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朱色のゲートウェイ ー 御神体 ー  作者: 此花 陽
平成初期編

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14/28

崩落する日常、乾いた同情


 昭和の狂乱が黄金の鳥居に封印されて間もなく、

 世界は物理的な「崩壊」によってその脆弱さを露呈した。  


 平成、七年。一月。  


 夜明け前の大地が咆哮し、

 数万の家庭が瞬時に瓦礫の山へと化した。

 

 私は、すすと土埃が舞う被災地の中心に立っていた。  


 かつてのハクや伊織の時代、

 死はもっと「共同体の儀式」であった。


 だが、この時代、死は孤独に、事務的に、そして何より

 **「消費される情報」**へと成り下がっていた。



「……耐えがたいほどに、薄情だ」



 私は、テレビカメラの放列を避けるように、

 救助隊も諦めて去った倒壊家屋の隙間へと潜り込んだ。


 人々の意識は、一瞬だけ被災地へ向き、

「可哀想に」という安価な同情を投げつける。


 だが、その三日後には、

 彼らは新しいバラエティ番組に笑い、

 瓦礫の下に埋まったままの命を忘却する。  


 その「忘却という名の暴力」が、

 現代の新しい負債となって、

 九地無の里を揺らしていた。

 

 そこに、五代目の器となるべき少年


 **カイ**がいた___。





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