第15話 こういうのも冒険者の実力かと
「ジリオ! しっかりしろ、ジリオ!!」
「マテリアお願い、しっかりして、目を開けて!!」
「アンゼ無理だ、リーダーはもう助からねえ、それよりルッソを」
40階まで降りて転移魔方陣で地上へ戻り、
さあ帰ろうかという所で仮設教会がうるさかったので、
入って見ると瀕死のパーティーが担ぎ込まれていた、血まみれだ。
(戦士の男性、あれは出血からして助かりそうもない、普通ならね)
それ以外も2人の傷が重症いや重体か、
比較的マシな3人も大怪我、回復係は2人かな、
そのうち1人が意識なくもう1人も魔力切れ、あっても自分の回復で手一杯だろう。
「あっ、冒険者ギルドの方ですか?!」
「いや僕らは」「失礼、臨時冒険者ギルド付き僧侶のアヤレンと申します」
僕らの後ろからゴツいおばさんがやってきた。
「おお、治療を」
「そこの戦士は助かりませんね、僧侶とシーフも私の回復魔法では、
ただここにエリクサーがあります、高級エリクサー程ではありませんが、おふたりは助けられるでしょう」
確かエリクサーってとんでもない値段がするんだっけ。
「た、助けてくれ、すぐに、頼む」
「払えない分は奴隷落ちとなりますが」
「ウチのクランで買って貰う、買って貰えなかったら俺達自身で……」
などと会話している間に……!!
「……ふう、ここはどこだ?!」「マテリア!!」「アンゼ、お前、死にかけてたんじゃ」「それはマテリアよ!!」
「うお、ど、どういうことだ、ソードスケルトンの剣が俺の腹に、き、傷が塞がっている?!」「ジリオ、お前、なぜ立ってる!!」
「ああ、身体が楽に……もう何も痛くない……俺は死んだのか?」「ルッソ!!」「はい~、これで治療は完了です~~」
ほとんど死んでいた1人と死に行く2人を無詠唱であっさり治療したウチの僧侶リムラ、
教会内の水場から濡らしたタオルでみんなの血を拭いてあげるシグリヌとファロラ、手際が良い。
「もう安心だ、大丈夫だ問題ない」
「ただマテリアさんでしたっけ、は体内の血が戻るまでしばらくは安静ね」
「うう、意識ははっきりしているが確かに動けない、き、君たちは」「たまたま助けられて良かったわ」
アヤレンさんが腰抜けそうに驚いている。
「そんな、こんな重症を、あっという間に!」
「地上ですから~、敵は居ませんから~、簡単に~」
「はっ、その装備はひょっとして、教会の神官、いえ、聖女様?!」「師匠は大聖女ですが~、元教会員の冒険者です~」
残りの大怪我している3人も治療する、
ファロラも勇者ヒールで治しているな、
装備がボロボロな以外はもうみんな大丈夫だ、起き上がれないリーダー以外は。
「す、凄いわね貴方たち」
「はいオレンさん、辻ヒールって審査にプラスになりますか?」
「セルフィくん、これって、辻ヒール?」「みたいなものかと」「……確かに回復の審査が出来なくて困ってはいたけど」
そうか、ダンジョンじゃパーティー内で回復する暇が、
いや必要がなかったからね、僕が回復ポーション持ってアピールしたけど、
実際にどう手際よく、どう判断して回復をするかというのも審査基準にあったのだろう。
「済まない感謝する、俺達は『マッハイーグル』そして俺はサブリーダーのハーマンだ」
「はい、『ホーリーアンライヴァルド』のリーダー、勇者のセルフィです、ドヤァ!!」
「その、初めて聞くが」「昨日到着しましたから」「それで、お礼は、回復魔法だよな?」
無詠唱だったからね、
何をどうされたか確認しないとわからないのだろう。
「ええ、ウチの僧侶がサクッと」
「いくら払えば」「ええっとルビアさん」
「そうですわね、王都の教会本部でお好きな金額を」
そう来たか。
「やはり教会の連ちゅ、いや派遣か」
「を抜けた冒険者ですわ、しかしこの教会を使った以上、代金は教会に」
「好きな金額とは」「お任せしますわ、そのあたりは教会に事情をそちらの方でしっかりお話して、払える額を、ですわ」
これはなかなか良い方法かも、
相手には払える金額を払わせて、
しかも僕らは教会に筋も通せるっていう。
(これ、性格が出るだろうなあ)
ロクでもない冒険者パーティーなら、
教会に報告せずそのまま何事もなくってするだろうけど、
まともな冒険者なら少なくとも報告はするだろう、冒険者ギルド職員も今ここで見てるし。
(早速、アヤレンさんがやってきた)
僕の胸にある勇者エンブレムを見ている。
「……あの、クランは」「未加入ですね」
「ええっ」「パーティーは教会出ですから」
「あっ、そうでしたか、でしたら納得しました」
無駄に教会の評価を上げてしまった、まあいいか。
「でオレンさん、これは査定に入りますか?」
「え、ええ、もちろん、こういうのも冒険者の実力よ」
「良かった、じゃあ戻りましょう、アヤレンさん、後はお任せします」「は、はい」
さてさて、
評価はどこまで上がるのでしょうか、楽しみだなあ。




