第72話 人間もサキュバスもお手上げ、ならば
ワイバーンを操っていたハイワイバーン、
ハウワイバーンを操っていたイビルワイバーン、
それを倒したらおそらくラスボスにイビルワイバーンを操っていたレインボーワイバーンが出てきた。
(そして光魔法が効かない)
何でも基本4属性全てを持っていて、
そのせいなのか、こっちの魔法、さらに物理攻撃も効かない、
おそらくホーリーサキュバスそのものが光属性だからなのだろう。
「あっ、僕が攻撃すれば」「止めておけ」
シグリヌさんに素で止められた、
こうなると人間の攻撃もサキュバスの攻撃も無理、
いや攻撃だから駄目なんだ、ということは、ここは……!!
「誰かティム出来る?!」
「やってみますわ」「かけてみます~」
「うん、二番煎じじゃないけれど、ジマーみたいに……」
杖を向けて無詠唱でティム魔法を試す、
ルビアとリムラであったが、レインボードラゴンは、
何食わぬ顔で暴れてばかり、無理っぽいな、駄目かあ。
(ファロラはジマーと一緒に、他のワイバーンを倒してくれています)
そして、コンビネーションで蹴散らしながらも、
僕らの様子を客観的に見てくれている、こういう分析は、
リーダーの僕よりよっぽどしかり観てくれる、さすが勇者、サキュバスだけど!
「セルフィ、おそらく攻撃魔法とみなされてるわね」
「わかるんだファロラ」「他に何か手は無いのかなあ?」
「じゃあ状態異常魔法を、素早さ減速、防御力低下魔法を」
シグリヌさんが足止めに相手してくれている中、
他のサキュバス3体が必死に無詠唱魔法をかける、
直接の攻撃魔法でも、いきなり相手を奪う魔法でもなく……
「能力低下魔法は効くようですわ」
「毒魔法や~、呪い系は~、効かないようです~」
「でもセルフィ、防御力をゼロにしても物理攻撃は効かないみたいよ」
ルビアもリムラもファロラも、
色々と魔法を試してくれているようだ、
そしてレインボーワイバーンも動きが明らかに鈍っている!
(でも、あとちょっとって感じなのに、倒せる気配が無い!)
直接攻撃は駄目、
魔法もサキュバスの光魔法じゃ駄目、
それ以外の魔法攻撃も術者がホーリーサキュバスだと効かないっぽい。
「あーもう、お手上げだあ」
「本当? じゃあアタシがやってみるわ」
「えっジマー?!」「ダークスライドカッター!!」
手を水平に振って、
黒いギザギザな光の輪がいくつも飛ばされる、
それがレインボーワイバーンに、刺さった、いや、貫いた!!
「ギャアアアアアァァァァァーーーーー!!!!!」
効いてる効いてる、
その空いた穴へ攻撃を仕掛けるシグリヌさん、
さすがにこれはレインボードラゴンも確実にダメージが、って!
「シグリヌさん危ない、引いて!」「わかった!!」
7・8発の輪が貫いたうえに戻ってきて、
さらに身体に穴を……あのままだとシグリヌさんも喰らっていたな、
あーあーレインボードラゴン、全身から紫の血を噴き出して、そしてよろよろと下の森へ落ちた、うん、ぴくぴくしたのち息絶えた。
「凄いよジマー、さすが魔王だ!」
「ふむ、闇属性魔法は効いたか」「その手がありましたわね」
「ジマーさんが居なかったら~、大変な所でした~」「ちょっと、ジマーが何かおかしいわ?!」
ファロラの声に見ると、
全身が光りはじめたジマー、
いやこれ、光に包まれている?!
「あ、ああっ、暖かい、ううん、身体が、アタシの身体が、あっ、熱いいいいいぃぃぃぃぃ!!!」
そしてまばゆく光った直後!!
「……あっ、明るさが収まってきた!」
「ほう、身体が大きくなったか」「なんだか成長してるわね」
「別人みたいです~」「ちょ、これ……進化してるわ、デーモンから!!」
ようやく完全に姿が見えたジマー、
それは少女のようなメスガキのデーモンから、
ボーンキュッボーンな超セクシーな身体になっていた!!
(年齢でいうと人間の20歳くらい見た目だ)
一気に成長してしまった!!
「これが……アタシ?!」
「ファロラ、ジマーの鑑定を」
「うん……凄いわ、グレーターデーモンですって」「ええっマジでー?!」
あの超悪名高い、
魔王の最上級クラスでは!!
「あらアタシ、どうしちゃいましょ」
いやほんと、
これはいったい、
どうなるんだよ……。
(それより、この現場の事後処理もしないと、ね)




