第14話 細けえことはいいんだよ的なバトル
順調に目的の39階へ向かう、
そこでパーティーの連携を試されると言う、
とりあえずバランスは良いはず、文句なしに。
「やはりドラゴンレベルでないと歯応えが無いな」
余裕で剣を2本とも背中の鞘に納めている剣士シグリヌさん、
敵に出会う瞬間、下手すると気配だけで剣を抜いて、敵がこちらを補足した時には、
もうすでにバラバラになっているという……今日は、今回はテストなので控えている方だ。
「連携ということは敵が遠くの段階で、魔法で体力を削ればよろしくて?」
と言う魔法使いルビアさんだが、
削るどころかここへ来て瞬殺である、
魔族領のダンジョンだとまだ魔法使いの杖さばきが見られたんだけど。
「味方の補助魔法でしょうか~、敵の弱体化魔法でしょうか~、どちらもお任せ下さい~」
ほのぼの僧侶リムラさんは相変わらず笑顔だ、
僕は知っている、こういう女性こそ怒らせると怖い、
そして怒った顔もまた笑顔だということを……ぶるぶるぶる。
「セルフィ、どんな敵でも護ってあげるからね、というか攻撃させない!」
幼馴染で万能勇者のファロラ、
女勇者として連戦連勝、無敗無敵の勇者だ、
もちろんベッドの上でも僕が彼女に勝つ事は、永遠に無い。
(だが、それがたまらないんだよなあ)
それは置いといて、
意気揚々と進む僕たち、
先導するはずのS級勇者3人が僕らの後ろについている。
「このあたりは分かれ道が多いのに、よくわかるわね」
「ええオレンさん、私、勇者スキルの『クリアマッピング』持ちなので!」
「えっ、入った事の無いダンジョンすらマップでわかるっていう、あの?!」
まあファロラは、
希少勇者スキルのバーゲンセールだからね、
冗談で1個くらい譲ってって言ったら『マゾ勇者』のスキルをくれた。
(ここ笑いう所ですよ、冗談ですから!)
とかなんとか考えていたら、
お目当ての39階へ潜る階段に着いた、
オレンさんが改めて僕たちに説明してくれる。
「この先の敵は大量の『岩石ゴーレム』が居るわ、
しかも4属性のゴーレムがバラバラに来るうえ、
連携も取ってくるわ、見た目が同じだから素早く見定めてね」
火属性だから紅いとか、
水属性だから水色とかは無いらしい、
いや魔石まで見たらわかるだろうけれども。
「では行こうかファロラ」
「ええシグリヌ、ちゃちゃっと」
「ちょ、敵の属性に対して相性がある話がまだ!」
オレンさんの話も空しく、
さっさと潜る前衛2人に続き、
僧侶魔法使いの後衛も続く、僕は……マスコット?!
「ガイラ、エルノ、もしもの時はフォローするわよ」
「ああ、もちろん」「大丈夫かしら」「えっと多分、大丈夫かと」
「君、誰だっけ」「そんな、一応は勇者なのに」「特技は」「素材回収です!」
先に行ったサキュバス(仲間です)を追って下ると、
すでに沢山の岩石ゴーレムに囲まれていた、いやあえて僕らを待ってたのか、
テストだからね、合間を縫って僕も合流、うん、これで良いかな、オレンさんが叫ぶ。
「魔法使いの攻撃魔法か僧侶の状態異常魔法をまずかけて、
ただ相手の属性によっては相性が悪いとかからないから、
慎重に見極めて、適切な魔法がかかっている間だけ武器による攻撃が……」
説明が終わらないうちに、
無詠唱で光魔法を敵に浴びせるルビアとリムラ!
そして剣をいかにも無双という感じで振り回すシグリヌとファロラ。
(あっ、説明係は、僕でっす!)
ぽかーんと見てるS級の皆さんに。
「ええっと、光属性は四大属性全てに相性が良いので、
どんな敵が来ても同じですね、だから全部にかけて全部斬る!
すみませんテストとしてどうかはわかりませんが、そんな感じでチームワークは抜群です!」
うん、実はこの前衛2人の力なら、
いちいち魔法で弱体化とかしなくても、
光の魔力をおびた剣でさっくさっく倒せるんだけどね本当は。
(おっと僕もアピールしておこう)
懐の回復ポーションを出す。
「疲れたら言ってくださいねー、回復しますからー」
「「「「はいっっっっ」」」」「うん、良い返事です!」
これでリーダーらしく見られたかな? かなっ??
いや僧侶リムラどころか勇者ファロラのヒールで事足りるのは秘密で!
その魔力すら尽きた所でこのポーションの出番なのです、そんな機会ないけど。
(さてさて、これで評価はどうなるのだろうか……???)
あっ、S級の皆さんがなにやらひそひそ相談している、
ちらちらとこっちを見ながら……その表情は……はっきり言って、
読めません! どうしようコレで「あの男勇者、要らなくねえ?」とか言ってたら!
(そんなこと言われたら、普通にくすんくすん泣こうっと)
とか思っているうちに、
おそらくどうやら岩石ゴーレムは、
全滅してしまったようなのでした、まる。
「ふう、みんな、お疲れ様!!」
さあ、これからが僕の、仕事だ!!!




