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虚飾の鏡、視線
時代は、
情報の「凶器」から、
情報の「鏡」へと変質していた。
平成、末期。
人々は手の平の上の四角い画面に、
己の理想とする「虚像」を映し出し、
他者からの「承認」という名の、
麻薬のような対価を求めて狂奔した。
私は、若者たちが溢れかえる
渋谷のスクランブル交差点に立っていた。
彼らは一様にスマートフォンを掲げ、
自分こそが世界の中心であるかのように振る舞う。
だが、その瞳に宿っているのは、
他者と繋がっている安らぎではなく、
誰にも見向きもされなくなることへの、
底なしの恐怖であった。
「……かつて、人々は神に祈りを捧げました。
しかし今、
彼らは『画面の向こう側の見知らぬ誰か』に
魂を差し出している。
その視線の質量が、
どれほどの毒になるかも知らずに」
七代目の器、
**ルナ**は、
その視線の頂点で最も美しく、
最も危うく咲いていた___。




