第46話 疲れたので多めに吸われる予定
「ふう、今日は疲れた~~」
ハーレム宿に戻って遅い夕食をいただき、
お風呂を済ませさあ寝ようというタイミングだが、
サキュバスは順番に吸う気満々である、これ多めに持っていかれるな。
(まあいいや、今日は魔王討伐の大仕事をしたからね)
いや疲れた状態で勇者魔力を根こそぎ吸われると、
余計に疲れるんじゃないかって思うでしょうが案外心地良い、
むしろ横になって何もしなくて良い状態なうえ、疲れ果ててすっぐり快眠が出来る。
(夢魔だけあって睡眠後のケアもばっちりです)
これは魔族領でファロラのお母さんに教えて貰ったのだが、
眠りが深すぎると逆に夢を見ないらしい、その分、勇者魔力の回復も早いとか、
元から溢れるように回復する僕としては心地の良さ以外に影響はなさそうだけど。
(たまーに吸われ過ぎて生命力までイカれそうになるけどね)
そのときはちゃんと言うというか、
吸う質が変わるからちゃんと気付いてくれる、
ヤバい状況の時はちゃんと吸うのを緩めてくれるんですよ、貴重な餌ですから。
「さてセルフィ」
「はい今日も最初はシグリヌさんからですか」
「まだ正気を保っているうちに、確認なのだが」
お互いにね。
「なんでしょ」
「冒険者ランクをSにしてから魔境へ行くのであったな」
「はい、基本的にはSランクでないと、行く許可が下りませんから」
魔境というのは強すぎる魔物、
未知の魔物が住む人のほとんど踏み入れない場所、
エリアによってはよっぽどでないと許可が出ない所もある。
(ウチのサキュバス達の故郷が、まさにそうです!)
まあ魔族領はみんなそうだ、
人間に好意的なのは、そうそうないけどね、
だから僕も、僕らも覚悟を持って行かないといけない。
「今回の魔王討伐でS級に上がれば良いのだが」
「いまB級ですからね、1クエストに1ランクのみが規定ならA級止まりですが」
「まさか魔王を退治してS級に上げないなど」「どうでしょS級は審査もあるらしいですし」
ただ約束? なら、
更にどんな軽いクエストでもこなせば、
A級からS級に上げて貰えるはずなんだけどなあ。
(そのあたりも明日の打ち合わせで聞こう)
シグリヌさんが準備を進める、
どういう準備かは恥ずかしくて言えないが。
「それで、魔境はいくつもあるが、どの魔境に」
「まずはあまり悪い噂を聞かない所へ、おそらく伯爵領と同じような」
「つまり、魔族としっかり話がついている場所か」「ええ、友好的な魔族の可能性が」
表向きは互いに不可侵だが、
必要最低限の接触というか、
取引みたいなことをしている可能性はある。
「話がわかれば良いが」
「王城にお願いして、魔境への出入りを管理する貴族へ紹介状か何かを貰えれば」
「ふむ、面倒くさいな」「S級なら話も通り易いんですけどねえ」「ならS級になるまで滞在するか」
といっても、
おそらく軽い足踏みで済むと思う、
さすがに時間のかかる無理な依頼が来たら断ることも出来るし。
「王都でまだ、やりたい事とかあります?」
「セルフィがやりたい事があれば付き合うが、デートとか」
「デートですかあ」「嫌か?」「いえ、ただ、まーた女の子がわーきゃー来そうで」
ほんっとシグリヌさん、
何もしなくても女性相手に、
魅了魔法が身体から溢れ出ているみたいなオーラあるよね。
(男前女史は、人間でもまれによく居る)
特に劇場に、
長く滞在してたらそういうスカウトも来そうだ、
まあ僕は心の中で『だがサキュバスである』としか思わないけど。
「私からも言わせて貰うが」「はいはい」
「新たな魔族領で淫魔に会ったとしたらだが」
「ホーリーサキュバスですか」「に限らずだ、セルフィはおそらく異常にモテるだろう」
まあそりゃあ餌ですから、
もはや上位サキュバス専用の、
おかげでもう僕は人間相手はピクリともしない。
「守ってくれますか」
「もちろんだ、だから安心して欲しい」
「はい、頼りにしています」「では早速、対価を頂こう」「はいいいいぃぃぃぃ……」
この後、シグリヌさん、
ルビアさん、リムラさん、ファロラと、
順番にめちゃくちゃ勇者魔力を吸われた、朝まで。
(朝チュンを聞きながら、ようやく眠りについた……気絶するように)




