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よわよわ勇者のサキュバス無双~最弱勇者は冒険者に化けたサキュバスと最強まで成り上がります!~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 王都に現れた聖なる白い一団、その正体は勇者と魔物!

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第43話 御届け物の原因でーす

「えっ、なんで仮設教会にこんなに人が」

「あっ来たぞ来たぞ」「リムラ様、お助けを!」

「なんでも治してくれるって聞いて」「まずはこっちを頼む!!」


 魔王を捕縛し冒険者ギルドへ行く前に、

 また怪我人でも居るんじゃとグランドダンジョン前の、

 仮設教会に寄ると人がうじゃうじゃ、怪我人が多いものの……


「ファロラ、これは」

「……うん、噂を聞きつけてってやつね」

「なんだお前、こんなに傷つけたのか」「知らないわよ!」


 シグリヌが小脇に抱えた魔王に確認したが、

 今、来ている連中はおそらく『以前に』怪我した者ばかり、

 実質、無料にも出来る超上級治癒魔法をかけて貰えるからと待っていたみたいだ。


(教会本部が潤うな、まあいっか)


 僕がみんなに声をかける。


「すみません、本当に怪我したてて急を要する人だけで、これから急いで冒険者ギルドに行くので」


 本当の意味での重篤な急病人は居ないっぽいが、

 怪我したては何人か、まあ冒険者ギルドで止めているからね、

 危険な奥へ潜ることを……とはいえ元凶はいま、鎖にがんじがらめでバタバタしている。


「はーなーしーなーさーいーよー!!」


 可愛い声しやがって……

 角とか肌の色で魔物なのは見てとれるから、

 他の冒険者が物珍しそうに見ているな、と僕の方へおじさんがやってきた、王宮騎士団の装備だ。


「失礼、グランドダンジョン警備責任者のレナガだ」

「あっはいB級冒険者ホーリーアンライヴァルドのセルフィです」

「そちらの魔族は」「冒険者ギルドへ御届け物の、今回の原因、魔王です」


 目をぱちくりさせている。


「俺の娘より幼いが」

「娘さんセクシーなんですか」

「騎士団に入ると息巻いているお転婆だが」


 ルビアさんが鎖を増強した、

 口にまで巻かれてンーンー言っているなこの魔王。


「うちのシグリヌさんと手合せさせたいですね、

 で、これは明日夜の対策会議に備えてダンジョンの下見をしていたら、

 今回のダンジョン活発化の原因となった、新しい魔王が居たので縛って持って来たのです!」


 角を撫でるレナガさん、

 うっわ魔王が睨んできている!


「……ほんっとウチの娘の反抗期を思い出すな」

「それで冒険者ギルドへと」「しかしまさか1人でウロついていたのか?」

「いえ、しっかり四天王に護られていました、ファロラ」「見せれば良いのね?」


 アイテムボックスの亜空間から出して並べる。


「こ、これは、これは凄い」

「何気に良い装備、装飾品《アイテム》も付けてるので楽しみです」

「いや、あきらかに強い、見てわかり、それを貴殿らが」「そこまで大した相手じゃ」


 他の冒険者が触ろうとしたので、

 さささっと再びアイテムボックスへ仕舞うファロラ、

 その間にリムラはとりあえず急ぐ必要のあった怪我人を治し切ったみたいだ。


「終わりました~」

「えっと、今日明日やばいっていう病人が居たら特別に」

「そこまでじゃねえが俺の妹を」「うちのリーダーをっ!」


 必死過ぎるのが何人か居るな、

 こんなチャンスめったに無いからね、

 しかも魔王を倒した、生け捕りしちゃったからこっちにもう用は……


(現場検証とか必要ないだろうし)


 ということで、

 もうちょっとだけ治療をしてあげることに。


「話は聞いていた、冒険者ギルドのサムルだ」

「はいはい、こういう魔王は光魔法が相性が良いのです!」

「それでも凄すぎだろう、王都に来るまでは何を」「普通に冒険者活動をしていましたよ?」


 魔族領でね。


「ひょっとして最前線か」

「あー、そっちじゃないです、むしろそこへ行きたいためにランク上げに来ました」

「そ、そうか、なら最前線でも重宝がられるだろう」「でも行けるのはS級と推薦のあるA級ですよね?」


 説明しよう『最前線』とは、

 王都から遠く離れた危険な未知の魔物が巣食う森、

 奥には人間に敵意を持つ魔族が住むという、まさに冒険者にとって最前線の場所だ。


(そこに新たなホーリーサキュバスが住んでるかも知れないのです!)


 まあ話が本当に通じないなら同族でもヤッちゃっていいって、

 知り合いの魔王様が言っていたが、みんながみんな人間憎しじゃないだろうし、

 伯爵領の隣の、人間に不可侵な魔族領に平和的な魔族は移住させてあげたい、特にホーリーサキュバス。


「今は」「B級ですので、これで上げて貰おうかなと」「そ、そうか」

「セルフィさ~ん、きりがありません~」「じゃああと、むさくるしい順に5名!」

「なら俺だ」「俺が、俺こそが」「この『山嵐』の二つ名を持つ俺様の妻を」「はいはい一気に来ないで!」


 結局、最後に『地味な女の子』の条件で4名治して、

 治療費は王都の教会でうんぬん伝えたあと馬車乗り場へと、

 乗り賃は冒険者ギルド持ちにして貰った、ありがたいことだ。


(さて、これでもうグランドダンジョンに用は無い、王都とも……かな?)


 あっ、ファロラが魔王をくすぐって遊んでいるや。

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