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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる  作者: のんびり生きていきたいおっさん


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試練の開始と踊りの先約

「それで、アンタとはどこで手合わせをすれば良いんだ?」


青龍との勝負を受けたランドがそう尋ねると、青龍は「こちらに私の鍛錬場がある、お前とはそこで手合わせしよう。ついて来い」と返して歩き出した。


ランド達は青龍のあとをついて行き、青龍が「ここだ」といって開いた扉の中に入った。


そこは地下にあるにも関わらず、かなりの広さをした空間で、その真ん中に「闘技場」のようなものが設置された場所だった。


「へぇ…地下にこれ程の広い空間があるとはな(ふむ、広さとしては…ダラス帝国の本戦の時の舞台より少し大きいといったところか)」


ランドがそう言うと青龍は「ここで私と手合わせ願おう」と口にした。


「了解した、そちらは武器はいいのか?」


ランドがそう尋ねると青龍は「私には不要だ」と返した。


「そうか、アンタがそう言うなら俺も武器は無しでいこう」


ランドはそう言うと腰の「太刀」を外した。


「無理をするな人間、私はお前が武器を使おうと非難はしない」


青龍はランドの行動にそう口にするが、ランドは「ありがたい申し出ではあるが…俺は俺で好きにやらせてもらうよ」と返した。


「ふ…変わった奴だな、だが面白い。その余裕がどこまで続くか見せてもらおう」


青龍はランドの言葉にそう言うと、舞台の上に「はっ…!」という声とともに跳び上がった。


「さぁ上がってこい、この階層までたどり着いたお前の実力を私に見せてみろ」


高く跳躍した青龍が、そのまま華麗に舞台に着地してそう言うと…ランは「おぉ…!」と驚きの声を上げる。


「なんちゅう身軽な兄ちゃんなんや…」


「凄まじい身のこなし…やはり只者ではないですね」


イブキもランの感想にそう同意してると、朱雀が「どうよ驚いた、青龍の力に怖気づいたかしら〜♪」と口にする。


「なんであんさんが得意気なんよ…」


ランが朱雀にそうツッコむと、朱雀は「ふふん、人間にあれほどの身のこなしが出来るかしら。ましてやそんな鎧を着てる姿で出来るかしら〜?」とランを煽った。


「ぬぅ…」


ランは朱雀の言葉に口をつぐむと、ランドに向かって声を掛ける。


「ランドはん、いっちょこの女が黙るような舞台の上がり方したってや!」


「ラン様、そこは別に張り合わなくとも…」


「んー出来るかは解らないが、ランがそう言うならやってみるよ…」


ランの言葉にイブキは少し呆れたような声を出し、ランドはランドでランの言葉にそう返すと「そうなるととりあえず鎧を脱いでと…」と鎧を脱ぎだした。


そうして鎧を脱いだランドは「さて、じゃあ俺も上がるとするか…」と言ったかと思うと…突然舞台とは反対側に走り出した。


「えっ、ランドはん?」


「ランドさん?」


突然のランドの行動にランとイブキがそう声を出した瞬間…


「ほいっと……」ダンッ…!


ランドは舞台の反対側の壁に跳躍し…


「はっ…!」ゲシッ…


壁を蹴って舞台の方へ飛んで行き…


「よっと…」クルクル…シュタ…


空中で身体を数回捻らせてから舞台へ華麗に着地した。


「こんな感じでいいかラン?」


ランドがそう言うとランは「おぉぉぉ〜!」と感嘆の声をあげる。


「凄いやんランドはん、カッコエエで〜(ウチの子供じみた要求まで叶えてくれるなんて、ホンマにランドはん優しいな。ほんでやっぱり素顔であんなことまで出来るランドはんカッコええわぁ〜///)」


ランはランドの行動にそう言って感動すると、横にいる朱雀に「ふふん」と得意気に声を掛ける。


「どうや、ウチのランドはんだってアレくらいのこと出来るんやで(って、「ウチの」なんて言うてもうた///)!」


「ぬぅぅ…」


朱雀はランに煽り返されて唇を噛む。


「ふ…ふん、所詮は見映えだけよ。手合わせの結果こそが全てなんだから!」


「上等や、強さでもランドはんの方が凄いってとこ見せたるわ!」


「青龍、人間なんかに負けるんじゃないわよ!」


「ランドはん、しっかり解らしたってや!」


やいのやいの言ってる女性二人に、舞台の上の二人は苦笑いする。


「なんか、ウチの仲間がすまないな…」


「いやこちらこそ…」


「まぁ朱雀の奴も悪気はないんだ、どうにもお前に一泡吹かせたいようでな…」


「まぁこちらとしても…頼まれてる以上安全にこなしたかったので、そちらの努力を蔑ろにしてしまったわけだしな」


そう会話をしてから、青龍は「ふ…」と笑みを浮かべる。


「実に不思議な人間だなお前は、だが決して不快ではない。試練としての手合わせとはいえ楽しくなりそうだ」スッ…


そう口にしてランドに向かって青龍は構えた。


「ゆくぞ挑戦者よ、この守護獣の一角「神竜の青龍」にお前の実力を見せてみろ!」


「俺はCランク冒険者ランドだ、今回はランの護衛として…護衛対象に恥をかかせない戦いを見せよう!」スッ…


青龍の言葉にランドもそう返すと身構える。


互いに身構えた二人を見て、玄武が「じゃあ俺が開始の合図を出してやるよ」と口にする。


玄武は自分のポケットから小さな酒瓶を取り出すと、中に残っていた酒を飲み干して瓶を構えた。


「コイツを今から上に投げるからよ、下に落ちて割れたら開始だ。二人ともそれでいいか?」


「「あぁ…」」


玄武の提案に二人がそう答えると、玄武は「それじゃあいくぜ…」と言うが早いか…


「ほいっ…」ポーン…


酒瓶を上に放り投げた。


酒瓶はクルクルと回転しながらゆっくりと地面に向かって落下していき…


………パリン!


やがて音を立てて地面で砕けた。


「はぁっ!!」


それと同時に、青龍はランドに向かって距離を詰めると手を開いたままでの突き「貫手」を放った。


「ぬんっ!」ビュオ…!


(速い…!)サッ…


ランドは青龍の素早い「貫手」を紙一重で身体をズラして回避する。


「ほぉ…今のを躱すか…」


青龍は自分の「貫手」を回避したランドに感心する様な声を出す。


「大した速度だ、まともにくらうとそこから貫かれそうだな(成る程、確かに白虎の武器での突きより速いな)」


ランドがそう言うと同時に、青龍は「ならばこれはどうだ…!」と今度は凄まじい速度で両手から「貫手」を繰り出してくる。


「はいやぁぁぁぁぁ!」シュシュシュシュシュシュ…!


「っと…たっ…はっ…よっと…」サッサッサッサッ…!


そんな青龍の「貫手」をランドは躱し…そして時には自分の手を添えて軌道を逸らした。


「ぬっ、よもやここまで私の攻撃をいなすとは…」


自分の攻撃を捌いたランドに青龍は思わずそんな声を出す。


そんな青龍にランドは「こちらからもいくぞ!」と返すと攻撃を繰り出した。


「はっ…やっ…てやっ…!」ドドドド…!


ランドは青龍に対して連続して小刻みな拳を放った。


「ぬっ…とっ…はっ…!」サッサッサッサッ…!


青龍もランドの突きを躱し…時にはいなして回避する。


そしてランドの攻撃の一瞬の間をついて「はっ!」とランドに向かって蹴りを放った。


そんな青龍の蹴りをランドは「なんのっ!」と手で掴む。


「なにっ!?」


ランドの反射神経に青龍が驚いた瞬間、ランドは「せいやっ!」と掴んだ足を軸に青龍を投げた。


投げられた青龍は「はぁっ!」と空中で回転してランドから離れたところに着地する。


「驚いた…大した反射速度だな…これまでの様子からてっきり力任せの強引な男かと思っていたが。「巨人(タイタン)」相手に使っていた「合気道」も付け焼き刃でないようだな」


青龍がランドにそう言うと、ランドも「こちらも同意見だ」と返す。


「先程の「貫手」にその身のこなし、武器を使わないと言うからてっきり「武道家」かと思ったが違うな。アンタ「拳法使い(カンフーマスター)」か?」


ランドの言葉に青龍は「ほぉ…そんなことまで知っているのか…」と笑みを浮かべる。


「如何にも私は「拳法使い(カンフーマスター)」だ、私が長年鍛錬してきた「龍闘演舞(りゅうとうえんぶ)」の技とくと見てゆくがいい」


そう言って再び構えを取る青龍に、ランドは「随分と物騒な踊りもあったもんだ…」と口にすると青龍に言葉を返す。


「生憎と見せてもらう「踊り」は先約があってな、アンタの踊りはその前の「前座」にしかならないぞ」


そう言ってランドも構え直すのだった。


そんな二人の様子を見ていた他の面々は…


「おぉ、青龍相手にランドも負けてねーな。こりゃ酒でも飲みながら観戦するしかねーな、なぁ朱雀お前の置いてる酒貰っていいか?」


「ランドの兄ちゃんすげーな、見ててすげーワクワクするぞ。あ、朱雀アタイお菓子欲しい♪」


二人の言葉に、ランとのやり取りから少し間が空いて落ち着いていた朱雀は「はぁ…」と溜め息をつきつつ口を開く。


「アンタら自由すぎるのよ…欲しけりゃ勝手に持ってきなさい。そこの部屋の中にあるから」


「おーありがてぇ♪」


「わーい♪」


朱雀の言葉に玄武と白虎はそう声にしながら朱雀の指さした方の扉へと向かった。


「兄貴や(あね)さんは自由ですねぇ…」


そんな二人を見送りながらグラシスがそう言うと、朱雀は「あ…グラシス、ついでだからアンタは玄武が割った瓶を片付けておきなさい。あっちに掃除道具あるから」と指示する。


「へいへい、全く人使い荒いんだから…」


グラシスはそう言うと掃除道具を取りに向かった。


そんなダンジョン守護者グループの様子を見ていたイブキは…


「なんか緊張感が抜けてしまいましたね、ラン様はどう思いますか?」


とランに声を掛けるがランは答えない。


「ラン様?」


イブキが不思議に思ってランの方に視線を向けるとランは…


「踊りの先約って…ランドはん…ウチの踊りそんなに楽しみにしててくれてるんや…///」ブツブツ…


なにやら頬を染めてニヤニヤしていた。

リン「「武道家」と「拳法使い」の違いとかあるの?」


作者「実際にはないかもですが、この作品では若干の違があるってことで」


リン「どんな?」


作者「「武道家」は一撃必殺タイプ、「拳法使い」は手数が多いってタイプです」


リン「成る程ね、戦う相手によって多少の相性の良し悪しがあるって感じね」


作者「そんな感じですね」

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