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よわよわ勇者のサキュバス無双~最弱勇者は冒険者に化けたサキュバスと最強まで成り上がります!~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 王都に現れた聖なる白い一団、その正体は勇者と魔物!

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第30話 やはりこういう運は冒険者に必要な訳で

「あぁ、もう駄目だ、おしまいだぁ……」


 グランドダンジョン前のミニ基地、

 無人の仮設教会で降ろして貰って中へ、

 すると瀕死の冒険者が7人横たわっている。


(立って頭を抱えている戦士も、相当なダメージだ)


 逆によく連れて来られたな、

 あの血が止まらない剣士と一緒に抱えてきたか、

 いやあの弓使いのエルフは自力かな、まあいいや。


「リムラさん」

「はい~では~」


 さっさと杖をかざし無詠唱で治療していく、

 ちゃんと重症度の酷いのから順番に魔法かけてるな、

 このあたり、一瞬の差で死んじゃう冒険者とか居るかもだし。


(うん、土色だった身体も徐々に回復しつつある)


 最後に唖然茫然する戦士さんにも回復をっと、

 血だらけのままだけど傷とか痛みとかは治ったっぽい、

 少し呆けたあと、自身の体を確認している、そして仲間も。


「ひょっとして、いや、まさか」

「ええ~、たったいま、全て治療致しました~」

「きょ、教会の……聖女、いやっ、大聖女様?!」「の弟子です~」


 ファロラは外へ出て、

 馬車の整理をしている教会員さんの方へ、

 事情を説明するのだろう、命は助かったとはいえしばらくは動けないだろうから。


(と思ったら2人ほど起き上がったな)


 剣士さんとエルフさん、いやこれハーフエルフか、

 黄緑が基調のパーティーということは……あのクランを助けちゃったか、

 でもまあ、この状態で見捨てるっていうのは、僕からしたら出来やしない、夢見が悪い。


(そう、夢見は大切、本当に大切)


 ちなみにホーリーサキュバスに吸われて精根尽き果てて眠ると、

 絶対に悪夢は観ないらしい、だから僕は毎晩快眠というか寝すぎるくらい、

 だから朝食が遅く、朝の冒険者ギルドが混んでいるタイミングと無縁だったりする。


「おお、気が付いたか!」

「な、何人死んだ」「私は、生きている?!」

「こちらの大聖女様の弟子が、みんな治してくれた、運が良かった」


 実は何気にこういう運は冒険者にとっては大切だ、

 過酷なダンジョンとか魔物の森とかでは生き残った冒険者は、

 口々に運が良かったって言うらしいからね、ってファロラが戻ってきた!


「みんな王都まで運んでくれるってー!」

「だそうです、きちんとした回復のために馬車で王都まで」

「すまねえ、でも金が」「教会と相談して下さい、ただランクが低ければ考えてあげて欲しいと僕が言っていたと」


 僕らが馬車を借りた方の教会だと大丈夫そうだけどな、

 馬鹿正直に王都のあの大きい教会へ行くとやっかいそうだ、

 あんまりな話になったらクランが教会と話をつけるだろう、僕、知ぃーらないっと。


「どれ、運ぶのを手伝ってやろう」

「あっシグリヌさん、お姫様抱っこを!」

「……はっ、貴方は……王子、様?」「まだしばらく眠っておけ」


 抱えられた僧侶の女の子、

 目がトロンとしたところへおでこにキッス、

 顔を紅らめて再び眠りに、うん、惚れたな、シグリヌさんも罪な女だ。


(僕もベッドで何度、乙女にされたか)


 などという事を思い出しているうちに、

 みんな馬車に乗った、元気な2人は運転席に、

 ちょっと真ん中で窮屈そうな教会員さんにチップを多めに渡してっと。


「もう無理しないで下さいよ~」

「すまない、ありがとう、ありがとう」


 あっ、相手のパーティー名聞いてないし、

 こっちのパーティー名だって言ってないや、

 まあいっか、教会に行ったら通じるだろう、行ったらだけど。


「ふむ、なるほど、そういう作戦か」

「えっシグリヌさん、どういう意味で」

「わたくしが説明致しますわ」「ルビアさん、どうぞ」


 仮設教会内へと戻る。


「高い治癒能力で癒し続ければ、奪い合いを通り越して皆で利用しようとなりますわ」

「あっ、それまさに教会の使い方だ」「ですわ、そうなればわたくしどもの奪い合いの心配もなくなりますの」

「そのためにも教会の、ある程度の繋がりは大切にしたいね」「ただ、教会を後回しにしての治療は、あまり良い気分ではありませんことですわね」


 教会側はそりゃあもちろんね、

 だから頭にウチを通せっていうのは、

 決闘の時の誓約書にもあったな、負けた時に従うやつ。


(勝ったから胸を張って自由に治療も出来るはず!)


 ってあの誓約書、

 王都内だけ有効ですよって事は無いよな?

 さすがにそれは怒るぞ僕だけじゃなくサキュバス4体も。


「あのー、お話中、申し訳ありませんが」

「はいはい僧侶さん、教会をお使いですか」

「いえ、ウチの拳闘士を治していただけたらなーと」「リムラさん」「はい~」


 あっ、この女性僧侶を先頭としたパーティー、

 装備が水色を基調としている、うん、あそこのクランか、

 一番話がわかりそうな、だったら安心だな、ということでしばらく辻治療を行ったのだった。


(代金として転移魔方陣を使わせて貰う手もあるな)


 ていうかシグリヌさん、

 暇なのか、なんか勝手に教会の修繕をしていました、

 いやこれからダンジョンへ潜るんですが、まあいいや手伝おうっと。

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