5-7 壱拾八話 小悪魔がれん 2
六月九日────── 自宅謹慎三日目
「毎度ありあとっしたー」
特徴的な三輪バイクが走り去る音を外に残しながら
マイキャッスルの門がゆっくりと閉ざされた──────。
・・・ピザが先に来てしまった。
またうっかり寝てしまって雅蓮にオレの分まで食われたら大ショックだ
・・・起きてよ。今日は一応仮眠したから大丈夫だろう、たぶん。
青春の貴重な時間を課題に奪われて三日目の昼。
すでに課題の八割を終えた、フン! 楯突く相手を間違えたな。
後は5冊分の読書感想と反省文の作文だ、小学生かよ・・・。
とは言え、恐らくこの課題に関しては徹夜チートが使えず、結構な
時間を持って行かれるので、停学者を自宅に繋ぎ止める
足枷の意味なんだろうなぁ。
なんて思ってるとドアベルが鳴り、昨日の宣言通り、病院帰りの雅蓮が
私服でやって来たがもう、見るからに元気がない・・・
まさか──────検査結果が芳しく無かったのか?!
「──────マコト・・・わたし・・・わたしね、どうしよう・・・」
「な、どうした! まさか具合が──────」
「ホルター心電図で24時間の精密検査なんだって・・・」
「きょうはマコトで遊べないよ、ドキドキできないよ、うー・・・」
どういう事?
──────って、入れよってオレが言ってから上がってね。
自宅みたい当たり前に上がり込むな。ココ、いちおう人のウチ!
詳しく話を聞いた所、どうやら着装型の心電図らしく
24時間のフルタイムで心拍を監視するらしい。
ってことは──────
今日は小悪魔雅蓮封印かな? よかった・・・
「なんかさ、シちゃダメって言われると・・・余計にシたくなるよねマコト!」
何の話だ?
よく判らんがとりあえずチョップ入れとくな
「てい!──────」
「て・・・・」
二人でピザを食い、ひとしきり話した後にオレは課題の文庫本を、雅蓮は自宅
から何冊か持ってきたファッション誌を見てる。残念ながらウチには二人がけの
カウチなんてオサレアイテムは無いからな。二人並んでオレのベッドにより掛かり
ながら、読書会のような穏やかな時間が流れた。
雅蓮がファッション誌を読んでるのを横目で伺う。
ペラペラと読み飛ばすページと、飛ばしたのに戻って、また見たり。
雅蓮の好みがわかって、様子を観てるだけでけっこう面白い。
雅蓮が髪を短くして初めて逢った時の服装や、今日のコーデもそうだけど
大人びて見える。持ってきたファッション誌にしたって、大学生や若いOLさんが
買うような内容だ、わかりやすいのがメイクのページとか──────
雅蓮はスタイルの良さも有り、街に居たらオレやカズに比べ三歳位大人に見える。
「がれんてさ、おしゃれだよね。病院の下で遭った時分らなったもんな」
「あー気付いてなかったね、フフっすれ違う時マコト照れてた」
「照れた。きれいめお姉さんに見えた」
「えへー、じゃあさ、今は?」
「普通ぅ」
「──────てい!」
「いて・・・」
再び文庫本に視線を移す。
活字を目で追いながらあらすじだけを記憶する。詳細なんて感想文を書く時
本をめくって脚色すればいいだけだからな。好きでもない本に没頭するなんて
時間の無駄だ。
しかし──────。
こうして無駄に小悪魔しない雅蓮と一緒にいると彼女の飾らない素の部分が
見えてくる。肩をくっつけながらお互い別なことをしていても
相手の事にそこまで干渉せずともお互いが心地良い。
心地良いから直前の会話からもう15分ほど経過しているのにお互い無言で
居られる。話題を探してドギマギしたり、隣の異性が気になって無駄にドキドキ
したりもない自然体。
「んっ・・・けほ」
そう、コイツは無駄に飾って小悪魔を演じる必要もなく人を引きつける
魅力がある。小悪魔雅蓮が“動”とするなら、素の 鏃 雅蓮 は“静”。
コイツと出会ってコイツを異性ではなく、オレの生きる指針、憧れと
認識たあの日からまだ、2ヶ月に満たない。
オレが最初に認識した彼女の魅力は“生き方”だった。
他人に流されること無く、己の目標を見定め次に踏み出すべき一歩を
迷うこと無く踏み出すことの出来る自信とそこから生まれる余裕。
雅蓮はそれを持っている。
異性はともかく、同性のクラスメイトや下級生、上級生も、彼女にどこか
惹かれてしまうのは、きっとこの余裕から生まれる年上のような安定感。
頼ってしまいたくなる憧れの大人のような安心感なのだろう。
実際、恋愛感情抜きにして、今のこの場をオレが心地よいと感じるのはのは
仙台で美咲と一緒に居た時のような安心感を彼女に感じているからなんだろう。
「っ・・・マコト、チョットごめん。お花摘み」
「──────いちいち言わない」
テーブルの上で二台並んだスマホ。手を伸ばして自分の方を取り、枕元の
イヤホンを探り出してイヤホンジャックをスマホに挿入する。
イヤホンを両耳にハメて、プレイリストの穏やかな選曲を再生する。
雅蓮の魅力、大人びていて近くに居るだけで安心できる。これは母性だ
素の雅蓮はそんな魅力を秘めていた。雅蓮に異性として惹かれてしまった
連中は、一体どっちの彼女に恋したのだろう・・・ オレは?
オレは果してどちらの雅蓮に──────
部屋の入口、キッチン・バスルームと自室を仕切る開け放たれた引き戸
にひょいと顔を出して、オレを見る雅蓮が見え、Rと刻印のある方の
ケーブルを指でハジいて外す。
「覗かなかったね、えらいぞマコトくん。んしょ・・・何聞いてたの?」
「──────ん!」
覗くか失敬な!
再び隣に座り直し、トンと軽く肩を当てた彼女はオレが差し出したRと表示の
あるイヤホンを右耳につけて、一本の白いイヤホンで同じ曲を聞きながら
再びファッション誌をめくった。オレも文庫本の活字を追いながら
再び思考の海に漕ぎ出す。
オレは雅蓮が、過去にどれだけの告白を受け、どれだけの連中に自分が今
追っている夢に全身全霊を掛けている話をして袖にしたか知らないし
いまさら別に知りたくも無い。
そのせいで要らない悪感情を招き寄せてひどい目に遭っちまったんだからな
雅蓮は。
二人の間に投げ出していたオレの左手に、まるで尺取虫みたいな動きの
雅蓮の指が近寄ってきたので、小指で掴まえた。掴まえたそれは
今度は蜘蛛のようになって獲物のオレの手に襲いかかった。
されるがままにしていると、例の恋人繋ぎにされ隣からいつもの
フフフが聞こえてくる──────
オレが知っているのはただ一度だけ。三階の非常階段“必然的な偶然”で
耳にした告白、だた一度だけだ。彼女は真摯にその相手である特徴的な
名のたしか・・・
非常階段で雅蓮に告った相手。えちごや・・・こいけや・・・
そう、たしか越前屋──────。オレのバイクに悪戯したベビーフェイスの
意気地なし。2年D組 越前屋 祐一・・・
祐一?! あのボス猿クソ女が喚いていた名だ。
時間的に観ても納得できる。あの女が一方的に思いを寄せいたのが
あの祐一で、彼が思いを寄せたのが雅蓮だった訳か──────
つまりは、実情なんてそんな右や左を向けば何処にでも転がっていそうな
三角関係の逆恨み。しかも、それぞれ一方通行の変速三角形。
巻き込まれ、キレイだった髪を切り落とされた雅蓮はいい迷惑だ。
ソレだけ未成熟な人間は、愛情の裏返しであれだけの事をしてしまう
渦中の雅蓮にあと1日、オレが気づくのが遅れていたら雅蓮の生命や心が
どうなってたか・・・
自分で言ってて気付いちまった・・・彼奴等をあの場で血祭りに
あげようとしたオレも同じか。ガキの未成熟な悪意って奴は
残酷なもんだな──────
「あ、わたしこの曲好きー・・・」
曲のリズムに合わせてくるぶしまでの短い靴下がオレの横でリズムに合わせて
左右に揺れている──────曲名は・・・ まぁいいか。
時間は16時を少し過ぎた頃、か──────
雅蓮の体のこともあるし、今日は17時ぐらいに帰すか──────
繋いでいた手が離され、雑誌を見ながらまだ慣れない毛先を耳に
掛け直し、再び雅蓮スパイダーがオレの手を捉えて
元の恋人繋ぎに収まった。
──────。
18時ぐらいに帰すか・・・
プレイリストの全曲が終わりちょうどオレも、課題の文庫本を取り敢えず
読み終えた。本を閉じて薄暗くなった部屋の明かりをつけようとしたが
雅蓮が握る手を観てやめた。
その手はいつの間にかぽっかぽかに温まり、隣を見ると重い瞼を震わせながら
すっかり船を漕いでる。後ろのベッドから毛布を引きずり出して船頭さんに掛ける
肩で肩をトンと突付くと、ストンと体を預けてきた。
「スー・・・スー・・・んっ」
あっという間に寝息を立て始めた雅蓮の髪が瞳にかかってしまって
いるのを頬に当てた手で払って、穏やかな寝顔に胸からこみ上げたものが
フフと鼻から抜けた。
ふっと気になり、スマホを手にとって電話帳をスワイプして
普段は絶対掛けない番号へ電話を掛ける。
「あ、はい。2-A 日比谷真です。保健室の蒼先生に・・・」
「はい、ありがとうございます──────」
『 蒼です。どうしました2年A組 日比谷 真 』
「先生、先日はその・・・世話になりました。ところで・・・」
例の連中のその後を聞くが──────
『 安心しなさい生かしてはいる。要件はそれだけか? 』
『 ───ではしっかり研鑽を積み自粛しているのだぞ 2年A組 日比谷 真 』
そうして電話は切れた。
そっか、生かしてはいるんだね──────
・・・怖っ!
耳に当てていたスマホを持った手を床におろし
肩で寝息を立てている頭に自分の側頭部を預け目を閉じる。
本当に良かったよ、無事で・・・
あのクソ女もきっと純粋な恋心で祐一に憧れていたんだな
見かけ次第、ブッ飛ばすのはやめておこう・・・
なんて思った。
許しはしないけど──────
聞き慣れない電子音に目を覚ます。
真っ暗になってしまった部屋に、雅蓮のスマホの画面が発光しながら震えてる。
何度コールしたのか判らないが、鳴り止んでしまったソレを手にとって
隣の持ち主を起こす・・・
自分の手に持っているスマホの画面には19:48の文字・・・げ!
雅蓮は口に手を当ててアクビしながらスマホを耳に当てキッチンへ。
どうやらご家族が心配して電話をよこしたようで、お父さんやお母さんや
ごめんなさいなどの言葉が聞こえてくる・・・
これは流石にやらかしたな
部屋の電気を付けて、二人で掛けていた毛布をベッドに戻すと
雅蓮が戻ってきてこう云った──────。
「叱られてしまいました。えへー」
「マコト、うちにご飯食べに行こ。お父さんが話したいことあるって」
「マコトに──────」
完全にやらかした・・・。コレ絶対怒られるやつー!!
で、開幕早々に怒鳴られるんじゃないかとハラハラしながら
オレの前で笹っぱをドラムメジャーバトンに見立てて行進する雅蓮の後を
彼女の真っ赤なシティサイクルを押しながらこうして付いてきたわけだが
学園のある街の隣、オレのアパートから歩いて20分ほどの鏃家。
彼女の家は本家筋ではあるものの、こうして室内を見回せば普通のご家庭
より多少大きな家の一般家庭だった・・・
家に通されるなり、すぐに食事の為にとリビングへ通され
お母様、お父様、雅蓮とその弟さん、とオレで少し遅い夕食を頂いた。
雅蓮はまだ幼い弟を寝かしつけてくるといい、この超アウェーな状態で
オレをあっさり見殺しにした・・・。
「──────さて、日比谷くん。」
「は、ひゃい!!」
「この度は娘を助けてくれて有難う」
「聞くに、キミはそのために停学に成ってしまったそうじゃないか」
「本当にもう、キミとご両親に何とお詫びしてよいか──────」
・・・ビックリした。
オレはてっきり娘を、一人暮らしの部屋に連れ込んで遅くまで
帰さないことに怒られるものとばかり思ってた・・・
キョトンとしていると、お母様が三人分のお茶をもって和室の応接に来て
会話に参加するようにお父様の隣に座る。
「真さん、せめておうちにお電話させて頂けないかしら・・・」
その言葉に悪寒が走る。
お母様、謹んでご遠慮させていただきたく候!
北方から新幹線で鬼が来るのでッ!
「んんッ・・・けほ。い、いえ! 一人暮らしですし母子家庭ですし」
「母も放任主義ですので ──────ッ」
・・・しまっ!
「ふふふ、放任主義ってそれは、雅蓮が?」
「──────あ・・・はい。」
お父様が湯呑に手を伸ばし、お母様が下を向く。
すぐにお二人は顔を見合わせてそれぞれ一つ頷いて、オレに語り
聞かせてくれた。あの日カラオケボックスで雅蓮が語った自身の生い立ち
それを大きく補完する内容を──────
雅蓮が語ったように、彼女は幼い頃から心臓が弱く、当時の診断では
10歳の夏を迎えることは困難だとされていたらしい。
ご両親はそんな彼女に自分たちの願いも込め、将来の夢。大きくなったら
何に成りたいか聞いたそうだ。
暫く考えた後、雅蓮は弓道の強豪校へ推薦で合格するという
突拍子もない夢を語ったと、その時は思ったそうだ。
5・6歳の子が語るには、ひどく現実的なその夢は当時鏃道場の門下生で
雅蓮を可愛がっていた大学生、その人が辿った道だった。彼女は自身の憧れ
を彼に重ねていたのでは無いかとお母様は言う。
そしてその後、運良く心臓移植のドナーが見つかり、絶望的とされた10歳の
夏を雅蓮は乗り越えた。
「そしてあの子は、私達に語った夢を実践しようと頑張ってきたの」
「私達は──────、運命を乗り越えた雅蓮に何がしてやれるか考えた」
「そうして出した答えがのびのびと・・・好きな事をして」
「成長して行くのを見守ろうと──────っ」
「ふふ──────、アナタ」
「そう・・・だったんですか」
心を打たれてそんな相槌しかでてこない。
確か心臓移植のドナー適合や手術自体の成功率、そして術後合併症による
15年生存率等──────。
雅蓮は数々の奇跡の上に成り立ってるんだと思った。
アイツがオレに云った“ドキドキしないように”の裏にはこんなに人々の
願いが乗ってるなんて。カラオケボックスで有り体な良し悪しだけで彼女に
自分の価値観を押し付けてしまったことが
ただ恥ずかしい──────
「真さん? 我が家の苗字や商いの事も雅蓮から聞いていますよね?」
「でもね、私達やご当主様、あの子のお祖父様は」
「あの子に弓を強制しては居ないの」
「あの子が・・・幸せになるなら捨ててしまってもいい──────」
「私達はただ、そう想っているの、だから真さん」
「あの子を助けてくれてほんとうに・・・」
「本当に有難う御座いました──────」
スマホに視線を落とす。時刻は23時を回ってしまった・・・
あの話の後お父様の晩酌に付き合って酌しながらオレのことも随分
話してしまった。
入浴してパジャマ姿で戻ってきた雅蓮は、オレの隣に座り暫く四人で
過ごすも訪れた睡魔に抗えず、テーブルに突っ伏してオレの手を握ったまま
寝てしまい、彼女の肩を支えて自室へ連れて行くお母様にオレは頭を下げた後
席を立った。
それまで上機嫌で日本酒を召し上がっていたお父様は、表情をスッと改めて
オレの手を両手で握りしめ、深々と頭を下げた──────
門前までお二人でオレを見送ってくれた雅蓮のご両親に深く頭を下げて
家を後にした。しばらく歩いて振り返ると、二階にポツリと灯る明かりの元で
窓枠と同化していた影がオレに向かって大きく手を振るのが見えて
オレも大きく手を上げて返してやった。
「すげーいいご両親じゃないか雅蓮──────けほ」
この手の映画小説や漫画なんかじゃ、あの手の家庭に生まれた子は
弓を強制するのがテンプレ展開みたいなもんだったからな
あのご両親の雅蓮に対する愛が大きくて
そのギャップに戸惑う。
心臓移植の話、もしかしたら雅蓮のあの性格、年に比べて大人びてる
っていうのも、雅蓮に二人分の命が乗っているから、なのかも知れない・・・
なんて、それこそ映画や小説の世界だけでいいような
おとぎ話だけどな──────
家について真直ぐベッドに向かい前から倒れる。
なんかふらつくなぁ。お父様の御ふざけに付き合って日本酒舐めて酔ったか
しかし、改めて思う。雅蓮、お前やっぱスゲーよ。他者に押し付けられて
弓道を志したわけでもなく、幼い頃の憧れをひたすらに追いかけてココまで
たどり着いちまうなんて・・・
──────あと、お前の体の話か・・・
心臓移植なんてそんな話、いくら親しいからって──────いや、親しいから
こそ、あの時話してくれなかったんだろうな、心配掛けるから。
お父様の話では、彼女が貰い受けた心臓は彼女の体に完全定着したそうで
医師の話では寛解を迎え、移植手術に関しての術後合併症は
今後一切心配ないらしい。
とはいえ、この間のような極限状態に於いては、急速な虚血による貧血を
何度か繰り返しているそうなので、これからも雅蓮のドキドキを見守る
必要はありそうだな。
とにかく、今日はなんかもう疲れた──────
気疲れってやつだ・・・ 一冊目の感想文書くのは明日でいいか・・・
六月十日────── 自宅謹慎四日目
さっきからウーウー何かが唸り声を上げていて、うっとおしくて
目を覚ます。
まるで泥の中で溺れているんじゃないかって位の体の重さと頭痛
そして息苦しさに盛大に咳が出る。
「ガハッ・・・・ゴホッ、ゲホッ・・・や、やだがしだ・・・ゲホ」
節々が痛む体を起こして昨日脱ぎ捨てたGパンからスマホをなんとか
取り出して時間を見るともう10時半を回っていた・・・
まずい起き上がれない・・・。
もともと風邪なんて縁がないオレのうちに体温計などあるはずもなく
取り敢えず、これからココに来ちまうだろう雅蓮にうつす訳に行かないので
【 来るな 】と、メッセを飛ばすのがやっとだった──────
即座に、【 どうしたの? 】と【 ねえ!なんとか言って! 】と
返信が立て続きに届き、その後から何度も何度も、スマホが鳴るたびに
小悪魔雅蓮と着信表示が──────、わりぃチョイ出れそうにねぇわ・・・
必死にメッセを返そうとするもマトモに文字が打てそうにない。
ごめんな雅蓮。また後で電話するからさ、今は少し寝──────




