02.氷上日和
春休み2日目。
春といってもまだまだ寒い季節。
昨日溶けた雪が、水たまりとなって氷を張っている。
のの「今日は冷え込んでいるね」
ここ「転ばないように気をつけようね~」
「ところで、何を着たらそうなるの?」
ここは恐らく私の銀色の装備のことを言っているのだろう。
これは鋼でできた中世の鎧、中に暖房を備えた熱伝導の優れた装備だ。
さらには、万が一転んでも無傷で済んでしまうお得セットなのである。
ここ「返って打撲が増えたりしないのかな...」
のの「大丈夫、着慣れたいるからね」
ここ「着慣れちゃいけないと思うよ」
安全安心だとここに見せるために、自身を公園の真ん中に張った大きな氷の上へといざなう。
視界が悪く、靴底が滑りやすい金属でできているためかバランスを崩してしまいそうだ。
ここ「無理はダメだよ...」
のの「着慣れているから大丈夫だってば」
大丈夫なはずもなく、そのまま転んでアイスホッケーのように遠くへと滑り込んでしまう。
私は仕方がないので地面に手を付け、手足をピンと伸ばして見せた。
のの「どうだ。逆立ちスライディングだっ!」
ここ「危ないから今すぐやめてよぉ」
そういうとここは氷の上へと躍り出た。
最初はバランスを崩して戸惑っていたが目を離した隙に、
氷の上を時速30kmで滑っていた私を摩擦を感じさせない棒立ちで追いかけてきた。
姿勢を正して左右の手を巧みに使い逃げ回ったが、
段々と私との距離を縮めてついに捕まってしまった....。
ここ「怪我したら私にどうしろというの」
のの「腕一本失くしたぐらいならすぐ生えるって」
「正月に車に惹かれそうになってた子を助けた時に腕無くなったけど、ほらこのとおり」
裾を捲り、何の変哲もない腕をここに見せびらかした。
替えのきくただの腕だ。
ここ「それはともかく、頭取れたらどうしようもないんだからね」
のの「でも、ここは頭の交換できるじゃん」
ここ「それはそれ、これはこれです」
ここは頭と体がバラバラに生まれたため取り外しが可能だ。
それはそうと今日は、何して遊ぼうか考えることにした。
雪だるま延命計画をするんには今日は寒すぎる。
氷の上で遊ぶとここが黙っていはいないだろう。
のの「となると、ボーリングが最適解か」
ここ「なんで?」
滑りやすい氷を跨いだ対面に雪造のピンを並べて雪玉を投げる遊び。
氷の上に乗らずに氷で遊べるのだから安心安全間違いない。
のの「てことで、私からね」
ここ「怪我だけはしないでよ」
ということで私は、助走をつけて氷の手前まで走りこむ。
氷の手前まで来たら思いっきりジャンプして氷超える!!!
のの「おやぁぁぁぁぁぁあああああ」
ここ「なにしてるのぉー!??」
両手を広げてなるべく落下速度を落としながら跳んでいく!!
約10mを飛び越えてピンの前に立った私は、あっけなく全てを倒した。
このぐらいは朝飯前ってやつだ。
のの「ここの番だよ」
ここ「脚力どうなってるの...」
「ま、いいや。私の番ね」
プロ顔負けの構えを取ったここは、冷静を保ちながら少ない助走を始めた。
そのまま、バク宙を決めてそのままうつ伏せに倒れこむ。
ボール代わりの雪玉は見るも無残につぶれていたが、
「盛大にこけたぁぁあ」と叫ぶここの頭がピンのド真ん中へと向かっている。
のの「おぉ、大胆なストライクだ」
ここ「なにが大胆なストライクよ....」
氷の無い場所も半溶けの雪で滑りやすい。
ということで、私の鎧で溶かすことにした。
のの「暖房の利いた金属なら雪を解かすのなんてちょちょいのちょいよ」
ここ「適当にとかしちゃって大丈夫かなぁ」
結論。雪解け水で氷が増えただけ。
のの「ならば、ショベルカーで氷も雪も除去しちゃえば!!」
山一つを消し去れるほど大きなショベルカーを想像する。
確かひと削り1000kgだと聞いたことがある。
ここ「公園が更地になっちゃうよ...」
のの「いっそのこと公園を作り変えるのもありかと思ったのに」
ここ「なしだよ!?」
それならば、人工衛星からレーザービームを
いいや、地下に溶岩持ってきて地熱を使うべきなのかもしれない...。
いっそのこと冬の時期だけ地球温暖化させるのも...。
のの「うぅんん」
ここ「そもそも、氷で遊ぶのが間違いなのでは...?」
「それと、昼時の日光で氷とけてるいし」
のの「.....あ」
台風のように強く冷たい風が私を襲っている気がした。
氷が解け、やることがなくなったため
一度家に帰って雪だるま延命計画の続きが始まったがそれはまた別のお話なのだ。




