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ペルグランデ・オンライン  作者: リアン
ひとりじゃない
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おぞましき刀身

 

 ナギ「ギコちゃん!」


 黒い光はギコの体を薙ぎ払い、ギコはいとも簡単に消失……しなかった。


 ギコ「うぅっ!だ、ダメージが…止まらない!?」


 ギコの体からピンク色のダメージエフェクトが止めどなく溢れつづけ、まるで火柱のように立ち上っている。

 ダメージを受けたときに感じる振動が止まらない。


 ミサ「こんな量のダメージエフェクト見たことない!」


 いままでデモンズ・ゲートに挑んだプレイヤーが回避を試みたり、防御力を高めてみたり、魔法を駆使したり、あの手この手で防ごうともがき、それでも攻略できなかった即死攻撃の正体は、高値の確定ダメージと同時に襲う、もの凄い量の継続ダメージだった。

 ギコは高いHPで確定ダメージを乗り切り、シークレットクエスト:アリーナの願いで手に入れたアクセサリ、死者の煩慮と死者の慕情の効果で異常に高められたHPの自然回復力で、継続ダメージを相殺していた。


 だが、ギコの自然回復力をもってしても相殺しきれない継続ダメージは、じわじわとHPを削っていく。


 ギコ「え?え?え?」


 黒い光によって大きく削られたHPに反応し、右手に持った血塗られた包丁が備えた特殊効果を発動。

 受けたダメージの1%をスタックし、自身のSTRに変換する。

 脈を打ち、どんどんその刀身を巨大化していく。


 ギコ「ええええ?ナニコレこわーーーいっ!」


 ミサ・ナギ「いいいいい!?」


 血塗られた包丁の刀身は、もともと高い身長に設定してあるギコの身長程に成長し、表面には血管のようなものが浮き出て脈を打っている。

 なんともおぞましい姿にミサとナギは戦闘中だということも忘れ、抱き合って目を丸くしていた。


 ギコ(はっ!これはチャンス?なのでは?)


 ギコ「う、う、うわあああああああっ!」


 成長した血塗られた包丁を大きく振りかざし、デモンズ・ゲートから姿を現したままの【手】に切りかかる!


「ズンッ!」


 渾身の力で振り下ろされた刀身は、鈍い音をたてて激しく【手】に食い込んだ!


「ズズズズズズズッ」


「ギアアアアアアアアァァァァ」


 デモンズ・ゲートの奥の方から人間のものとは思えない奇天烈な悲鳴が聞こえ、【手】は勢いよくデモンズ・ゲートの奥へと引っ込み、扉が閉まった。


 ギコ「か、勝った……?」


 デモンズ・ゲートの左右の紫色の火が消え、ガラガラ音を立てて崩れていった。


 ミサ・ナギ「………」


 ミサとナギは目を丸くしたまま固まっていた。




 暫しの沈黙の後、ペルグランデ・オンライン全体にアナウンスが流れる。

『ギルド アンデット・アンダーテイカーにより、ベテルの塔4階ユニークモンスター:デモンズ・ゲートが討伐されました。』




 ナギ「わーっ!やったーっ!」


 アナウンスによって目が覚めたようにナギが飛び跳ねる。


 ミサ「ふーっ、……ふふっ!アハハハハハ!」


 ミサも緊張の糸が切れたように笑い出した。


 ギコ「あの………、これどうしましょ……」


 ギコは未だに継続ダメージが続いていて、ダメージエフェクトがその身から吹き出し、立ち上り続けていた。


 ミサ「う、うーん、とりあえず町に戻ろうか。最悪もう死んでも大丈夫だし、帰って戦利品の確認もしたい……。と、その前に、堂々と凱旋といきますか!」








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