第63話 百合ハニートラップというパワーワード
「ふんぬっ!!」
マントを脱ぎ棄てたシグリヌさん、
その中は、ええっ、これは下着姿?!
いや違う、白いビキニアーマーだ、しかも色々と際どい!
(マロウさんが、動けない!!)
そして剣2本が喉元で止まる!
「そこまで、勝者シグリヌ!」
あっさり勝っちゃった、
そう、拍子抜けする程に……
だってマロウさん、本当に一歩も動かないんだもの!
「こ、こっ、これは卑怯です、反則ですっ!」
「ほうマロウよ、私のどこがどう反則か具体的に言って貰おうか」
「そ、そんな、はしたない結構でっ!」「単なる動きやすさ重視の装備だ、なあ審判よ」
まじまじとビキニアーマーを見る騎士団のお方、いや真面目に。
「……確かに装備の範囲内だ、それに女性同士だろう、過度に目を奪われる事はあるまい」
「ありますあります、これは間違いなくハニートラップですっ!」「だとしてもだ、これは決闘だ」
「そ、そんなあ、せ、せっかくシグリヌ様を手に入れるチャンスが……うあああああああああああ!!!」
あーあ泣いちゃった、
S級冒険者が騎士団の皆さんを前に!
それにしてもアレだ、これは『百合ハニー十トラップ』とかいうパワーワードだ。
(おそらく胸元から、先っちょが見えているはず!)
ああいうチラリが効くんですよ、ええ、
それに目を奪われて、きっと動けなかったのだろう、
いやほんとまったく、S級冒険者のリーダーともあろうお方が……
(人の事は、まったく言えないけれども!)
まあ僕の場合はなんというか『生贄』だ、
そんなことより、これで終わりじゃ締まらない、
きちんとしたマロウさんの実力も、今後組む(よね?)にあたって見ておきたいし。
「ふう、セルフィ、相手は泣き崩れているがどうする」
「んっとマロウさーん、決着はつきましたが泣きの1回です」
「ふぇえええええ???」「シグリヌさんが普通の装備でやります、そちらが勝ったらシグリヌさんと、いちゃついて良いですよ」
涙をぬぐうマロウさん!
「そ、それはどこまで、いつまでですかっ?!」
「シグリヌさんが止めるまでですが」「ではセルフィがストップするまでだ」
「わ、わかりましたっ!」「ただし負けたら、セルフィと、いちゃついて貰おう」
そんなシグリヌさん、
まるで僕が罰ゲームみたいじゃないか!!
一旦、控室の方へと移動するシグリヌさん、ちょっと時間を潰すか。
「ファロラ、戦えるよね?」「ええ」
「んーっと神官剣士の」「ピアニですっ」
「じゃあシグリヌさんが着替えてくる間、一戦交える?」「「はいっっ」」
どっちも準備良いな、
いや一応、僕も剣を腰につけている、
参加する気はないけどね、でも4対5の集団戦に追い込まれる可能性もゼロでは無いので。
(さっさと対峙しちゃったよ、2人とも)
審判の騎士団員さんが丁寧にまた注意事項を、
この流れで僕が出て『誰でも良い、かかってこい!』て言ったらどうなるんだろう、
ゴリッゴリの騎士団員が出てきて泣きながら追い回される僕の姿が容易に想像できるね!
「では、はじめっ!」
あっ、始まっちゃった!
そして剣を交える2人だが、
見た感じは互角に戦っている。
「はっ、はあっ!」
「ぃやはぁっ、あぃやっ!!」
なんだかあまり聞かない感じの声だなピアニさん、
そしてなんとなく感じる、あの剣、魔法で相手の攻撃を吸収している、
互角に受けていると見せて相手だけ、ファロラだけが疲れるって作戦だろう、でも……
「でやっ!」
ドカッッ!!
「ぃひいぃっ?!」
うん、蹴ったね!
「そこまで、勝者ファロラ!!」
さすがは容赦なしのファロラ、
本当に貴族の養子だったのかって闘い方だ、
まあ戦場や魔物の生息地だと、こんなもんですよ、サキュバスだし。
「じゃあ次、セルフィね」「えええええ」
「あの、よろしくお願いします」「あっ薬師ポーターの」
「ポルサです、一応、短剣を使えます」「よ、よっ、よろしく~~」
結果、こてんぱんにされました。
(というエキシビションの後はマロウさんシグリヌさんの再戦です!)




