第53話 夜に冒険者ギルドと教会へご挨拶
「おう、丁度良い所へ来た、詳しい容量を知りたい」
「えっギルマス、何のですか?!」「勇者スキル、アイテムボックスのだ!」
「あっファロラの」「積めるだけ積みたい、どこまで行ける」「はい、いくらでも!」
ファロラの言葉に、
思わず固まってしまった、
冒険者ギルマスのタリオンさん。
「いや限度はあるだろう、普通は馬車1台か多くても1台半だ」
「えっそんなもんなんですか?!」「一応、最高記録は4台分だが」
「ん~、ファロラ、もっと行けるよね?」「ええ、多分」「ほっ、本当か?!」
すでに冒険者ギルドに運ばれている箱を、
シグリヌさんが次々とファロラのアイテムボックスへ入れる、
空中に出た亜空間の入口ね、首を突っ込もうとしても生物はなぜか入らない。
「これは凄いな、奥の倉庫へ来て貰えるか」
「はい、まだまだ沢山、入ると思いますよ?」
「あと魔王はちゃんと従魔登録してくれたようだな」
とご機嫌で並んで奥へ行くギルマスとファロラさん、
まあネトラレの心配は無い、相手が誰であれね、なぜなら、
うちのサキュバスは僕レベルの魔力持ち勇者でなければ持たないだろう。
(そして、そんな勇者に僕は会った事が無い)
あえて言うならファロラだが、
その魔力の供給源はここにおいては僕である、
そういえばこれに関しては、ちょっと試したい事があってね……
「どんどん入れて良いのだな?」
「あ、ああ、この後、商業ギルドへも頼む」
「暇ですわ」「暇ですね~」「うん、暇だね」
シグリヌさんが放り込んで、
それを受けているファロラがアシストする、
たまーに入りそこねそうになるのをきっちりと。
(ルビアさんリムラさん僕は見ているだけです)
あとジマーもか、あくびしてら。
ということで冒険者ギルドで用意されていた分は入れ終わり、
商業ギルドの方へ、こっちの倉庫はさすがに量が半端ないのだが……
「困ったな」「どうしたんですかタリオンさん」
「いやセルフィ、向こうにも受け入れられる限界の量がある」
「でしょうねえ」「だからとりあえず、可能な量を計算してやってみよう」
それで全部積めれば大喜びってやつだな、
多分、おそらくは大丈夫と思うんだけどなあ、
色んな種類のポーションやらアイテムやらが箱単位で積まれていく。
(貴重そうな聖水まであるな)
そして箱関係は、
用意したであろう量はものの見事に全部入った。
「すげえぞ、馬車7台分は入ってるぞ」
「ギルマス、まだ入ると思いますが、どうしましょう」
「では向こうの建物の、補修用の板や釘やらもだ」「はいはい」
と僕が会話するものの、
実際に放り込むのはシグリヌさん、
放り込まれるのはファロラのアイテムボックスである。
(ていうか、実はすでに最初から、小屋が3軒入っているんですけどね!)
まあ内緒にしておこう、
下手すりゃ何を入れさせられるかわからない、
巨大な国王像とか言われたらさすがに頭を抱えるぞ、ケロッと入りそうだけど。
「……とりあえずは以上だ、まだあれば明日朝だが、量が多い物はもう無いだろう」
「はい、じゃあとりあえずはこれで、そうそう『魔の谷』について情報を聞きに来たんですが」
「長くなるぞ、何なら道中で話すが」「えっギルマスが?!」「いや交代要員のギルド職員がだ」
あっちにも仮設の冒険者ギルドがあるのか。
「みんな、いいかな」「リーダーが良いなら」
「お任せしますわ」「問題ないかと~」「セルフィに従うから」
「ということです、ってあれっジマーどこ行った」「あそこのソファーで寝ているが」
ギルマスに教えて貰って回収っと、
続いて王都の大教会へ、かなり遅くなったが、
まだ偉いさんは居たみたい、王城から連絡でもあったかな僕らが行くって。
(ということで来賓応接間に通されて事情説明)
相手はよく知らない偉い人、初めて見るお爺さんだ。
「そうかわかった、では王城には個別に請求しておこう」
「えっお金取っちゃうんですか」「あからさまに貴殿らの恩を売るつもりは無い」
「その方が助かります」「ただ、教会出身の冒険者パーティーを育て上げた実績をだな」
まあ育てたのは建前上は大聖女タリーシャ様、
そういう意味では間違ってはいないのでそれを盾に、
王城の方へ『わかっているね?』という感じでお金をせびるんだろうな。
「それで僕たちは明日『魔の谷』へ出発しますが」
「あそこの基地にも仮設教会はあるが、かなり傷んでおろう」
「あっはい、じゃあ結界を」「帰りに結界石を渡そう」「いいんですかあ?!」「これくらいはの」
結界石は光魔石を加工した貴重なもので、
これを使用することで教会に聖域を造り出して、
その効果によって体力魔力治癒力が上がるのですよ。
(実は僕らも持っています、ええ、軽く二桁は)
だから大袈裟に驚いてみました。
「ありがとうございます、教会の補修はやっておきますので」
「うむ頼んだ、これも依頼にした方が良いか?」「いえ、あくまでも寄付ということで」
「タリーシャ大聖女は良い弟子を育てたものだ」「お知り合いで」「2つ下だが同じ教会で1年過ごした」
繋がりのある人を待たせてくれたのか。
「その時の思い出は」
「そうだのう、あれは旧修道院に幽霊が出たと噂になった時、一緒に調査に行っての……」
とまあ落ちは単なるスケベオヤジでしたって話を聞いて、
帰りに結界石を貰ってハーレム宿へと帰ったのであった、
かなり遅い夕食を食べ終わったら、明日はいよいよ王都から出発だ!!!




