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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる  作者: のんびり生きていきたいおっさん


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使命はともかく一緒に行こう

「さて、そろそろ下に向かうか」


白虎との勝負が終わり、ランと白虎がコントを経て仲良くなって暫くすると…ランドはそう口にする。


「せやね、いい加減下に行かんとね」


「そうですね」


ランドの言葉にランとイブキがそう同意すると、白虎が「もう行くのか?」と少し寂しそうな顔をする。


「そんな顔せんといて白虎ちゃん、ウチ等にもやることがあるんや」


ランがそう言うと白虎は「……うん、そうだよな」と納得はしたが、やはり寂しそうだった。


そんな白虎に玄武は「おいおい白虎、お前なに悲しそうな顔してんだよ」と声を掛ける。


「べ…別に悲しくなんかないぞ、ただコイツ等と遊んだの楽しかったなって思ってるだけだ///」


「…ったく素直じゃねぇな。そういう時は素直になれよ」


「だ…だから違うってば///」


「それに俺達はここの守護獣だぞ、それぞれの持ち場を守るのが使命なんだから仕方ないだろ」


「わ…解ってるよ、アタイだって自分の責任ぐらい理解してる」


「ならそんな顔をするな、自分の使命を遂げるのが俺達の役目だ」


玄武と白虎がそんなやり取りをしているのを見ていたランドは、そんな二人になんとなく「あのさ…」声を掛ける。


「さっきから聞いてたら白虎はここに残るみたいな言いようだが…一緒に来ないのか?」


「へ?」


ランドの言葉に白虎はキョトンとする。


そして玄武は「あ、馬鹿野郎ランド…余計なこと言うんじゃねーよ!」とランドに抗議した。


そんな玄武の言葉は無視してランドは「いやだって…」と言葉を続ける。


「なんか白虎はここに残る方向で話してるように聞こえたから気になってな。別にここから下に付いてくるなら俺やラン達は構わないぞ…?」


「そうやん白虎ちゃん、ウチ等と一緒に行こ。ウチもまだ白虎ちゃんと話したいし」


「ランもこう言ってるしさ、君さえその気ならついて来たらいいじゃないか」


ランドの言葉に白虎は「そ…そりゃ…出来るならそうしたいけど…///」と呟いてから言葉を続ける。


「アタイはここの守護獣だからな、この祠をここで守るのが使命なんだ。そんなアタイがいくら祠の中とはいえ持ち場を離れるのは…」


白虎の言葉にランドは「白虎は真面目だなぁ…」と感心してから、「でもな、よく考えてみてくれ」と白虎に声を掛ける。


「ん、何をだ?」


ランドの言葉に白虎がそう聞き返すと、ランドは説明を始める。


「まず確認だが、君達「守護獣」はこの祠を守るためにいて…そしてそれぞれの持ち場を守っている。ここまではいいな?」


「うん」


ランドの言葉に白虎は頷く。


「そして君はその使命から、この場所を離れるわけにはいかないと思ってる。何故ならここが君が任された場所だからだ」


「そうだよ、だからアタイはここを離れるわけには…「そこで質問なんだが」…?」


白虎が自分の使命を口にしてる途中で、ランドは被せるように言うと言葉を続ける。


「今…君の横に立ってる男は誰だ?」


「え?」


ランドの言葉に白虎は、自分の顔を横に向けて横にいる男を見る。


「……」フイッ…


そこには、白虎の視線から逃げるように反対に顔を向ける男…つまり「守護獣」の玄武が立っていた。


「玄武がどうかしたのか?」


白虎がランドにそう言うと、ランドは「つまりだな…」と説明を続ける。


「君達の使命というものがどれ程重要かは知らないけど、君達「守護獣」は持ち場を基本的には離れたら駄目なんだよな?」


「そうだな、なにかしら話し合いがあるとき以外は基本持場を離れないぞ」


「うん、そして君はここが自分の持場だから…おいそれと離れるわけにはいかないと言ってるよな」


「うん」


「じゃあなんで今現在…君の持場に他の持場を任されてる玄武がいるんだ?」


「あ…」


ランドのその言葉で、白虎はようやく今現在の状況の矛盾に気が付いた。


そして白虎は自分の横にいる玄武の方にもう一度キッと視線を向ける。


そんな白虎の視線を、玄武は「ピーピー♪」と口笛を吹きながら見ようとしない。


「そうだよ、今更だけどなんで玄武がここにいるんだよ。お前自分の持場はどうしたんだ!」


白虎の言葉に玄武は「だって俺もうランドに負けちゃったし〜♪」と惚ける。


「お前、アタイに「守護獣としての使命を…」とか言っといて自分も守ってないじゃないか!」


「だってどうせ今はランド達しか来てねーもん、それにお前達がランドに負けるの見るのも面白そ〜だったし。俺がここにいるのに…その辺に気付かずに寂しそうにしてるお前は面白かったぜ♪」


「お…お前ぇーー///」


白虎は玄武に「守護獣の使命」とかを口実にからかわれたことに気が付くと、顔を赤くして玄武に武器を投げまくる。


「はっはっはっ痒い痒い、ランドのぶちかましのほうがよっぽど効いたぜ♪」ガンガン…


玄武はそんな白虎の攻撃を躱すことなく飄々と受ける。


ランド達はそんな守護獣同士のやり取りを「なんだかなぁ…」と見つめていた。


「玄武って自由な奴だな(そしてあの軽い性格(ノリ)、陛下と気が合いそうだ…)」


「ランドはんがそれ言うのん?」


「え?」


「そうですね、圧倒的な実力を持ちながら…ランクも上げずに過ごしてるランドさんも同じ様に自由過ぎると思いますが…」


「イブキまで…」


二人の言葉にランドが困惑してると、玄武と白虎の喧嘩…(と言っても玄武は白虎の攻撃を受けてるだけだが)は終わった。


「はぁ…はぁ…くそ…この筋肉ダルマめ」


「はっはっはっ気は済んだか?」


「はぁ…疲れたしもういいや…」


白虎はこれ以上玄武に武器をぶつけても意味はないと判断して止めた。


するとランが「なぁなぁ…」と玄武と白虎に声を掛ける。


「結局のところ白虎ちゃんは…ここに残るのかウチ等と一緒に行くのかどっちなん?」


ランの言葉に白虎は「一緒に行く!」と即答した。


「玄武が同行してるのに…アタイは留守番なんてズルいからな」


「ほなら一緒に行こ白虎ちゃん♪」


「うん♪」


白虎はそう言うとランに近付いてギュッとランの腰に掴まった。


「もう暫く宜しくなお姉ちゃん♪」


「はぁぁ…やっぱり白虎ちゃん連れて帰りたいわぁ〜」ギュッ…


ランもそう言って白虎を抱き締めた。


「ガハハハ、白虎おめぇ…すっかりその嬢ちゃんの妹みたいじゃねぇか」


「うるさいぞ玄武///」


「姉さんも可愛いとこがあるんですね…べっ!?」バシッ…!


「お前も煩いグラシス///」


白虎は自分をからかう玄武にそう文句を言い、ついでにグラシスにはまた棍棒を投げた。


そんなこんなで…結局白虎も玄武やグラシスと同様に、ランド達と一緒に下に向かうことになったのだった。


― ― ―


その頃下にいた残りの二人は…


「白虎からも連絡がないわね…」


「そうだな、さっきの轟音から考えるに…白虎も挑戦者に敗れたのかもな」


「大丈夫かしら…もしあの娘を傷付けてたら私はあの挑戦者達を許さないわよ」


「それは俺も同じだ、長く共に過ごした仲間を傷付けたというなら容赦しない」


「そうね、まぁちょっと音声だけでも様子伺おうかしら…」


そう言って女性の方が白虎のところの通信をつけると…


『じゃあ一緒に行こな白虎ちゃん♪』


『ラン様、だから守護獣様にそんな接し方は…』


『アタイはもう気にしてないぞ、それにランはお姉ちゃんみたいで楽しいしな♪』


『白虎ちゃんはエエ娘やなぁ〜♪』


『えへへ♪』


『仲良くなってなによりだ…』


『ガハハハ、白虎も素直になったじゃねぇか♪』


『変われば変わるもんすねぇ…』


そんな音声が聞こえてきた。


「……」


「……」


聞こえてきた音声に二人は無言になる。


「私…白虎に「お姉ちゃん」なんて言われたことないんだけど?」


「まぁ、お前は年齢的に…「あぁん!?」…いやなんでもない」


そんなやり取りをしているのだった。

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