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ペルグランデ・オンライン  作者: リアン
ひとりじゃない
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34/38

どうしてこうなった

申し訳ありません。投稿順を間違えました。割り込み投稿させていただきます。

 

(どーしてこうなった!?)


 私はギコの姿で闘技場に立っている。隣には戦闘態勢のミサ。

 目の前には鬼の面を被り、黒い装束に身を包んだ大男と…もう一人は般若の面を被り、同じように黒装束を着ている、シルエットから女性だと伺える。

 観客席には巫女さん1名、侍が10名ほど…。


「がんばれー!ギコちゃーん!」

「がんばれー!」


 侍たちの中央前に陣取り、巫女の恰好をしたナギが元気な声援を上げ、それに応えるように10人の侍が野太い声を上げる。


「ほんとに、どーしてこうなった?」




 時は遡り、私はミサとナギの待つVRカフェに向かうため、最寄り駅で電車を降りた。

 今日は三人でデモンズ・ゲートの戦利品を分け、のんびり探索でもするものだと思っていた。その予定だった。

 だが、電車を降りたとたん、私に熱い視線を送っていた学ランの大男に声を掛けられたのだ。

 声を掛けられた?否、決闘を申し込まれた。


「俺と勝負してくれ!」


「……」


 左右と後ろを確認し、私は黙って歩き出す。


「おおおおおい、おおおい、無視すんな!俺と勝負してくれ!」


「わ、私ですか?」


 もう一度左右と後ろを確認するが、誰もいない。


「そうだ、お前だ!」


「……なぜ?」


「勝ち逃げは良くないと思うんだ」


「……え?私なにかしましたっけ?」


「席を譲った!」


「あ、はい。妊婦さんですよね、譲りましたね」


「勝ち逃げは良くないと思うんだ」


(だめだ、よくわからない…)


「しょ、勝負っていっても私喧嘩とかは、その…」


「喧嘩なんてしない、お前ペルグラ、やってないか?」



 と、いうことでペルグランデ・オンラインで2対2の決闘をやることになり、学ランの大男と一緒にミサ、ナギの待つVRカフェに向かったのだ。

 道中、何を話していいかわからない私をよそに、学ランの大男は勝手に自己紹介と補足説明を始めた。

 名前は出浦盛治(いでうらせいじ)、東桜高校の1年生、空手部所属。なんでも、電車でいつでも席を譲る心構えをしていたところ、隣の私が自分よりも早く妊婦を見つけ、席を譲ったのが負けたという考えに至ったらしい。

 悪い人ではなさそうだけど、何かこうずれているというか、それは勝負ではないと言っても聞いてくれない。町を歩いて勝負を挑まれるのはポケ〇ンの世界だけだと思っていた。


 VRカフェに着くとミサとナギに事の顛末を説明、どうも連れがいるからできれば2対2で勝負がしたいというので、ミサと組んで戦うことになった。ナギは説明してもよくわからんという顔で、ミサは笑っていた。


「クククッ!ポケ〇ントレーナーじゃないんだから」


(ミサさん、それさっき私が言いました。心の中で…)


 4人は同じVRカフェでログインし、ペルグランデ・オンラインの中で待ち合わせ場所である聖都ルクレディアの闘技場へと向かった。のだが、ここでもう一悶着あった。


 ログインするやいなや、10名ほどの侍たちに囲まれたのである。


 侍A「見つけたぞ!」


 侍B「急げ!隊長が来る前に根回しを!」


 侍C「あの人絶対即ロールプレイ始めちまう!」


 ミサが武器を構える。


 ミサ「なんだい、あんたたち!」


 私とナギは突然の出来事にただただ怯えていた。


 侍C「あ、いや、すみません。ちょっとそこのナギさんにお話ししたいことがありまして」


 ナギ「え?わたし?」


 侍A「俺たち元アイゼン・フェッセンのものです」


 侍B「敵意はありません。時間がないので担当直入に伝えさせていただきます」


 侍C「お願いです。今からアイゼン隊長がきます。そんで、受け取ってほしいんです、いろいろと」


 侍A「バカ、お前それじゃわかんねーだろ!」


 ナギ「アイゼン隊長さん?」


 ミサが武器を下ろす。


 侍たちは大分焦っているようで要領を得ない。

 内容を整理するとこうだった。


 ・生粋のロールプレイ好きのアイゼン隊長がナギを見初める。

 ・ナギを主にしてロールプレイをするため、巫女衣装を作った。

 ・それを渡すため、血眼でナギを探している。

 ・そんなアイゼン隊長についていけないと大規模ギルド、アイゼン・フェッセンは解体。

 ・100人以上いたギルドメンバーで残ったのは10名。

 ・残ったメンバーは隊長がナギを見つけ次第なんの説明もなくロールプレイが始まることを懸念し、根回し、もとい説明とお願いをするために隊長より早くナギを見つける必要があった、と。


 侍B「ロールプレイ好きのバカだけど、良い人なんだ。どうか受けてやってほしい」


 侍A「隊長、巫女には侍だとか言って、私財投げ売って俺らの装備まで買ってくれたんだ」


 侍C「巫女じゃなくて姫じゃないの?とは言えなくて…」


 侍A「それは隊長の趣味だろ、完全に」


 ミサ「ふーん、とりあえず結構慕われてるんだねぇ」


 侍B「あ、きた!隊長だ!」




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