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よわよわ勇者のサキュバス無双~最弱勇者は冒険者に化けたサキュバスと最強まで成り上がります!~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 王都に現れた聖なる白い一団、その正体は勇者と魔物!

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第7話 そもそもの回想 終編 教会を追放、冒険者となって今に至る

「神官剣士シグリヌ……魔法使いルビア……僧侶リムラ……光の勇者ファロラ……

 貴女たちを……当、タリーシャ大教会から……追放、し……ま……す……セルフィ、頼んだ……わ……」

「はいっ、タリーシャ様、後は……お任せ下さい」「タリーシャ様!」「師匠!」「大聖女さまぁ~」「ううう、お婆ちゃん……」


 あれから1年、その間の事をおさらいすると、

 僕らはまず最初に、僕個人がG級(見習い)冒険者としてフェルカエール伯爵領の冒険者ギルドで登録し、

 そこから勇者による勇者特権の依頼として、ラホス村のタリーシャ大教会にお願いして4人に『協力』して貰うこととなった。


(事実上のパーティー結成だけど、あくまで僕1人のパーティーに教会から僧侶4人を派遣して貰っている形だ)


 そしてみんなで決めたパーティー名が『ホーリーアンライヴァルド』意味は”聖なる敵無し”だ、

 いや聖なる敵じゃなく聖なる、ね、敵無しの聖なる軍団とでも言おうか、人間1人にサキュバス4体だけど、

 ほんっとうに正体がばれて不味くなったら僕が四体のサキュバスをティムしている事にするが、それは最後の最後、最終手段だ。


(そうなりゃ教会も良い顔しないが、まあ教会を追放扱いだからね)


 つまり言い方は悪いがたった今、

 タリーシャ様に死ぬ間際に追放して貰った事によって、

 彼女達は晴れて教会員から冒険者になった、その前段階の条件として、


『勇者がどうしても必要な教会職員を冒険者に引き抜く』


 という作業が必要で、そぼための理由と実績作りに今まで5人、

 パーティーを組んで大教会(タリーシャ様)と伯爵当主の依頼で1年間、

 魔族領を中心に戦い続けてきた、結果、ファロラは勇者スキルを増やし、僕は最大魔力量だけはとんでもなく増えた。


(が、スキルは相変わらずゼロです!)


 サキュバスは別にして、

 人間の勇者は18歳を過ぎるともうスキルは憶えないらしく、

 これで僕は勇者スキル無しの、よわよわ勇者、最弱勇者確定である。


「……天に召された事を確認致しました」


 両手を合わせる伯爵領の街から来た聖女レネス様、

 1度だけランキング50位同点(大人の事情)になった方で、

 僕たちの今後の手続きを、タリーシャ様ではもう出来ない分も含めて手伝ってくれた。


(みんな泣きながら、それぞれお別れしている……)


 もちろん僕もめっちゃ泣いた、

 いや僕は教会員じゃないけれども、

 1年も面倒を見て貰った形の大聖女様には感謝しかなかった。


「……すみませんレネス様、この後、色々と」

「良いのですよ、タリーシャ様の教会での引継ぎは、全て私に任されましたから」


 ということで、

 ここでのお葬式は本当に形だけ、

 身内だけのものに……元々、僕らしか居ない村だからね。

 

(で、荷物をまとめて翌日、伯爵領の領都へ向けて遺体を乗せ馬車で出発)


 もうこの時点で冒険者として旅立つので、

 僕らの私物はほとんど残してはいない、のだけれども、

 今後一切、一生戻らないという訳では無い、魔族領へ行く用事があったらここで泊まるからね。


「みんな、馬車の中でもそんなに泣かないで」


 サキュバスとはいえ情が相当深い、

 タリーシャ様の介護を僕との冒険者活動と平行して、

 一生懸命やっていたからなあ、ありとあらゆるお世話を。


(僕も掃除と料理を少し手伝った、あと領都への買い出しも)


 よわよわ勇者は、

 弱いなりにもお手伝いをするのですよ。

 そんなことを思い出しながら領都の教会へ到着すると……


「皆様、教会発行の冒険者カードです」


 奥の、遺体と僕らだけの霊安室で、

 レネス様から人に化けたサキュバスに4枚配られた。


「感謝する、これでもう」「ええシグリヌさん、冒険者です」

「ではもう教会とは関係ないのですわ?」「しかしルビアさん、元教会員として行く先々で挨拶をした方が」

「そのあたりは~、してもしなくてもでしょうか~」「リムラさん、する事を強く推奨します」「わかりました!」


 元気に了承するファロラ、

 きらきらの冒険者カードは、

 教会が円満に追放というか送り出しましたよという証拠らしい。


(あれ、みんなE級になってる)


 僕がなんだかんだで、

 この1年でE級に上がったからかな、事実上の1人パーティー、

 ちなみにそれ以上の階級はここの冒険者ギルドでは無理らしい。


「それでレネス様、この後は」

「はいセルフィさん、大聖女タリーシャ様の葬儀を大々的に、

 一番最初の儀式だけお弟子さんの4人に手伝って頂いて、ラホス村への埋葬は我々で」


 申し訳ないな、

 ただ、これだけの大聖女様、

 お別れの儀式だけで10日かかるし、ファロラ達はもう教会員じゃない。


(本人達に確認しても、埋葬までは、そこまで手伝いたい気持ちは無いらしい)


 それもこれもきっと、

 タリーシャ様が『私が死んだらセルフィを大切に』と言ってくれたからだろう、

 ついでに『本当の最後は静かに、おごそかに』とか伝文の遺言が、とにかくこれでほぼ自由だ。


「では皆様、本当に最後のお別れを」


 まずは背中に大きな剣を2本挿しのシグリヌさん。


「タリーシャ様最後の弟子として恥じない聖剣士になってみせよう」


 サキュバスだけどね、でも大聖女様の弟子には変わりない、

 そこは種族を超えて伝わった、魂に刻まれた本当の師弟関係だ。

 続いてルビアさん、綺麗で宝石の装飾がやかましいくらいな杖を棺桶に乗せながら。


「師匠様から受け継いだこの杖で、わたくしルビア、最高の光魔法使いになってみせますわ」


 ちなみに杖自体は元は地味だったので、

 魔族領で手に入れた魔宝石をタリーシャ様許可のうえ、

 強化のために散りばめてつけた能力的にも金銭的にも凄く高価な杖だ。


(本当に困ったらオークションに出して良いって言われてるが、もったいなさ過ぎる)


 ちなみに教会としても、

 いつでも言い値で買うってさ!

 続いてこちらはクリスタルの杖を手にした僧侶リムラさん。


「これまで大聖女様のお世話を~、誠心誠意致しました~、

 ですのでこれからは遺言に乗っ取り~、勇者セルフィ様を誠心誠意お世話します~」


 とはいえ、そのお世話の先には魔力提供の対価が必要となる、

 今まで1年、ほぼ毎晩毎晩この僕の勇者魔力を吸われ続けた結果、

 ある意味で完全なる浄化、ある意味でとても恐ろしい呪いをかけられたと言える。


(時には拷問のように感じた事もあったっけなぁ)


 そして神官勇者、こっちも冒険者ギルドじゃ『将来の聖勇者』とか『光の魔斬』とか言われてたっけ。


「もうお婆ちゃんって呼んじゃっていいよね、ねえお婆ちゃん、ファロラ、

 お婆ちゃんの名前を大陸中に売ってくるから、それで私がその弟子ってなれば、

 きっとお婆ちゃんの評価も上がるし、私も人間と思わせる事が出来て、ううん、勇者として……ううぅぅぅ」


 泣いちゃった、

 あと最後は僕からだ。


「タリーシャ様、簡単だったけどファロラとの結婚式を挙げてくれてありがとう、

 ルビアさんとリムラさんの共同魔法で一瞬だけ目が見えるようになって僕らを見て、

 本当に嬉しそうな笑顔で涙を流していた、あの瞬間を一生忘れないよ、これからは天国から見守ってね」


 ……という訳で、

 僕らはもうちょっとだけお手伝いをしたのち、

 大葬儀初日終りでそのまま王都へ向けて旅立ったのだった、冒険者として。


(ここまでが僕の、いや、僕たちの旅立ちの回想……)


 サキュバスに四方から貪られながら、

 そんなことを思い巡らせるくらいには勇者魔力を吸われるのに慣れてしまった、

 並の人間が普通に生命力を吸われてたら、もうとっくに干からびているくらいに。


(まあいいや、僕には僕の、強さ以外の役割がある、そう、リーダーとして、そして……たった1人の、人間として)


 さて、明日からちゃんと、

 冒険者としての活動をやらないとね、

 まずはダンジョンで僕らの実力を見せるんだっけ。


「ふぁわぁぁ、そろそろ眠くなったから、みんな、おやすみぃ……」


 ある程度吸われると睡眠に襲われる、

 身体が、精神が逃避しようとしているのかな、

 まあ寝てもしばらくは、勝手にされ続けているのだけどね。

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