第47話 面倒くさいからさっさと済まそう
早めの昼食と言って良いくらいの朝食を済ませ、
夜の対策会議(予定)まで自由時間ということで、
王都に居るうちにとみんなで大商店へお買い物デート、主に衣服かな。
「セルフィ様、先日は申し訳ありませんでした」
いきなり土下座してきたおっさん、
あっこれこの間の、娼館の用心棒だ、
もう悪夢に音を上げたのか、よっぽど怖い夢でも見たのか。
「あの威勢の良さはどこへ」
「本当に申し訳ありません反省しております」
「あと5日くらいは我慢してよ、王都に居ないかもだけど」「そんな!!」
後ろから娼婦も何人か来た。
「どうか許してあげて下さい」
「まさか、このようなことになるとは」
「何度抱いて頂いても構いませんのでっ」「だーかーらー」
人間相手はもう無理なんだってば、
と言う訳にはいかないので、お堅い男を演じようか、
いや、さっさとデートに行きたいので面倒なのでさっさと終わらせよう。
「んじゃ、まあ何か面白い話を教えて下さい」
「面白い話、とは」「用心棒をしててでもいいですし、ダンジョンでも」
「……先日、娼館であった話でも良いか」「別に良いですが、匿名性に気を付けて」
街中の道路だし。
「公爵家の坊ちゃんが来たんだが」
「家名や個人名は無しで、面倒くさいことになるから」
「1度に6人も指名して、どうなることかと思って警戒して覗いたんだが」
ていうか用心棒の仕事かそれ、
単なる覗きじゃないか嫌な娼館だなあ。
「まず3人、四つん這いにして並べて」「はいはい」
「その上に2人、同じように四つん這いで乗せて」「えっ上に?!」
「更に一番上に、ウチで一番大きい嬢を四つん這いで乗せて」「危なっ」
ええっと組体操?!
「それを眺めながら延々と赤ワインを呑んでた」
「えっ、それだけ?」「それだけだ」「何もせず?」
「嬢は震えていた」「まあそりゃそうでしょう」「時間いっぱい眺めて呑んで、金を払って帰っていった」
……なんだそりゃ、
これもまた性癖なんだろうか、
でもお酒呑んでただけっていうからなあ。
(嬢も良い迷惑だ)
で、話の落ちは?!
「それでその話の続きは」
「土台の嬢が筋肉痛になっていた」
「はあ」「以上だ、面白かったか?」
……このおっさん、
悪夢による寝不足でおかしくなっているのかな、
それとも僕の感性が鈍いのか、まあいいや面倒くさい。
「冒険者としての面白い話は」
「そうだな、ウチにタンク役の女戦士が居るんだが、盾が壊れたのでその巨乳で」
「あっもういいです、ルビアさんでもリムラさんでも良いから解呪したげて、時間がもったいない」
ということで許してあげました。
「すまなかった、もし娼館に来る事があったら」
「だから良いですって」「なんなら男娼も用意できるが」
「それ僕に?! それともウチの女性陣に?!?!」「どちらでもだ」
一応、聞いてみる。
「シグリヌさん」「興味ない、不味そうだ」
「ルビアさん」「いたぶって良いのでしたら……冗談ですわ」
「リムラさん」「セルフィさんで~、間に合ってます~」「ファロ」「聞くまでも無いわよ」
僕以外の餌に興味は無さそうだ。
「ちなみに僕も興味は無いですが、それ関係で面白い話は」
「とある侯爵家にメイドとして潜り込ませた男がいたんだが」
「……メイドですよね?」「ああ女のフリしてな」「女装ですかあ」
そんな潜伏活動もやっているのか。
「ベッドでさんざんじらし情報を聞き出した所で『ざんねーん男の娘でした~』とスカートを」
「……なんだか展開が読めましたが」「すると『何が残念だ、さっさと後ろ向け』と」「あっもういいです」
「面白かったか?」「んー、頑張って話してくれた努力は認めます、じゃ」「「「申し訳ありませんでした」」」
最後に娼婦の方々も深々と頭を下げた、
とんだ時間の無駄だったなあ、さてと、
気を取り直してデートだ、と再び歩き始めると……
「ふむ、セルフィにメイド服を着せるという手もあるな」「えええ」
「ですわ、そう考えると面白い話でしたわね」「じょ、冗談ですよね?」
「購入するお金はは~、ありますね~」「いやいやいや」「セルフィ、じゃあそれ用の下着も」「やめてー!!」
ある意味、サキュバス達にとって面白い話になってしまった……。
(やべえ、変な趣味に引きずり込まれる)
これなら、解呪するんじゃなかったよ……まったく余計な話を。




