続ける。


「ランドさんがラン様の護衛として来られた時、私はランドさんのことを疑っていました。ランドさんは「洗礼の儀」の他の挑戦者の「間者」ではないかと…」


「あぁ、そういやそんな話をしていたな」


「ですが…先日ランドさんとラン様と祠に同行させて頂いた時、それは杞憂だったと実感いたしました」


「杞憂だった?」


「はい、正直言うと道中にラン様を傷つけないようにと配慮してくださっていた時はまだ…「信頼を得るための策略」と警戒していましたが、その気持ちも最下層まで辿り着いた時のランドさんの様子を見て、私の思い過ごしだと思いました」


「それはまたどうしてだ?」


ランドの質問にイブキは「あの時…」と説明し始める。


「ランドさんはラン様が一人で下に降りられた際に、守護獣の方々に対して「もしランに何かあったら…」と凄まじい殺気を放たれていましたよね?」


イブキの言葉にランドは「まぁ…心配はしてたからな…」と口にする。


「やはり知り合って仲良くなった人が傷つくのは嫌だしな…」


ランドがそう言うとイブキは「それが理由です」と答える。


「あれ程の感情(殺気)を、自分が騙そうとしてる人に対して抱くことは無いと思いました。ランドさんは本当にラン様を心配してくださっていると判断いたしました」


「そうか、信用されたのなら良かったよ」


「はい、ですから…」


イブキはそう言うとランドの目の前に「ラエルソード」を差し出した。


「これはお返し致します、明日の発表式でもラン様の護衛を宜しくお願い致します。そして最初の態度は失礼致しました」


「わかった、イブキの要望に応えられるよう全力を尽くすとするよ。謝罪も受け入れよう」


「ありがとう御座います、ところで…ランドさんに一つお願いがあるのですが」


「ん?」


ランドはイブキが更に何かを言おうとしたので首を傾げる。


「もしご迷惑で無ければですが、ランドさんのその剣をしっかりと拝見させていただいても宜しいでしょうか?」


「そりゃ良いけど、預けてる間に見たりしなかったのか?」


「私とて武を嗜む者です、武人の魂とも言える武器を…当人の許可なく扱うようなことはしません」


「そうか、その心意気は尊敬するよ。まぁ見たいなら構わないよ、ほら…」


そう言うとランドは、ラエルソードを鞘から抜いてイブキに見せた。


「ほぉ…なんとも美しい剣ですね…」


イブキはランドの愛剣ラエルソードのそのうっすらと青く輝く刃に思わずため息を付いて見惚れた。


― ― ―


イブキがランドの部屋を訪れていたその頃、ランは風呂上がりの自分の髪を拭きながら廊下を歩いていた。


「明日は発表式かぁ…自分が勝つことは解ってるとはいえ、その分周りに注目されるのはちょっと緊張するもんがあるな…」


そんな独り言を呟きながら、ランは廊下を歩いていたが…そこでふとランドのいる部屋の廊下に差し掛かった。


「ランドはんはもう寝たんかな、もし起きてたらちょっと寝る前の挨拶と…明日も宜しくと言ってからいこかな?」


そう考えたランはランドの部屋の前の廊下までやって来ると、ランドの部屋の明かりがまだついていたので「あ、まだ起きとるな」と呟き声を出す。


「なぁランドは…「凄いですね、こんなに立派なモノは見たことがありません」…?」


ランが声を出そうとした瞬間、部屋の中からイブキの感心するような声が聞こえてきた。


(イブキ…なんでランドはんの部屋に居るんや?)


ランが中から聞こえてきたイブキの声にそんな感想を抱くと、続いてランドの声が聞こえてくる。


「だろう、自分で言うのもなんだがかなり使い込んでるからな。それに硬さもそんじょそこらのやつとは別格だと思うぞ」


(かなり使い込んでて硬いもの…一体なんのことやろ?)


「た…確かに…こんなモノで刺されたりしたら、私なんかひとたまりもありませんね…」


(さされたらひとたまりもない…なんか棒みたいなものなんか…えっそれってまさかランドはんの///)


ランは二人の会話の内容から、なにやらとんでもない考えが頭に浮かんだ。


(な…なんて会話してんねん二人して、とゆうかイブキはなんでランドはんの"アレ"を見とるねん///)


ランが部屋の外でそんな風に困惑していると、再度ランドの声が聞こえてくる。


「試してみるか、イブキに限らずどんな奴でも昇天すると思うが?」


(しょ…昇天って…ランドはんまで何言うてるの///)


「き…斬れ味に興味がないわけではありませんが、昇天するのはちょっと…」


(イブキも興味あるんかい!!)


部屋の外で声を出せずに、心の中でランが絶叫している中…二人の会話はまだ続く。


「そう言えば、イブキとは他にも約束してたよな」


(えっ、ランドはんイブキとなんか約束してたんか?)


「約束ですか?」


「ほら、機会があればイブキの服の下のモノを見せてくれるって話をしただろ?」


(えぇっ、ランドはんとイブキってそんな約束してたん!?)


ランが外で驚いていると、イブキは「あぁ…そう言えばそうでしたね」と言葉にする。


(ホンマに約束しとったんかい!)


「丁度いいですし、ここで見てみますか?」


(なんでそんな普通に返せるねん、服の下を見せるなんて恥ずかしいやろ///)


「いいのか?」


(ランドはんもノリ気なん!?)


「えぇまぁ、こんな風になってます」


「へぇ、服の下はそうなってたのか…」


(脱いだぁぁぁぁ!?)


ランがあまりの出来事に驚愕してると、二人の声が聞こえてくる。


「あとですねランドさん、もし出来たらでよろしいのですが…」


「なんだ?」


「私と是非一度…手合わせをお願いしたいのですが」


(そこまでやっといてなに改めてお願いしとんねん!)


「そうだな、俺としてもイブキがどれ程なのか興味はあるしな。是非お願いしたいな」


(ランドはーーん!?)


イブキへのランドの返答にランは心の中で再度絶叫する。


「楽しみにしています、ではラン様の発表式が済んで一段落した時にでも…」


「そうだな、とりあえずはランの事が一段落するのが重よ…「こらぁーーー!!」…!」


ランドがイブキに言葉を返そうとしたその時、とうとう堪えられなくなったランが障子を開けて叫んだ。


「この淫乱ドスケベくノ一がぁぁ、ウチの目が黒いうちはそんな事させへんからなぁぁぁぁ………ってあれ?」


ランはランドとイブキにそう叫んで突撃したが、目の前の二人が普通の格好で座っているのに首を傾げる。


「ラン…どうしたんだ?」


「ラン様…どうかされましたか?」


驚いた表情で自分を見つめる二人に、ランは「あれ、なんで二人とも服着とるの?」と尋ねる。


「「は?」」


ランの言葉の意味がわからず二人は首を傾げる。


「そりゃ服は着てるだろ?」


「いきなりなにを言ってるんですか?」


「えっ…だって今、ランドはんとイブキがなんやとんでもない話をしとるのを聞いたから…」


「「とんでもない話?」」


ランの言葉に二人は再度首を傾げる。


「とんでもない話って、俺はイブキに預けていた武器のロングソードを返してもらってただけだが?」


「そうですよ、そしてランドさんのロングソードがどんなものかを見せてもらってただけですが?」


「武器…ランドはんの?」


「あぁ、ついでに先日イブキと話していた…イブキの隠してる武器も見せてもらってただけだぞ?」


「はい、ランドさんには私の隠してる「暗器」を教えてほしいと言われてましたから…」


「イブキの隠してる暗器…」


二人の言葉を聞いて、ランは先程の二人の会話を振り返る。


「凄い、立派なモノ(剣)ですね」


「だろ、自分で言うのもあれだがかなり(この剣は)使い込んでるんだ」


「さされると昇天(死ぬ)ぞ」


「(武器としての)斬れ味は気になりますね…」


「………」


(あれ、お互いの愛用する武器の話やったんか…)


ランは頭の中で会話を振り返ると、そこでようやく自分がとんでもない勘違いをしていたことに気が付いた。


「な…なんやそういうことかいな、ウチとしたことがてっきり///」


「てっきり?」


「なんでもないよなんでも…気にせんといてランドはん、大したことやないから///」


「はぁ…?」


ランドはランがなにを言ってるのかわからなかったが、本人が気にするなというのでそれ以上は訊かなかった。


「それで、ランは俺に何か用でもあったのか?」


ランドがそう尋ねるとランは「い…いや大したことやないねん。ちょっと寝る前に明日は宜しくって挨拶しようと思っただけやから」と答える。


「そうか、まぁ明日は発表式だしな。俺もランを守るために全力を尽くすよ」


「せ…せやね…頼りにしてるでランドはん。そしたらウチはもう寝るからお休み〜♪」


「あぁ、お休み…」


ランはランドにそう言い、ランドから返事が返ってくるとそのまま部屋を出ていこうとしたが…


「ちょっとお待ち下さいラン様…」ガシッ…


「はうっ…!」ビクッ…


出ていこうとする肩をイブキに掴まれる。


「先程私に言った言葉の意味の説明がされておりませんが…?」


「え…えっと…ウチなにか言うたっけ?」


イブキの追及にランはそう惚けるが、イブキが騙されるわけもなく…


「しっかりと聞きましたよ、誰が「淫乱ドスケベくノ一」ですか…?」


「え…えーとそれはその…」


ランはどうにかイブキを誤魔化そうとするが、咄嗟に何も思いつかなかった。


そんなやり取りをしていると、先程のランの絶叫が聴こえたのか…そこにツバキとサイガがやって来た。


「何事ですか、ラン…先程の大声は貴女ですか?」


「イブキどうしたのじゃ、なぜラン様の肩を掴んでおる?」


やって来た二人にイブキは…


「ちょうどよかった、お館様とお祖父様…今からラン様と少し話し合いをしますのでご同席ください」


「「は?」」


イブキの言葉に二人は首を傾げるが、イブキはそのままランの肩を掴んだまま歩き出す。


「とりあえずこちらの方へ、しっかりと説明してもらいますからねラン様」ズルズル…


「イ…イブキ…明日は発表式やからそろそろウチも休まんと…「そんなに時間は取らせませんから…」…アカーン!」ズルズル…


イブキに連れて行かれるランを見送りながら、ツバキとサイガは「とりあえずついて行くか…」と呟いた。


「なにやらわかりませんが行きましょうかサイガ、それではランドさん私達はこれで」


「そうですな、ランド殿も明日に備えてしっかりと休んでくだされ」


「あっ…はい…おやすみなさい…」


ランドが二人にそう返すと、二人はラン達のあとを追いかけていった。


「なんだったんだ…?」


ランドはなにがなにやら理解できなかったが「とりあえずもう休むか…」と呟くと就寝の用意をするのだった。


一方ランは…イブキに先程の自身の言葉の意味を追求され、自分がどのような勘違いをしたかを説明したことで…


「なんてとんでもない勘違いをしてるんですかラン様は!!!」


「言葉だけ聞いてたらそんな風に聞こえたんやもん…」


「だとしても、私をそんな変態にしないでください!!!」


「んなこと言うたかて…イブキだってこれがランドはんやなくてイゾウはんやったらウチと同じようなことしたんちゃうの?」


「んなっ…わ…私はそんな…イゾウ先輩のアレが硬くて凄そうとか挿されたいとか思ったりは…///」


「顔真っ赤やん…」


「ラン様!!」


「ゴメンやって〜」


「…私の娘ってこんなに馬鹿だったかしら?」


「やれやれ、イブキもまだまだ修行が足りんのう…」


イブキにキツめの説教をされ、それでもイブキに言い返してイブキを赤面させたりしており…そんな二人の様子をツバキとサイガは呆れるように眺めるのだった。

リン「なんか…ランが登場時より残念になってない?」


作者「人ってのは「恋」をすると他のことに少し頭が回らなくなるものですよ」


リン「大して経験もないくせになにを偉そうに…」


作者「やめて!」


アリス「全く…へんな方向に勘違いするとか所詮は小娘ね」


ガーネット「全くだ、元騎士としてはそのような勘違いは…時には命取りになると忠告しておく」


作者&リン(どの口がほざくかなぁ…)

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