01.雪解け日和
小学校を6年かけて飛び級卒業した私。
そう!寒河江 之々の春休みが今日、始まった。
空は雲一つない晴天、雪解け水が田んぼを清めているであろう。
寂しげに庭に落ちた人参を見つめながら、朝食を待っていると
人参と細長い芝生の草...?のようなものが出されたが私は気にしない。
なぜなら目の前にある人参は根を張って、収穫の秋に向けて準備を始めているからだ。
朝食を食べ終わった私は、友達と約束した待ち合わせの公園に行くことになっている。
玄関を飛び出して、水たまりの水を弾き消し光の速度で向かうのだった。
公園で待っていたのは私の一番の友達、上山 小湖。
小学一年からの付き合いであり唯一、私の話を今も真剣に聞いてくれる人物だ。
のの「遅れてごめん。待ったぁ?」
ここ「遅れたも何も、まだ集合時間の3時間前だよ...?」
のの「私が速過すぎて、時間が俺に追いつけなかったのか」
ここ「今日も物理法則無視したんか...」
家から公園までたったの100m。
それを光速で走ってきたのだから時を駆けることも容易なのだ。
のの「それで、今日は集まって何をするの?」
ここ「まだ決めてないよ」
のの「まさか。雪だるま延命計画を実行しようというのかね!?」
ここ「雪だるま延命計画..?」
公園に無数に並べられた溶けかけの雪だるまを見つめながら、私は言葉をつづけた。
のの「そう。雪だるま延命計画」
「政府が直々に禁止にしたほどの危険な計画だった、、」
「雪だるまに、毎日欠かさず日焼け止めクリームを塗り日傘をさしてあげ....。
さらには南極産の一兆tにも及ぶ氷山を毎日持参しなくてはならない計画があったらしい」
ここ「雪だるまを連れて氷山に連れて行く方が早いのでは...?
(氷山溶けたら、町が浸水じゃすまないだろうし)」
のの「だから禁止されたんだよ...」
どうやって氷山を運ぶか疑問の声があるだろう。
しかし、意外と簡単なことだ。
ロケットでまず宇宙まで飛ばし、溶けたり砕けないように慎重に現地まで降ろせばいいのだから。
ここ「ま。手ごろにできる雪だるま延命計画には興味あるかな」
のの「ほうほう、一般市民向けの作戦に手を出すというんだな」
ここ「計画超えて実戦....!?」
一度家に帰り、各々使えそうなものを持ってくることになった。
私が持ってきたのは避雷針と発電機、そして冷蔵庫だ。
ここ「冷蔵庫はあるあるだとしても.....避雷針?」
のの「避雷針と発電機があれば電気代気にしなくて済むじゃん」
ここ「でも、こんなに晴れているのに雷なんて落ちるのかなぁ」
静電気すらも起きなさそうな雲一つない空なのは否定しない。
しかし、青天の霹靂という言葉があるだろう。
雷「ゴロゴロゴロ~!!」
のの「ほら、落ちた」
ここ「比喩って知ってる?」
ただ残念なことに、スーパーの業務用冷蔵庫ではこの雪だるまの数を全て収納できないみたいだ。
改めて数えてみたが、100憶体はある。
こうなったら、残りの50憶体はここに掛かっているといっても過言じゃない。
のの「残りは...どうしよう。ここは何を持ってきたの~?」
ここ「私はね。クーラーボックスと凍らせたペットボトル!!」
のの「雪だるまとキャンプにでも行くの?」
ここ「なんでそうなるんだよ」
ここは小さなクーラーボックスに、有り余った雪だるまたちをどんどん収納していく。
挙句の果てには私の業務用冷蔵庫までもが収納されてしまった。
のの「こ、これは。一体全体どういうことなんだ...」
ここ「全部混ざっちゃえば同じ雪だるまでしょ?」
平然な顔でクーラーボックスの中身を見せびらかしてくる。
もはや雪だるまの原型すらないといってもいいだろう。
跡形もなくこの世から消し去ったみたいだ....。
あれから数時間、雪だるまの蘇生を行った。
ここ「元々、何体いたんだっけ?」
のの「100憶だな...。いつの間にか3倍蘇生してたわ」
見るも無残になってしまった雪だるまたちを
手で一つ一つ蘇生をしていたせいか、いつの間にか数え間違ったようだ。
ここ「あれれ..。蘇生術どこらか錬金術に手を出してたりしない?」
のの「錬金術もいいが、私は延命術を学びたいところだね」
ここ「そっか。手も冷え切ったことだしそろそろ家に帰ろ」
のの「そうだね~。いくら春でもまだ10度もないし....」
雪だるま延命計画は明日に持ち越しするとして、帰宅路を辿ることにした。
行きは時間を置いてったため、あえて時間に寄り添って歩いてみると
家に着くころには日が暮れているのだった。
のの「今日は雪だるま延命計画を実行したっと...」
私は家につき次第、自身の机に付いて今日のことを日記に書き示すことにしている。
できるだけ私が感じたことをそのまま書き残そうと思っている。




