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崩落する日常、乾いた同情
昭和の狂乱が黄金の鳥居に封印されて間もなく、
世界は物理的な「崩壊」によってその脆弱さを露呈した。
平成、七年。一月。
夜明け前の大地が咆哮し、
数万の家庭が瞬時に瓦礫の山へと化した。
私は、煤と土埃が舞う被災地の中心に立っていた。
かつてのハクや伊織の時代、
死はもっと「共同体の儀式」であった。
だが、この時代、死は孤独に、事務的に、そして何より
**「消費される情報」**へと成り下がっていた。
「……耐えがたいほどに、薄情だ」
私は、テレビカメラの放列を避けるように、
救助隊も諦めて去った倒壊家屋の隙間へと潜り込んだ。
人々の意識は、一瞬だけ被災地へ向き、
「可哀想に」という安価な同情を投げつける。
だが、その三日後には、
彼らは新しいバラエティ番組に笑い、
瓦礫の下に埋まったままの命を忘却する。
その「忘却という名の暴力」が、
現代の新しい負債となって、
九地無の里を揺らしていた。
そこに、五代目の器となるべき少年
**カイ**がいた___。




