凱旋
デモンズ・ゲートを討伐したことで、ワープポイントが発生し、ベテルの塔入口まで転送可能となった。
また改めて塔を登るときにはこのワープポイントを使用し、このフロアから挑戦することが可能だ。
だがギコ達はミサが勧めるがまま、ワープポイントを使用せず、元来た道を戻るため、4階ボスフロアの扉を再び開けた。
そこにはアイゼン隊長をはじめとするギルド、アイゼンフェッセン総勢200名が驚きの表情で再び開く扉を見つめていた。
ゆっくり開く扉から姿を現したのはユニークモンスターの討伐を終えたアンデット・アンダーテイカーのマスターギコ。だが、その姿は一時間程前のそれとはまったく別のものだった。
顔が判別できないほどのダメージエフェクトの炎を煌々と纏い、それは途切れることなく天井へと立ち昇る。
左手には大盾、右手には見たこともない不気味に脈を打つ大剣(本当は短剣)を担いでいる。
「に、人間か?」
群衆の一人が思わず呟いたのをきっかけに、ぞろぞろと群衆は二つに割れた。
次点で出てきたミサが自慢の青龍刀を担ぎ、「どーだ!」と言わんばかりの表情でギコの左後ろを歩く。
二人は群衆騒めきの真ん中を視線を浴びながらゆっくりと何も言わず歩いていく。
あれほど苛立っていたアイゼン隊長もその群衆の一人となり下がっていた。
すると愕然とした表情のアイゼンの裾を一人の少女が引っ張った。
ナギ「あのぅ…。この間ドラゴンを倒された隊長さんですよね?」
アイゼン「え?…。あ、はい……」
突然の声掛けに素に戻ってしまったアイゼンが返事をする。
ナギ「これ、お返しします。なんか横取りしちゃったみたいですみません」
そういうとナギはイグニス・アーリース討伐の際に手に入れたアイテム、火竜の灼眼、赤熱のバングル、そして火竜の爪と角をアイゼンの手を取り無理やりに渡した。
アイゼン「え?……え?……これ、火竜の!?」
ナギ「はい、私もあの戦いのとき居合わせて、皆さんが火竜を倒した後拾ったんです。でも…ピナタは簡便してください。友達なんです!」
アイゼン「え…、ピナタ?……!!!?それは火竜!?」
ナギの頭にとまっているいる小さな竜を見て驚きを隠せなかった。
ナギ「ごめんなさい!」
ナギは泣きそうな顔でペコりとお辞儀をすると、ギコとミサの元へ走っていった。
アイゼンはこれ以上なく呆気にとられ、渡されたアイテムを抱きかかえながら言葉を漏らした。
アイゼン「………。竜の巫女よ………」
「隊長?」




