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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる  作者: のんびり生きていきたいおっさん


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集団戦の練習と商人の到着

港街での散策をした翌日、今日はほとんどのメンバーが屋敷でゆっくりと過ごしていた。


シシリアやアリス達女性陣は昨日ランドがお土産で買ってきたお菓子を食べながら談笑しており、男性陣は昼寝をするものや自主練をしたりしている。


特にラジはゼル達のパーティーとカインズとダストンの6人を相手に集団戦の練習組手をしていた。


「そら!」


「ほっ」


「むん!」


「ハイッ!」


「てい!」


「よっと」


「これはどう?」


「フー!」


「今だダストン!」


「おう!」


「なんのぉ!」


「「グハッ?」」


ラジはゼルの突きを片手で受け、ガイルの振り下ろした拳をもう片方の手で受け止めそこに合わせて蹴りを放つペンドラの攻撃を尻尾で止める。

手と尻尾が塞がれた状態を見てリンが威力の抑えた炎を飛ばすがラジはそれをこちらも威力の抑えた「風の息吹(ウインドブレス)」で吹き飛ばし、そこにすかさず左右からカインズとダストンが攻撃をするがラジは両手で掴んでいるゼルとガイルを振り回して二人を迎撃した。


「いやー、参った。俺は弓使いだから徒手空拳はそこまででもないがそれでも自衛位はできるんだがな」


「うむ、俺の渾身の力も受け止めるとはな」


「尻尾を持ってる相手との組手なんて初めてだわ」


「やっぱりドラゴンにこの程度の魔法じゃ効かないわね」


「ゼルさん達を武器にするとは…」


「予想外だった、しかし実際にできるなら素手で数人相手にするなら有効だな」


それぞれがそう言ってラジオの動きに感心してるとラジも「みなさんありがとうございます、良い訓練になりました」と礼を述べる。


そんな様子を見ていたアルガス、フォルクス、セーラ、メリッサは…


「ゼル達はAランクだからともかく、ガキ二人もなかなかじゃねーか」


「確かにな、卒業したら是非依頼に取り組んでほしいぜ」


「戦闘メインじゃないから参加してないけどソアラやミーシャもなかなか魔力の扱いが上手いことはわかるわ、メリッサも良い生徒を持ったわね」


「みんなランド君が指導してからかなり上達したからね、今後が楽しみだよ」


そんな感じで感想を言い合っていた。


そんなときにラジは「でもボクもまだまだなんですよね…まだ師匠には一度も攻撃が決まったことないんですよ」と言葉にする。


「ランドはなぁ…なんかもう別というか…」


そう呟くゼルに他のみんなも「まぁな…」と同意する。


そこにランドがやって来た。


「ん?ラジ、組手は終わったのか」


「はい、みなさんとの組手はとても参考になりました」


「そうか良かったな、ゼル達も付き合ってくれてありがとうな。カインズとダストンもお疲れさん」


ランドがそう言葉にするとゼル達は「なに、こちらも良い鍛練になった」と返事をした。


「師匠、手合わせしてください」


「別にいいが、疲れてないか?」


「大丈夫です、お願いします」


「よし、じゃあ来なさい」


ランドはそう言うと砂浜に少し歩いてラジとの距離を取ると構える。


「いきます!」


そう言うとラジは凄まじい勢いでランドに攻撃を仕掛ける。


しかしランドはそれを軽く受け止めたり時にはいなして流したりしながら全て捌いていく。


「やっぱりランドはすげぇな…」


「うむ、ラジの攻撃をああも簡単に止めるとは…」


「やっぱりランドとは戦いたくないわね…」


「魔法唱える猶予とかくれなさそう」


「先生流石だな」


「ああ…」


それぞれが二人の組手を見てそんな感想を口にしていると決着がついた。


ラジが振り下ろしの拳を上からそして同時に尻尾で下から攻めて挟み込むように攻撃をするとランドは拳を右手で止めたあと左手で尻尾の先端を掴みそのままラジを振り回した。


「うわわわわ?」


ランドの頭上でクルクルと尻尾を軸に回されたラジが慌てた声をあげるそこでランドはゆっくりと回すのをやめてそっとラジを地面に置いた。


「ま、参りました」


「最後の上下同時の攻撃は良かったぞ、あとは手数や早さだな」


「はい、ありがとうございました」


「まぁ無理しない程度にな」


そう言ってランドはラジの頭を撫でるのだった。


その様子を見ていたアルガス達も…


「流石だな」


「そうだな、あれでトラブルさえ起こさなけりゃなぁ…」


「フォルクス、別にランドのせいでもないでしょ?」


「やっぱりすごいねランド君は…(模擬戦でも戦ってる姿は素敵だね///)」


「メリッサ、頑張ってね」


元パーティーメンバーで親友として応援の言葉を告げるセーラにメリッサは「う、うるさいな///でもありがとう」と返すのだった。


そんな風に各々がゆっくりとしているところにドルフィン号の乗組員がやって来た。


それに気付いたアルガスが「おや、どうかしたか?」と声をかける。


乗組員の男は「すいませんそろそろ商人達が来ると思うので一応伝えにいくようにと船長から言われたのでお伝えに参りました」と答えた。


「お、もうそんな時間か。わかった、こちらからは一応見届け人としてこのフォルクスとランドを付き添わせるが構わないよな?」


「勿論です、こちらとしては私有地を使わせていただいてるんですから当然です。ではよろしくお願いします」


そう言って乗組員の男は船へと戻っていった。


アルガスは組手を終えたランドのところに向かうと「ランド、乗組員がもうすぐ商人が来ると伝えに来た。昨日頼んだ通り見届けを頼む」と伝える。


ランドは「わかりました、今から行ってきます」と答えると念のために腰に剣を携えて浜辺へと向かった。


「それじゃあフォルクスも頼んだぞ」


「ったく、なんでお前の悪戯心に俺が貢献しなきゃならねーのかね」


フォルクスもそう言いながらもランドのあとを追うのだった。


二人がドルフィン号の近くまでやって来るとマーセルがそれに気付いて声をかけてくる。


「おう、二人とも今回は手間かけさせて申し訳ないな」


「気にするな、修理の方はどうだ?」


ランドの言葉にマーセルは「大分進んだよ、この調子なら明日の午後には出航できそうだ」と答えた。


フォルクスも「まぁ焦らなくて良いからな、半端に直して出てすぐに沈没とかされたらこちらも目覚めが悪いしよ」と言葉にする。


「ハハ、わかってるよ船乗りとして船に関することは妥協はしねぇつもりだ」


「ならいいがな」


そんなやり取りをしていると向こうから数台の馬車を引き連れた集団がやって来るのが見えた。


「っと商人達が来たみたいだな、それじゃあ見届けを頼んだぜ」


「わかった」


こうしてマーセル達と港街の商人の取引が始まった。

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