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よわよわ勇者のサキュバス無双~最弱勇者は冒険者に化けたサキュバスと最強まで成り上がります!~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 王都に現れた聖なる白い一団、その正体は勇者と魔物!

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第5話 そもそもの回想 中編 伯爵家を追放、教会へ

「我が婿セルフィよ、早速だがフェルカエール伯爵家を追放する!」

「えええええ、いま到着したばかりですよ」「いや一生に一度は言ってみたかった」

「再会して早々に追放って、追放大陸新記録じゃないですか?」「ちなみにファロラはラホス村だ」


 えっ、どこ?!


「ええっと、こちらへお邪魔するのは久々なので、改めて確認を」

「君を連れてきた兄2人なら、私の奢りだと言ったら喜んで娼館へ走って行ったぞ」

「はあ、それはありがとうございます、じゃなくってまず、僕はファロラ嬢と結婚しに来たのですが」


 うむ、と頷く伯爵家ご当主様、

 奥様は終始笑顔、普通に客人を迎えた感じで、

 とても悪意ある感じはしない、事の成り行きを見守る感じ。


「ふふ、セルフィ坊や、本当にこんな可愛い息子が欲しかったわ」

「いやそんな、本来の息子さんが可愛くないみたいな」「タイプが違うもの、しかも勇者」

「ま、まあ」「どうしても本当に伯爵家へ婿入りしたいというのであれば」「いえ、僕は冒険者に」


 腕で奥様を制す伯爵。


「そうだろう、そのための手筈を色々と整えておいたのだ」

「改めてそこの説明を、していただけたらなあっと、お手数おかけしますが」

「わかったそれくらいの義務は果たそう、どこから説明するか、我が伯爵家の役割は知っておるな?」


 幼い頃から聞かされていた知識なら、

 ここへは避暑地として子供の頃、毎年来ていたので、

 そのたびに聞かされた話でもある、それを思い出して語れば良いのか。


「ここは恐ろしい魔族領との国境、そこを管理する場でしたよね」

「そうだ、いわば緩衝地域、なぜ辺境伯ではなく伯爵かというと……」

「あなた、それは長くなるわ」「そうだな、ようは辺境伯だと独立され兼ねない、一言で表すならそうだ」


 色々と実はデリケートな場所、

 辺境伯家としてここを避暑地に選んでいるのは、

 もちろん親戚でもあるけれども、監視チェックの意味合いもある。


「でもそれがファロラや僕の追放と、どう関係が」

「実はファロラは、魔族領出身でな」「え」「友好のために、子の交換をした」

「それじゃあ」「うちの死んだ事になっている長女は魔族領に嫁入り、逆に」「来たのがファロラと」


 いや、それじゃあまるで……でも、まさか。


「ファロラの具体的な話は本人から聞くと良い、でだ、様々な理由でファロラは冒険者として旅立つ必要がある」

「だからこそ、僕と一緒に、ですか」「聖女タリーシャを知っておるだろう」「ええ、昔は結構有名なお方だったと」

「ふふ、セルフィもお世話になっていたわよね」「はい、教会で冒険譚を聞かせて頂いて、ファロラも一緒に」「彼女が今、ラホス村に居るのよ」


 地図を広げて見せてくれる執事さん、

 いやあ魔族領の部分が真っ黒で相変わらず怖い、

 その隣にあったあった、魔族領沿いにラホス村、こんな所あったんだ。


「村民はどのくらい」「5人だ」「えええ」

「というか廃村になって十年以上だった所を先日、復活させた」

「なんでまた」「タリーシャを教会持ちにするためだ、後は本人に聞くが良い、おそらくまだ聞ける」


 前に会った時も相当なお婆ちゃんだったからね、

 初めて会った時も凄い高齢なお婆ちゃん、いつ会ってもお婆ちゃん、

 ほら居るでしょ、もういつになっても生きてる、永遠に生きつづけそうなお婆さん。


(さすがにもう寿命が近いのかな)


 僕が会ってた時ですら、

 伯爵領の古い教会で隠居してたからね、

 今更、教会持ちになるって、どうしてなんだろう。


「わかりました、とりあえずそこへ行きます」

「ああ、話の続きを私がしても良いが、出来れば向こうで聞いて欲しい」

「もうお迎えが来ているそうよ、それともセルフィ、貴方も娼館へ寄る?」「いえ僕は」


 下手すりゃ兄の直後に同じ相手の女性と、とかゴメンだ。


「では教会前まで行くと良い、馬車が来ているはずだ、名前を言って通じれば運んでくれるだろう」

「はい伯爵、追放ありがとうございます」「冒険者になる手続きで何か足りない部分があれば遠慮なく言ってくれ、やっておく」

「本当に困ったらウチの名前を出しても良いのよ?」「あっそれ実家でも、辺境伯邸でも言われました、まあ、自力で何とかします」


 ということで教会へ行くと、

 聞いた通り白い馬車が停まっていて、

 僧侶服に身を包んだ立派な神官騎士の女性が!


「ふむ、その胸にあるのは勇者の紋章だな」

「はい、セルフィと申します」「シグリヌだ、前に乗れるか」


 後ろは食料品とか薬とか積んであるみたいだ、

 5人の村人のためのものか、結構な量だけれども、

 教会内に挨拶はしなくて良かったのかな? とっとと拉致られる僕。


「それでタリーシャ様は」

「あと1年という所だな、喋りはまだ普通に近い」

「では身体が」「人間の年齢からすれば仕方あるまい」


 馬車は街を出る、

 僕は続いてもう1人について尋ねる。


「それで、ファロラは」

「君に会うのを楽しみにしている、これで思う存分、吸えると」

「す、すす、すすすす吸うって?!」「……君の匂いを吸える、という言い訳でもしておいた方が良いか?」


 いったい何をちゅうちゅう吸われるのだろうか、

 アンデッド系の魔物は人間の血を吸うとかいう話だし、

 あと吸うといえば……あっ、一緒にジュースを、互いにストロー持って吸うとか?!


(考えることが女学生です、はい)


 ……周囲に人が居ないな、

 今ならちょっと聞いても大丈夫か。


「シグリヌさんは、教会員なんですよね?」

「そうだ、ラホス村のタリーシャ大教会、その教徒だ」

「ご出身は」「出身もラホス村ということにしてある」「実際は」「&%~$#だ」


 ちょっと何を言っているのか聞き取れなかったな、

 強引に発音して聞き直してみるか、ええっと確か……


「アンパセナミドルシャですか」

「人間にとっては『魔族領の街』と言えばわかるな、発音は人間には無理だ」

「と、いうことは」「そのあたりは村に、教会に着いてからだ」「わ、わっかり、まっした」


 相手が魔族と思うと緊張する、

 そして今更ながらファロラも……

 会ってどんな表情をすれば良いんだろうか。


(どうしよう、姿が完全な魔族だったら)


 確か魔族にも種類があるよな、

 ちゅうちゅう吸うってことはやっぱり、

 恐ろしい姿をしているんだろうか、どうしよ、僕の嫁のはずだけど。


(ていうかひょっとして、僕って魔族に売られた?!)


 そこも確かめよう。


「ん~~、もう街に到着しましたか~?」


 うわ、馬車の中から声が?!


「村の教会へ戻る所だが」「え~、もう~?」

「セルフィ、ウチの教会の僧侶、リムラだ」「ど~も~」

「あっ、こんにちわセルフィです」「か~わいい~~……ふぁあ~」


 寝てたみたいだ、

 ちっちゃかわいいなあ、

 僧侶服のサイズからして子供っぽいが、多分大人だ。


「リムラ、食事を貰ってある」

「わ~、お腹空きました~」「まずはそっちの食事だけな」

「もうひとつの食事は~」「教会に着いてからだ」「わかりました~」


 ええっと、食事が2つある?

 あれか、教会から出される僧侶用の食事と、

 足りない場合の追加の食事、そういうやり方は昔、聞いた覚えがある。


(ていうか、僕もお腹空いた)


 2人の兄に、

 お別れにご馳走して貰うつもりだったんだけどな、

 結局、娼館へ行ったっきりで会わなかった、別にいいけど。


「はい~、セルフィさん~」

「ありがとうございます、サンドイッチですね」

「シグリヌさんも~」「ああ、いただく」「食べながら馬の操縦、器用ですね」「慣れた道だ、手綱など要らないくらいにな」


 ということで馬車は走り続け、

 夕方になろうかという頃に……!!


「あっ、大きい教会が!」

「もはやラホス村は、あの教会が、と言える状況だ」

「ですね~、みんな教会に住んでいて~、かろうじて使える家は倉庫になっています~」


 村の中へ入ると、

 教会から出てきた美しい僧侶服の女性、

 胸に勇者の紋章をつけたその顔に、僕は面影を感じた!


「ファロラ!」

「セルフィ、久しぶり!!」


 馬車から降りた僕に跳び付いたファロラ!


「うわ、つっよ!」

「勢い重かったかしら、ごめんね、さあセルフィ」

「うん?」「結婚しましょう!!」「えええええええ……」


 まずはお話を、したい。

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