第17話 結果発表ーーー!!
冒険者ギルドの個室で待たされる僕たち、
置かれている紅茶も添えられたクッキーも、
さっき僕がラストをいただいてしまった、暇だ。
(ひょっとして、忘れられているんじゃ)
いやいやS級冒険者を雇ってまでそれは無いか、
ひょっとして、僕以外がサキュバスなのがバレた?!
だったら下手すりゃ討伐されかねない、ってその時はティムモンスターで通す方針だ。
(魔物を従えさせる魔法ですよ、ええ)
サキュバスですが光属性の良い子なんです、
僕以外はむやみに吸ったりしません本当です、
なんなら目の前で実技してみせましょうかほーら死なないでしょ、みたいな。
「ねえセルフィ、あんまり暇だから廊下でシグリヌと稽古していい?」
「いや迷惑だからファロラ、それだったらせめて武器を研ぐとかの程度で」
「ふむ、いっそ置手紙をして宿へ行くか」「もうちょっと待って来なかったらシグリヌの言う通りにしよう」
とはいえ、
こうやって待たされているのもテスト、
という可能性が微妙にあるんだよなあ……。
(帰りましたね? 失格です、昇格は無し! みたいな)
だったらギルドの内部へ突撃しちゃうな、特に前衛2人。
後衛2人も暇そうだな、と思ったらルビアさんが何か閃いたみたいだ。
「では待っている間、リーダーの魔力を吸わせて頂きましょうか」
「それは良いですね~、こちらのおやつも~、つまんでみたいです~」
「ちょ、ちぃっとそんなこんな所で、それじゃあまるで、何かやらないと出られない部屋みたいな!」
コンコンッ
「お待たせ致しました」
ようやく入って来た初心者担当のルミナスさん、
続いてS級の3人も、これでようやく結果発表か。
「随分と時間がかかりましたね」
「申し訳ありません、教会ともご相談を」
「それでですかあ」「では結果を発表させて頂きます」
眼鏡を直すルミナスさん、
さあ、僕らのテスト、その結論は……???
「冒険者パーティー『ホーリーアンライヴァルド』の皆さん」
「「「「「はいっっっっっ」」」」」「冒険者Dランクに昇格です!」
「えっ、D?!」「おめでとうございます、文句なしのランクアップです!!」
最低限は上げて貰えたけど、
逆に言えばD止まりなのかあ、
結構、実力は見せたと思うけどなあ?
「なんだ、納得いか」「シグリヌさんストップ!」「……わかった」
今のはリーダーとしてのストップです、
言い方からして命令と察して引き下がるシグリヌさん、
ここを詰めるのは僕の仕事だからね、よわよわ勇者であっても。
「あの、Dまでしか上がらない理由は」
「飛び級は魔王を倒す、もしくは亡くなったりしない限りはありません」
「と、いうことは」「今後、皆さんは何か軽い依頼でも1つこなせばCに、2つこなせばBランクに上がります」
ランクアップの規定によるものか。
「どんな依頼でもですか」
「はい、Sランクまで上がれますよ」
「それはすなわち事実上の」「Sランク昇格ですね」
ならまあ、納得がいくが。
「ありがとうございます、と言っておきます」
「ということで何か依頼を、の前にオレンさんから統括です」
「ええっと、ウチのクランに入らない?」「えええ」「希望は何でも叶えるわ、出来る事なら」
と言われましてもねえ。
少し考え込んでいると代わりにファロラが。
「私たち、教会に筋を通さないと」
「その確認をしてたわ、教会は教会で貴方達に依頼を出す事もあるけど、クランは自由に入って良いって」
「だそうよセルフィ」「うーん、しばらくはクランは良いかな、自由な冒険者を満喫したい」「リーダーの方針は以上よ」
と、しっかりフォローしてくれたファロラ、
まるで正妻面だな、いやもちろん正妻だけれども!
オレンさんが大きくため息をついたのち、僕らに話を続ける。
「王都の冒険者ギルドにビッグルーキー、スーパールーキーが来たって感じだわ」
「そ、そんなにですか」「まだ成長途中よね?」「僕は19歳ですが」「パーティーとしてよ」
「まあ、まだまだ伸びしろはあるでしょうけど」「4大クラン、ううん、5大クランで奪い合いよ」
さすが我がサキュバス4体、
よわよわ勇者の僕をこんなモテモテにしてくれるとは!
もちろん目的はサキュバスもとい僕以外のメンバーなんだろうけど。
「わかりました、それでも僕らはフリーで」
「もったいないわね」「それは僕らが決める事なので」
「なんなら私を一晩差し出しても良いわよ?」「またまたあ」
サキュバスで間に合っています!
だなんて言えない、というかオレンさん度胸あるなあ、
もしそれで僕が本当に飛び付いたらどうするつもりだったんだろ、飛びつかないけど。
「貴方達ならどこだって、何だってやれるわ、むしろ私たちが依頼したいくらい」
「お褒めに預かり光栄です」「とにかくこれも縁だから、何かあったらよろしくね」
「そのあたりは、まあ」「ということで依頼ですが」「はいルミナスさん、どうぞ」
果たして、
どんな依頼が出てくるのやら……?!?!




