第45話 はいはい全てはコイツのせいでした
「な、なんですかその魔物は」
「グランドダンジョンに新しく爆誕していた魔王です!」
「は、はあ」「ダンジョン活発化の原因は全てコイツでした」
はいはいそうぞ、
という感じで冒険者ギルド受付のテーブルに置く、
ちなみに光の鎖を口に縛り直したので、当然この魔王ジマーは……
「んー! んーー!! んーーー!!!」
「少女、ですよね?」「種族はデーモン、若いけど正真正銘の魔王ですよ」
「それを、連れて来てくれたのですか?!」「倒して捕縛して、生け捕りで証拠として」
受付嬢も困惑している、
奥から受付嬢長のルミナスさんもやってきた、
疲れている感じからして明日の対策会議について残業していたのかな夜遅いし。
「魔王と聞こえましたが本物ですの?」
「そのあたりは鑑定できる人にでも任せて、ていうか鎖の解除はどうしましょう」
「……腕と足だけ残していただければ」「あっはいルビアさん」「了解致しましたわ、はいっ」
ぷはあ、と口が楽になった魔王ジマー。
「んはぁ、はぁ、ちょっと、きちんと扱いなさいよ!」
「だそうです、逃がさないように気を付けて下さいね、トイレとか」
「胴回りはまだ鎖が残っておりますが」「ルシアさん」「解かない方が良い予感がしますわ」
頷くファロラ。
「この魔王、翼を隠しているわ」
「えええ」「背中が自由になったら出して飛んで逃げるわね」
「あっぶねー」「な、なんでわかったのよ!」「魔物の鑑定スキルよ」
にしてもルミナスさんまで困惑している、
グランドダンジョンの魔王そのものを生きたまま連れて来られるとか、
対処に困るよな、とりあえずどうするんでしょ、客間でお茶を出す訳にもいかないし。
「セルフィさん」
「はいルミナスさん」
「この魔物をとりあえずティムモンスター小屋へ」「そっちかあ」
檻があるからね。
「何よティムなんかされていないわよ!」
「素材部屋じゃなくて良かったですね今すぐ解体は無いみたいで」
「解体は無くとも傀儡にはするかもな」「シグリヌさん、上手ーい」
と魔王を肩に担ぐシグリヌさん、
眠気まなこだった若い女冒険者が急に目を輝かせて見てる、
相変わらず女性受けする女剣士だなあサキュバスなんだけれども。
「あら~、そちらの剣士のお兄さん~、腕が~」
「しくじっちまった、教会へ行きたいが手持ちが」
「では~」「……お、おう、治った!」「治療費は教会に相談して下さい~」
こんな時間でも辻治療してあげるリムラさん、
やさしいなあ、そして冒険者ギルド裏手へと移動、
ケモノ臭いティムモンスター小屋、一番奥の牢に放り込む。
「じゃあ補強するわね」
ルビアさんが無詠唱で、
鉄格子を光魔法で覆って強化する、
これは当分効くから、魔王の処遇が決まるまでは鉄壁の防御のままだろう。
「ありがとうルビアさん」
「ちなみに魅了魔法も鉄格子の外へは効かないようにしておりますわ」
「あっ、そんなの持ってたんだっけ、一応、注意するように言わないとね」
餌を入れる時とか。
ということで冒険者ギルドカウンターへ戻ろうとすると、
裏口から戻ったすぐの所にギルマスが待っていた、この人も残業か。
「本当に魔王を生け捕りにしたのか」
「はい、それを守っていた四天王は倒しました、亡骸だけでも見ますか?」
「では素材置場へ」「ファロラお願い」「うん、並べるわ」「しかしお前たち、なぜ先走って討伐を」
まあそりゃあそう言われるよね。
「いや最初はちょーっと下見に、様子見に、前調査にって」
「それがそのまま、か」「はい、気が付いたら最深部まで行き切ってしまっていました」
「更に魔王を倒すどころか生きたまま」「四天王を倒したので取り戻しには来ないと思いますが」
おそらくそれどころじゃないだろう。
ということでファロラさんのアイテムボックスから四天王をずらりと並べる、
1体だけセクシーな悪の女幹部が居て、ちょっとそそられる、ちょっとだけね!
(相手が人間だとどうとも思わないが……)
これも、サキュバスの、せいだ。
「……見てわかる、これは本物だ」
「ファロラさん曰く準魔王と呼んでも良いレベルだって」
「わかった、これはこのまま置いて貰えるか」「そりゃあもちろん証拠ですから」
頭を抱えるギルマス。
「ふう、これは今夜は帰れねえな」
「あっすみません仕事を増やしてしまって」
「解決しておいて何を言う、感謝するぞ」「あっはい、後はじゃあ、お願いします」
ということで、
これで王都最大のピンチは、
前調査で解決してしまいましたとさ、って感じで良いのかな?
(まあいいや、帰ろう)
あっそうだ!
「ファロラ、他に素材があれば」
「いっぱいあるわよ」「ギルマス」
「あ、ああ」「じゃあ、ぶちまけちゃって」「わかったわセルフィ」
引く程、積み上げてやりました!!




