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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる  作者: のんびり生きていきたいおっさん


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残りの守護獣青龍と朱雀

コロナの後遺症の喉が治ったかと思えば花粉症が…

「お前達がこの階層を守る守護者か?」


ランドが自分達を待ち構えていた二人組にそう尋ねると、二人は「そう()」と答え、そのまま男の方が言葉を続ける。


「先ずは自己紹介をしよう…我が名は「青龍」。遥か昔の「災厄」に立ち向かい、当時の人間達より「神龍」と呼ばれた「守護獣」の一角を担う者なり」


男の自己紹介に、ランドは「ご丁寧にどうも」と返しつつもその気配に警戒していた。


(この男かなり強いな…その身に纏う気配だけでも相当だ。これ程の気配を感じるのはガルヴさんやウェイブさん、そしてバルゼルトさんくらいだと思ったが…)


そう心で思いながら、ランドは先程の玄武と白虎の言葉を思い出す。


『一人は俺よりも頑丈で力が強く…』


『アタイより素早くて武に優れてるぞ…』


(なるほど、コイツが二人の言っていた奴だな…)


ランドがそんな事を考えている後ろでは、ランも青龍の気配に少し飲まれていた。


「あの兄さん、なんか不思議な気配しとるねぇ…」


「玄武さんや白虎さんも私にとっては格上と思いましたが…あの男の気配はそれよりも更に桁違いです、私などでは足元にも及びません。ラン様どうか私やランドさんから離れないでください」


ランの少し前に立つイブキはそう口にするが、青龍の気配に飲まれたのかその額には汗が浮かぶ。


「イブキがそこまで言うやなんて、あの兄さんそれ程かいな?」ゴクッ…


ランは普段よりも緊張した口調のイブキの雰囲気に思わず息をのんだ。


ランド達が青龍の放つ気配に警戒していると、青龍の横にいた女性が「次は私が自己紹介するわね!」と口を開いた。


「私こそ「守護獣」の一角にして、その類まれなる知識にてかつての「災厄」との戦いで人間達を導きし朱ざ…「となるとあの派手な姉ちゃんが朱雀やねんな?」…途中で割り込まないでよ!」


自信満々に自己紹介をしてる途中で、ランに言葉を遮られた朱雀は抗議する。


「そないゆうたかて…ここまでで四体の「守護獣様」の内の三体が居るんやもん、消去法でそうなるやんか?」


「だとしても様式ってものがあるでしょう!」


「細かいやっちゃなぁ…」


朱雀の言葉にランは「やれやれ…」と言った感じでそう返すと「はいはい、それじゃあ自己紹介張り切ってどうぞ」と促した。


「いちいち癪に障る娘ね…」


朱雀はランの言葉に少しイライラしたが


「ま…まぁたかが人間の小娘に、私のような淑女が腹を立てるのも大人気な…「淑女…熟女やないんや?」…お黙んなさい!」


朱雀はランの言葉に再度そう抗議すると「こほん…」と咳払いを一つしてから改めて自己紹介する。


「私こそ「守護獣」の一角にして、その類まれなる知識にてかつての「災厄」との戦いで人間達を導きし朱雀なり。よくぞここまでたどり着いたな挑戦者よ、我等守護獣の試練を見事越えてゆくがいい!」ビシッ…!


そう口にしてポーズを決める朱雀に、ランは…


「わー凄いなぁ〜」パチパチパチ…


と拍手しながら適当に返した。


ランの様子に朱雀は「アンタ、私を馬鹿にしてるでしょ!」と口にする。


「そんなことないで〜♪」


「あのね、私は守護獣の朱雀なのよ。人間なら敬いなさいよ!」


「そないなこと言われても、ウチあんさんの凄いところとか知らんのやもん…」


ランの返答に朱雀は「はぁ、これだから人間は…」と溜め息をつくと言葉を続ける。


「いいかしら、さっきも言ったけど私は守護獣の中でも突出した「知識」を持っているの。普通の人間なら出来ないことも出来るんだからね!」


「例えばどんな事や?」


ランの質問に朱雀は「ふふん、心して聞きなさい!」と胸を張ると説明を始める。


「このダンジョンに設置された…数多のトラップを開発したのはこのわた…「ランドはんが殆ど回避してたやつやな」…ぐっ…」


ランのツッコミに朱雀は一瞬詰まるが、気を取り直して説明を続ける。


「そして一階の試練の「改造骸骨剣士カスタムソルジャースケルトン」を開発したのもわた…「ランドさんがワンパンで粉々にしてた骨ですね」…ぬっ…」


朱雀の言葉に今度はイブキが突っ込む。


「二階の「キングハンターアナコンダ」も…「ランドが力任せに引き千切ったやつだな」…ちょっと…」


その次は玄武がそう言葉にし…


「さ…三階の「氷結トカゲ(アイスサラマンダー)」とか…「ランドの兄ちゃんが尻尾持って振り回してたやつだな」…はうっ…」


白虎もそれに続いて言葉にし…


「そういや四階の「巨人(タイタン)」なんかあの男におちょくられてたな…」


朱雀が言う前に青龍がそう言った。


「そして俺は姉御に言われて旦那と対峙して…ものの見事にシバかれましたよ…」


「……」プルプル…


全員からツッコミを受けた朱雀は無言で体を震わせる。


そんな朱雀に、唯一ツッコミを入れてなかったランドが「えっと…大丈夫か?」と声を掛けると…


「きぃーーーー!!」


朱雀はそう叫ぶとランドを指さしながら言葉を投げる。


「そうよ、元はといえばアンタが悪いのよアンタが。なに人間のくせに私の開発した罠や魔物を片手間に片付けてくれてんのよ!」


「そう言われても…俺はラン達を守る様に頼まれて来てるんだから、障害となるものは排除する義務があるし」


ランドがそう言うと朱雀は「にしても限度があるのよ限度が!」と口にする。


「どこの世界に…神にも近いと言われる私達「守護獣」を一方的に負かせる人間が居るってのよ!」


「いやここに…「煩いわね!」…どうしろと?」


自分に対してあーだこーだと文句を言う朱雀に、ランドも困惑する。


「というかね、この祠に入ってきた時から思ってたけど…アンタなんでそんな鎧着てるのよ。その鎧に「強化付与」とかされてんでしょ!」


「これはその…今回の儀式でラン達の競争相手から、俺の身元を探られてそっちから妨害が来ないように俺の顔を隠す為で。これ自体はただの鎧でそんな効果とかは聞いてないんだが…」


「え…そうなの?」


ランドの回答に朱雀はキョトンとする。


「せやで朱雀はん、ランドはんがこの鎧着てるのは顔を隠すためだけやで(まぁ素顔は素顔でカッコええけどな///)」


「というか、鎧を着ることでむしろ「気持ち少し動きにくいかもな…」と言ってましたよ?」


「」


ランとイブキからの追加補足に朱雀は無言になる。


「そ…そんな筈ないわ、そこまで言うならここで鎧を脱ぎなさいよ。それで私達に勝てたら認めて最後の試練を受けさせてあげるわ!」


そう言葉にする朱雀に、様子を見ていた玄武が「あ〜朱雀…それなら確かめる必要ねぇよ」と口にする。


「なによ玄武、アンタだってもしそんな条件で負けたなら納得できな…「裸だ」…は?」


「俺はコイツと褌だけで正々堂々と相撲で勝負したんだ。その結果吹っ飛ばされて負けちまった、その時のコイツは間違いなく褌だけだった」


「アンタが生身の人間に素手で負けたっていうの!?」


「おぅ」


「」


玄武が頷くと朱雀は黙る。


「じゃ…じゃあなんでまた鎧を着直してるのよ。きっと白虎の攻撃が怖くて…「違うぞ朱雀」…はい?」


「アタイの所に来た時兄ちゃんは鎧は着てなかったぞ、アタイが「鎧着姿カッコイイからそれで勝負したい」と頼んだんだ」


「敵に頼み事してどうすんのよ!?」


「だって見たかったんだもん…」


「貴女ねぇ…」


朱雀は白虎の返事に頭を抱え蹲り「なんなのよもう…」とボヤく。


そうして数秒経つと、朱雀は立ち上がり「ま…まぁそういうことなら、最後の試練を受けさせてあげるわ…」と平静を装って口にする。


「ランドと言ったわね、今からアンタに試練を与えるわ」


「解った、試練の内容は?」


ランドがそう尋ねると朱雀は答える。


「ここに来る前にもちょっと口にしたけど、アナタの力を見せてご覧なさい。この「守護獣」四体の中でも最強の…この青龍にね!」ドドン!


そう言うと朱雀は自分の横にいる青龍をビシッと指さした。


「来る前にも言っとったけどアンタはやれへんのかーい!」ビシッ!


朱雀の言葉にランは思わずツッコミを入れた。


「嫌よ、私は知略専門だもの。そっちだって挑戦者は貴女なのに戦ってるのランドじゃない。さっきもそう言ってたし」


「まぁそらそうなんやけど…」


朱雀の返しにランはそう言って黙る。


「と言うわけだからやっちゃいなさい青龍!」


青龍は「そりゃあ試練なんだからやるにはやるが…」とだけ朱雀に返すと、ランドの方に視線を向けて口を開く。


「うちの仲間が騒がしくてスマンな、自信のあった防衛がお前に破られてちょっと不機嫌なんだ」


「気にしてはいない、それがお前達のここでの使命なんだろ」


「理解があって助かる、お前の力は拝見していたが私とて「守護獣」の一角としての意地がある。そうやすやすとはやられんぞ!」


「こちらこそランの儀式を成功させるためにここに来たんだ、どうぞお手柔らかに…」


こうして「洗礼の儀」最後の試練…「守護獣青龍との戦い」が始まろうとしていた。

リン「なんか朱雀が少し気の毒になってきたわ…」


作者「まぁ今章の構成的に、あのアホ息子がいないダンジョン内でのコミカルキャラなので…」


リン「ふーん、因みに朱雀は実際は頭はいいの?」


作者「はい、見えないかもしれませんが朱雀は以前出た「マッド(覚えてる人いるかな?)」や「ディクター」よりも「生物学」や「錬金術」、ひいては「神具師」としても追従を許さない天才です」


リン「流石に守護獣と呼ばれるスペックは持ち合わせてるのね…」

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