第71話 ワイバーンのインフレ
「ふう、500体は倒したぞ」
「シグリヌさん、一旦休みますか?」
「いやまだだ、回復はリムラの魔法で問題ない」
というか僕が背中に抱きついているのがキツくなってきた、
それだけ空中バトルはまだ続いている、いやほんと、どれだけ出てくるの、
これ奥の方から援軍でも呼んでるんじゃ、ということはやはり司令塔が居るのか。
「あまり派手な範囲魔法は自重しておりますが、これ以上沸くようでしたら」
「うんそうだねルビアさん、言い訳は後で考えれば良いし、とりあえずは敵の全滅優先で」
「おそらくこの距離なら街までは」「あ~、何か来ます~」「えっリムラさん」「複数、いえ、大勢です~」
森からワイバーンが隊列を組んで出てきた、
そして中心には上位のハイワイバーン、やはり組織の中心が居たか、
と思ったら隊列は1つじゃない、次々と出てくるハイワイバーン、なるほどそれでか。
(司令塔も複数居た訳だ)
しかしこうなると逆に攻め易い、
特に単騎攻撃が得意なシグリヌさんやファロラが、
ハイワイバーンを狙えば後のワイバーンはおまけみたいなもんですよ!
「ふむ、大規模攻撃か、これは不味いな」
「えっシグリヌさん、だってハイワイバーンだけを狙えば」
「いや、隊長が倒されたワイバーンは他の隊に吸収されている、つまりハイワイバーンの数が多すぎる」
確かに倒しても倒してもきりがない感じだ、
同じく単騎いやティムモンスターとペアだった、
ファロラもさすがに息を切らしはじめた、ジマーの操作? もあるからね。
「ちょっとこれ、おかしいわ」
「切りが無いじゃないのよもう!」
「これ絶対、更に何か居るわ」「魔力足りるかしら?」
ってジマー、僕を見ないで!
こんな所で魔力を吸われる隙も暇もベッドも無い、
かといってこの状況で一旦撤退とか、街に大群を誘導するようなものだ。
(さすがにあの爺さんが気の毒過ぎる)
つまりは、
何としてでもここで敵を倒し切らないと、
でもほんっとにわらわらわらわら……あっルビアさんがついに!
「ホーリーシャワー!!」
光の矢を降らせちゃった、
こうなるともう抑えは効かないな、
ファロラもホーリーブリザードてワイバーンをバラバラにし始めてる。
(ただ、こういう派手な魔法は魔力消費が……)
背筋がぞくりとする、
と思っていたら今度はハイワイバーンのみで隊列を組み始めた、
そしてまとまってこちらへやってくるが、その最後方に紫のワイバーンが!
「ファロラ、あれは?」
「……イビルワイバーンですって」
「あんなのが更に控えていたのかぁ」
親玉登場って感じかな?
ワイバーンより一回り大きいハイワイバーン、
そこから更にもう一回り大きい、翼で切り裂かれそうだ。
「よし、皆であいつを」
「あっ待ってシグリヌさん」
「どうしたセルフィ」「イビルワイバーンもいっぱい出てきた!」
さっきのワイバーンとハイワイバーンの隊列みたいに、
今度はハイワイバーンとイビルワイバーンの隊列ときたか、
もうこれは、魔力切れとか言っている場合じゃないな、うん。
(結局、イビルワイバーンは6体かぁ)
こうしてバトルをし続けた結果、
何とかイビルワイバーン以外を蹴散らし、
イビルワイバーン自体も残り3体となった所で……!!
「あ~~~!!」
「リムラさん、まさか魔力が切れて回復魔法が?!」
「いえ~~、隠れていた特大な魔力反応が~~、来ます~~~!!」
やってきたのはイビルワイバーン8体を引き連れた、
7色に光る巨大なワイバーン、ってこれはもうドラゴンでは?!
生半可な竜よりどでかい亜流、ファロラがすかさず勇者スキルで鑑定したようだ。
「これは『レインボーワイバーン』ワイバーンの最上位種だって!!」
もう滅茶苦茶だ、
ワイバーンのインフレだよ……
「攻撃魔法が来るわ!!」
うわ、7色の光が攻撃してきた!
僕らは避けるので精いっぱいだが、
こちらの光魔法を集中させれば、きっと……!!
「よし、じゃあ最優先はレインボーワイバーンを魔法で」
「駄目よセルフィ」「えっファロラなんで」「あのワイバーン、光攻撃魔法無効化のスキルがあるわ」
「じゃあ物理攻撃で」「任せろ、ふんぬっ……うあっ、まるで効かない」「シグリヌさんでもかあ」「セルフィ、良い案は無いか」
あっ、リーダーである僕が頼られた!
ちょっと嬉しいけれども、さて、この状況、
いったいどうすれば良いんだ……考えるんだ僕、人間として!!!




