アンデッド・アンダーテイカー
Undead Undertaker (アンデッド・アンダーテイカー)
私達のギルド名が決まった。
といっても、私とナギちゃんではなかなか良い意見が出ず、ミサさんに決めてもらった感が強い。
ミサ「良いじゃない! 挑発的で」
ギコ「どういう意味なんですか?」
ミサ「不死の墓堀人、アンデットがお前の墓を掘っているぞ、だね。相手の死を暗示してるめちゃくちゃ挑発的な名前だね!」
ギコ「ええ! 怖いですよ~。誰を挑発する必要があるんですか?」
ミサ「んふふふふ、秘密」
ナギ「略して『アン・アン』だね! かわいい!」
ギコ(そうきたか! それこそ私が名乗ってはいけない気がする……)
ミサ「さぁ、レベルも上げた。スキルも強くなった。いよいよ明日だよ!」
そう、いよいよ明日、ベテルの塔第4層のユニークモンスターへ挑戦する。この日の為に一週間、みっちりとミサさんに鍛えられた私とナギちゃんは、他のプレイヤーとの比較してはわからないが、ゲームに慣れ、操作に慣れ、少し自信が付いていた。それは本当に自分のステータスや装備、所謂ビルドが間違っていないというミサさんの太鼓判を貰ったが故だ。
ミサ「じゃあ明日学校で、モンスターの詳細と作戦を伝えるわ!」
ギコ「はい」
ナギ「はーい!」
学校の昼休み、美咲さんと知り合ってからというもの、学年が違うのに私達は毎日三人でお昼ご飯を一緒に食べていた。昼休みのチャイムが鳴るとすぐに美咲さんが私達の教室を訪ねてくるのだ。
おかげで外木さん達の嫌がらせはピタリと無くなり、平穏な日々を過ごせていた。カリスマさまさまである。権力を持っている人間は権力に弱い生き物だと改めて思った。最初の数日こそ同級生達の物珍し気な視線が恥ずかしかったが、もうすでに当たり前の光景になっている。
美咲さんが人目を一切気にせず、私なんかにもすごく気さくに話してくれる。別世界の人だと私が壁を作っても、笑いながらその壁をいとも簡単に粉砕してしまうその人柄を、私もナギちゃんも、もうすでに好きになっていた。
それにしても凪ちゃんといい、美咲さんといい、私の周りは顔面偏差値高すぎやしませんか……。
ミサ「ギコ、あなたはネクロマンスで防御担当。あ、タコさんウィンナーだ! ちょうだいっ!」
私達はゲーム内のキャラ名が本名から来ていることもあり、自然とキャラ名で呼び合っていた。
ギコ「どーぞ、どーぞ」
ミサ「代わりにアスパラベーコン巻きあげるわね。それでネクロマンスはできるだけ弱いのをたくさん呼び出してほしいのよ」
ギコ「わ、わかりました」
ナギ「私は魔法で攻撃してればいいんですよね。あ、私もタコさんウィンナー欲しい! 代わりに米あげるね!」
ギコ「どーぞ、どーぞ(米!?)」
ミサ「そう! ナギが火力として誰より適正よ」
ミサ「それから、大事なことを一つ。第四層のボスエリアに入るまで、ギコ、あなたは喋らず、堂々と、まっすぐ進みなさい」
ギコ「わ、わかりました。7時半っていう時間と何か関係が?」
ミサ「んふふ、その辺はまぁ、私に任せて! あなた達は戦闘に集中すればいいわ」
何か企んでいるときのミサさんはすごく楽しそうだ。
戦闘の詳細な手順とモンスターの行動について入念にすり合わせ、私達は夜を待った。




