表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カジノ ─ Casino ─  作者: くどい
三章 キリングハウスへようこそ!
45/99

3-9 九話 記憶の行方 1

10階始発の高層階行。

誰も乗っていないはずのエレベータ内に奴が居た。


 オレは手に持った【こいつだけには見られたくはなかったもの】

を、咄嗟に後ろ手に隠そうかとも思ったが、今更隠すほうが

よっぽど恥ずかしい気がして、そのままオレンジ色で可憐な

アレンジメントを両手に持ち、エレベータへ乗り込んだ。

 ダニエルがあたかも、そこに居ないかのように、14と記された

ボタンを押し、コイツの横に立つと“アンタのことは嫌いだよ”と

あからさまにコイツとは反対側へ顔だけそむけた。


 咲夜が入院する病院。14階行きのエレベータ内。

花籠に飾られた、オレンジ色した小さなリボンを指で弾きながら

オレは横の暴力先公を一切気にすること無く

そっぽを向き続ける。つーか、なんで居んだよ!


「小僧、何処に行く気だ?」


「アンタにゃかんけーねーだろ───。」


「ほう、何故だ」


「アンタが守んのは茜だろ?」


「然り。」


「チッ───。なら、やっぱりかんけーねー話だ」


「フン、だが有ると言ったら?」


『ポーン 十四階です。』

 電子音の案内が聞こえたとほぼ同時にオレは、先公(ダニエル)の話を

一方的に切り上げエレベータを出る。話すことなんて無い。


「待て小僧」


「待たねーよ、あばよ」


「そうか───。では勝手にしろ」


そう聞こえたと同時に、エレベータの扉は締まった。


 あぁ、勝手にするさ。ったく、今更なんだよ!あの野郎。

いちいち先回りして邪魔をして、オレの心を逆撫でる。

やつの行動理念が全く読めないどころか一切合切意味不明。

オレをイラつかせるだけに存在してんのか?


 まぁアンタはいいさ、どれだけオレに悪態付かれても訓練を理由に

毎日毎日好きなだけオレをボコれるんだからな。

コッチはどれだけイラつかされたって、奴にオレの攻撃が

一切当たらないどころか、いつも倍返しだ。

あんた、マジムカつくんだよ。ま、ヤツのことはもういい。


じゃあな先公。また明後日な。



 エレベータを降りると、すぐ正面に案内板。ありがたい。

オレは花を抱えてそれを確認する。えーっと1405だっけ。

案内板はフロアの俯瞰図として描かれていた。

 楕円の14階フロア。緩やかに弧を描きながら、外向きに病室が並ぶ。

エレベータホールを中心に病室の集まりが左右に別れている。

どうやら咲夜の病室は1401から始まる北側らしい。


案内板によると丁度、咲夜の病室前が看護ステーションのようだ。


 小動物とは言え、女子の部屋だ。突然部屋に行くより、

看護ステーションにひと声かけたほうがイイだろう。

常識的に考えても。


 まかり間違って、扉の先が着替の真っ最中だったら。

またオレの高貴な股間にアノちっちゃな裏拳が

おみまいされるに違いないからな。

 

改めて、オレは両手で小さな花籠を持ちながら

1405号室を目指して歩き出す。


 1401。開いた扉から病室内が見える。

通り過ぎる際、横目で室内を伺う。

 広々とした部屋には、一つのベットに簡易的な

応接のソファとローテーブル。

そのベットには初老の婦人。そのすぐ横の窓際で婦人と談笑しながら

ベットサイドに花を活ける若い女性。

個室?


 1402。閉ざされた扉。

患者名が記されるプレートホルダーが

扉の脇に一つだけ設えられている。

 どうやらこの階の左エリアは全室個室のようだ。

静まり返る広々とした廊下、向かいより歩いてくる

女性の看護師がオレを見留めると軽い会釈をした。

オレもそれに習って一礼、頭を垂れる。


 1403。閉ざされた扉。

徐々に近づく咲夜の病室。なぜか心臓が高鳴り始める。

左側に病室。右側には丁度、看護ステーションが見えてくる。


 1404。開かれた扉。

患者の居ないベットを看護助手のスタッフが、シーツを替えている。

それを見たあたりで看護ステーションから声がかかった。


「面会の方ですか?」


背の高い短髪、リムレスのメガネを掛けたイケメン看護士が

オレを見留て声をかけた。


「はい、宮田 咲夜の見舞いで。」


「あぁ、あの娘のね、丁度向かい側の病室です。」

「そうだ、ちょっとまってて」

「ちょうど検温の時間だから、僕と一緒に行こう。」


 助かる。マジで。正直、扉の前で固まっちまいそうだったんだ。

第一声、どう切り出したらいいか、実はまだ決めかねていてね。


 そして遂に1405。

扉の横に設えられているネームプレートに宮田 咲夜と記された病室。

ネームプレートに並んで備えられている呼び鈴を看護士の彼が押した。


「宮田咲夜さん、検温の時間ですよ。」

『はい!』


 検温セットを持って、入室許可を求める様室内に向かって

イケメン看護士の彼が声をかける。

間髪入れずに、アイツらしい元気な声が帰ってくる。

彼の後ろに立つオレ。なぜ隠れちまったんだ?


「それと、お見舞いの方が見えてるけど」

「お通していいかな?」


『あ、はーいどうぞ』


「じゃ、行こうえーっと、ヒビヤ マコトくん」


「はい。」


 オレの腰に有るバッチに書かれた名を呼んだイケメン看護士が

1405号室の引き戸を開いた。

並んだ病室と同じく個室のベットには、上半身をを起し

14階の窓から見渡せる真夏の嵐山、その景色を眺める彼女がいた。


あぁ───良かった。

本当に、紛れもなく彼女だ。


 あの日、突然音もなく現れた、アヤシイ救急車に乗せられた

咲夜と別れて以来、人づてにしか無事を確認出来ないでいたけれど、

紛うこと無く咲夜が無事でそこに居た。


 オレはあの夜から、突然ベリーハードモードに塗り替わっちまった

人生に何度か挫けそうになる度、スマホの画面に映る彼女達を見て

無事を祈ってただ、一心不乱に突っ走るしか無かったけど

今、自分の目で、こうして初めて彼女の無事が確認できた。


「体の具合はどうかな咲夜君。」

ベットの咲夜に歩み寄り、検温道具が入った

サージカルステンレス製のトレイをベットサイドに置きながら

イケメン看護士が咲夜に語りかける。


「はい、もうすっかり。それで・・・」

 そう具合を伝えた彼女は、入室したもうひとりに視線を移す。

咲夜は、アノ日以来、数日ぶりに再会したオレを、くりくりした目で、

まっすぐ見つめながら───


「あの・・・・」

「は、はじめまして。」

「あなたがあの日」

「倒れた私を助けてくれたって言う」

「お兄さんですよね?」


そう言った。


「えっ───」


 はじめまして。

その言葉にオレの目の前がグラリと揺れ動く。


「そうか。君がそうだったのかい? お手柄だったね。」

「咲夜くんから聞いてるよ。」

「あの事故の時、倒れている咲夜君を見つけて」

「背負って病院まで走ったそうじゃないか」


看護士の賛辞の声や、周囲の音が次第に遠のいてゆく。


 はじめ───まして?


 葉桜の下、花火に見惚れるあまり、こぼれたコーラで尻を濡らす

オレに最初に声をかけ、三人が出会うきっかけを作ったのに?


 セクハラ発言のお詫びと称した屋台巡りで、散々オレの財布を

軽くしたのに?


食べかけの綿菓子をオレに半分とられて頬を赤らめてたのに?


オレが撮ったスマホの写真や互いの連絡先も交換したのに?


事件の翌朝、あれだけオレに立て続けな連絡をしてきたのに?


そんな数少ないながら、楽しかった彼女達との思い出だけが

頭の中をグルグルと空回る様に駆けめぐる。


“記憶喪失?”


 見知らぬ敵に俺たち3人、突然銃撃され、倒れ込んだ咲夜を

おぶって林を走る中、オレの腕に伝った彼女の血。

敵の流れ弾が当たって咲夜が気を失った、あの時の怪我が原因?

 

 暗転しそうになる景色の中、オレは藁をも掴む気持ちで、

隣の看護士に耳打ちするように尋ねる。


『彼女、なにか記憶喪失とか、その───、そのそういうのは』

小声でそう尋ねたオレに彼は


『え?いや、怪我は爆風で吹き飛んだ破片による腹部の外傷。』

『───とカルテにはあるけど』

 ベット脇のホルダーにあるファイルを見ながら咲夜に

聞こえない声量で看護士が答える。


「ヒビヤくん?」

「どうした、キミ顔色が悪いぞ。」

「チョット失礼───」

 そう前置きしながら、看護士がオレの手首をつかもうと手を伸ばす。

彼はきっと職業柄、オレの脈を取るつもりだったのだろう。


「いえ! なんでも───」

 そんなつもりはなかったのだけど、彼の手を払い退けるような

かたちになってしまった。おおよそ想像もしてなかった展開に

オレは思わず後ずさる。


「───い、いや!そう。元気そうで何より。」

「うん! それが確認できたからオレはもうこれで」

 後退りしながら咲夜から離れると、応接スペースの

ローテーブル足がぶつかり、退路が閉ざされる。


「あっ・・・」

 この場より立ち去ろうとするオレを見て

咲夜がオレに向けて手を伸ばす。


それを見た途端、アノ光景がフラッシュバックして蘇る。


【お兄ィちゃん、ごめん───ね、なんか、倒れそ───】


「うグッ!」

オレを突き刺すような頭痛が襲う。

片手で花を持ち、唐突な頭痛でよろめく体を、もう片方の手で

応接ソファの背もたれを掴んで耐える。


「おいヒビヤくん大丈夫か!?」


「いえ、花が───、花をね───。」

「そう!これ。宮田さんにぴったりな花だなと思って。」

「持っ、持ってきただけだから。」

そう言って、オレンジ色の小さなアレンジメントを

ローテーブルに置く。


「あの、じゃ、じゃあオレはこれで。」

「咲───、宮田さん!」

「お姉さんにもよろしく。」

「それじゃ!」


「おいどうしたヒビヤくん!」

逃げるように部屋を出ようと、引き戸の長い取っ手に手をかけ

ようとしたその瞬間。


「キャ!」


「───!」


突然開かれたその扉の前で、鉢合わせたのは、誰あろう茜だった。


胸に咲夜の着替えとか、きっとそういう類が入っているだろう

トートバックを思わず抱きしめるように抱えた茜は

改めてオレを見た。


「あーびっくりした。ゴメンなさい、私、突然扉開けたから。」

「えーっと、咲夜ちゃん。」

「こちらの方は───」


「学校のお友達?あ───」


「おい!待ちたまえヒビヤくん!」


 茜のその言葉を最後まで聞く前に、オレは部屋を飛び出していた。

エレベーターホールに着き、エレベータには目もくれず

向かいの非常階段と書かれた扉へ飛び込む。

飾り気のない階段を駆け下りながら、倒れそうになる意識を

腹に力を入れて耐える。


「ハァ、ハァ」


どうなってる!

前に何処かで聞いた心的外傷後(P T )ストレス障害(S D )による一時的健忘?

もしかして、奴ら()が手を回し、オレと咲夜が出会っていない

ことに成ってる?


「ハァ、ハァ、ハァ───」


イヤ違う。

怪我やアノ出来事による精神的な記憶障害や敵の仕業なんかじゃない。

咲夜はおろか、茜さえもオレを忘れている。


()()()()()()()()()()()()()()


明らかに二人共()()()()()()()されてる。


「ハァ、ハッ!───ゲホッ、ハァハァ───」

「クッソ、まさかこんな事になってるなんて。」


 こんな状態じゃ、もう誰が敵で誰が味方かなんて、わかりゃしない。

とりあえずココに居ても仕方ない。と言うか、自分の身が危ないかもしれない。


 そんな思案を巡らせ14階分、一気に非常階段を駆け下りた。

薄暗い非常階段の1Fと書かれた、此処と表のロビーを隔てる扉に

背中を預けオーバーヒート手前まで上がった息を整える。


 この扉の表、すれ違う人すべてが敵にも思えてくる。

SAN値が限りなく0へと削られ、おかしくなりそうだクソッ!

両膝に手を付き息を整えた後、勢いよく体を起こして

後頭部を扉に打ち付け、気合を入れ直す。

そのままの勢いで扉の外にでる。


 雑多な大病院のエントランスを、裏口に向かい早足で歩く

腰に付けたバッチを、受付のテーブルに無念を叩きつけるように

突き返しオレは、うだるような暑さの外に出た。


 そのまま敷地を抜け少し行ったところに確か───。

今朝ラチェットが、豪快にタイヤ痕を付けた道

その先にバス停が有ったはず。

とにかく今はアパートに戻ろう。

そう思いながら足早に敷地の出口へ向かう。


 途中、病院の敷地内の駐車場に、場違いなほどの高級車、

その横に銀髪、青い瞳の男がこちらを睨み付け立っていた。


「ハァ、ハァ、ハァ───、クソッ!クソッ!!」

知ってしまったようだな、では死ね。かぁ? クソッ!


 オレは、この殺し屋ダニエルにまた撃たれるんじゃないかと

思いながらも、奴には一切目もくれず、その横を足早に通り過ぎる。

睨みつける奴をそのまま置き去りにし、荒れる息のまま

構わず敷地を出た。


 姐さんの車を下りた所の数十メートル先に案の定バス停を確認し

そのまま向かっていると、普段聞かない音色のエンジン音が

オレの後ろから、オレを追い越す。


 その高級外車は、バス停手前の細い路地に飛びこむように

その鼻先をねじ込み、歩道に乗り上げるかたちで停車した。

 オレと同じく、歩道を歩く人達の驚きを一切期にせず、

ダニエルの車はオレの行く手を阻んだ。

そしてすぐさま、その黒いスーツのジャケットをひらりと

翻しながら奴がその車より現れる。


「ハァ、ハァ───邪魔だァオラァ、どけェ!」

数メートル先の奴に歩み寄りながら怒号を浴びせる。


「小僧、乗れ」


「───っるせぇ」


「黙って乗れ小僧!」


まもなくその車の主の元へ達したオレは、その車を蹴り登るような

勢いで男と対峙する。


「ウルセェっつってんだよオラアァァァ!!!」

オレは奴に向かって踏み出す。


知ってんだぞオレはァ───


 数日前。ロイと最初にBSRに向かう車中の話。

仮の話、そう前置きした上でオレはロイにある提案した。

裏の事情へもうこれ以上関わり合いたくないと───。

すると彼はこう返した。

 

 ()()()()()して、野に放つことも出来るが、そうするかねと。

つまり、コイツらには(CASINO)、それが出来る術があるってことだ


お前たちが二人に、茜と咲夜に───。

()()()した、そうとしか考えられないだろ!


「おまッ───ゲホッ。らがァ!」

「オマエラがやったんじゃねぇのか。」

「茜と咲夜の頭を(記憶)イジったんじゃないのかァ?」

そう言いながらオレはダニエルの胸元を掴み上げる。


「燥ぐな。」

「小僧、黙って乗れ」


「クソが!! 小僧小僧といっつもいっつも───なぁ!」

「上から目線で───ルッセんだよぉォォ!」


 オレは訳の解ない現状や、真意を伝えないままに利用された

ことに対する腹立ち、そして。覚悟を決めて守ると決めた

彼女らに対する行いを、ムカつくほどに整った男の顔に

仇とばかりに渾身の力で叩きつけた。



 ───バキィ。



「クッ・・・・・・。」

「な───!?」


 青いゴム製ナイフのおもちゃを使った日々の訓練で何度と無く

奴に飛びかかろうが、時には後ろから不意打ちを仕掛けようが

ただの一度も奴に届かなかった俺の拳。

それが今はあっさり、奴の顎を捉えた。


小僧の怒りに任せたパンチなんて、当たるとは思ってなかったから。

いや違う。


当たったところで屁でもないから。

いや違う。


当たるのを判った上でダニエルは


“あえて避けなかった”


オレはその事に驚いた。


 彼は、俺の拳をまともに受け、倒れはしないものの蹌踉めいた。

そして、自らの車のドアに寄り掛かるようにして

耐えながら───。




「───真、乗れ。」




奴は───。初めて俺の名を呼んだ。

日記

7月31日 晴天


妹の入院8日目


経過は順調で、今日の様子を見て、味のしないスープから

お粥が食べれることに、食いしん坊の妹は待ち遠しかった様子。


私はお着替えと、今朝刑事さんが自宅に届けてくれた物。

あの日なくしたと思ってた、妹のスマートフォンを届けに

妹の病室へ来ていました。


私と入れ違いに飛び出していった男の子。なんか───

初めて会った気がしないのは何故だろう。



「咲夜君、せっかく彼が持ってきてくれたお花」

「あそこじゃ可哀想だから、ベットの横においておくね。」


「あ、ありがとうございます。」


「わ、カワイイ。」

「なんか咲夜ちゃんにぴったりね!向日葵とオレンジのコスモス!」

「このままじゃ蒸れちゃうからラッピングほどくよー」

「あ、カードが付いてる!メッセージカードだよ咲夜ちゃん。はい」


「あ。う、うん───ありがと茜姉ぇ」


「ところで、ねぇ咲夜君、茜君。」

「君たち、彼とは本当に今日初めて会ったの?」


「───うん、のハズなんだけど。」

「さっきのあの怖いけど真面目な顔、なんか───懐かしいような、寂しいような」

「胸がね、キュってなったの。」


「咲夜ちゃんも?私もなんか、ちょっと気になって」


「うーん、そうかぁ、茜くんも退院したばかりなんだろう?」


「えぇ。」


「キミたち、もし偏頭痛とか出るようなら一度カウンセラーさんに

 相談してみたほうがいいかもね。」

「あんな事があったばかりだし、一応ね。」


「───はい。」


「えー!もう検査いらなーい。飽きた。」

「サクヤちゃん!」


「ふふふ、まぁ僕的には彼にも。」

「と言うか、彼の場合今すぐにでもって感じだだったなぁ。彼、大丈夫かな?」

「それともひょっとしてー」

「君たち、三角関係?だったりする?」

「修羅場に遭遇したのかな? 僕」


「えっ?」

「ち!ちがうよぉ!」


「ヤダ田所さんったら! それ、セクハラですよー」


『ピピピ』

「おっと! 体温計にも怒られた。」

「なになに、37.1℃。ちょっと高いけどまぁ合格かな。」

「今日からお粥さん食べていいよ」


「ほんと!やったーーー!」


「良かったね、咲夜ちゃん。」

「あ、そうそう。咲夜ちゃん、お着替えと頼まれてた本と、後ね」

「家に刑事さんが届けてくれたよ。咲夜ちゃんのスマホ」


「ホント!見つかったんだ!」

「やっほ!やっぱ現代っ子にはこれがないとね!」


「よかったね咲夜君、でも電源入れたまま外歩いちゃダメだぞ───」

「あれっ?どうした咲夜君大丈夫かい?」


「えっ!ちょっと咲夜ちゃん!どうしたの?」


「───うん、なんかわかんないケド───ね、涙が勝手に。」

「茜姉ぇ。これ・・・・・・」


「えっ!、これさっきの」


妹が点けたスマホ。

待ち受け画面には私と咲夜、それと彼。

三人が写ったものでした。


そして泣き出して両手で顔を覆った妹を抱きしめた時

妹の手にしたカード。彼のメッセージが目が止まりました。

そしてメッセージを読んで私は確信しました。


私達は彼と出会っていると。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ