帆風七咲8 その時は後悔のない選択をする
=> ・でもそれは七咲が自分で考えるべきことだ
・二人で一緒に考えてみよう
ここで七咲に親身になって一緒に答えを出せばそれで納得してくれるのだろうか。
でもその場合、俺は七咲の望みに追随するように肯定するだろう。
それは良いことなんだろうか、あまり良いことにならない気がする。
自分も逃げて逃げてたまたま逆行しただけで偉そうなことは言えないが、それでも七咲に言えることは一つだ。親近感を覚えるからこそ、選択に後悔してほしくないと感じた。
「七咲はどうしたいんだ?」
「私が、どうしたいか?」
「そうだ。俺が投薬で治るかもしれないならそれでいいんじゃないかと言ったらそうするのか?」
「それは…」
「なあ、病気が治ったらどうしたいんだ?」
「病気が治ったらどうしたい…そんなの決まってるよー」
七咲の望みは少しでも付き合いがあれば誰でもわかる。
「自分の足でどこまでも走りたい!でもさ、やっぱり怖いよ」
走りたい、健康な体で、ただそれだけだ。ただ、手術に踏み出す勇気がないんだろう。
聞いた感じでは手術に成功すれば治る可能性が高いのだろう。
でも手術の内容を聞いて、不安になっている。それも当たり前だ。
俺はそんな七咲に何をしてあげられるんだろう。何を言ってやればいいんだろうか。
ここで手術をするように説得して、手術に失敗したらどうすればいい。そんな不安も頭によぎる。
勇気、か。お互いに勇気が必要だ。
どうすればいいのかは分からない。ただ、決意をした。
「じゃあ、多分、あー期限日までに勇気を出せるようする」
「え、勇気?」
「そうだ。だからもしそれで勇気がでたら後悔のない選択をしてほしい!」
「分かった。その時は後悔のない選択をする」
七咲は俺の言葉を聞いて真剣な顔で頷いた。
勢いでそう言ってしまったが、その後は七咲を家の近くまで送り解散となった。
そして翌日。
雨が降っていたので水汲みもなく、午前中の仕事をさっさと終わらせた。
昨日の夜からずっとどうすればいいか考えているが、まったく思いつかない。
「どうしようか…」
「翔琉じゃん、なんか隈できてるけどどうしたの?」
「ああ、いろいろとな」
「なんかあるなら相談に乗るよ」
「相談かあ、そうだなそうしよう」
旅館の廊下を歩いていると八重とばったり会った。
よほど小難しい顔をしていたのだろうか、珍しく心配そうに声をかけてくる。
八重の相談という言葉で、灯台に行ってとにかく話してみることにした。
「ということで灯台に行くことにしたから八重もそこで相談に乗ってほしい」
「え?いいけど何か強引じゃない?」
「ありがとう!行こう!」
眠いし、頭も煮詰まっていて良い考えも浮かびそうにない。
そんなわけで八重を連れて灯台に行った。
雨が降っているからか灯台には七咲を除いた皆がいた。七咲がいなくて良かった。
皆を集めて早速相談する。
と言っても七咲の事を話すのもどうかと思ったので、少しぼかして相談する。
「手術をどうしようか悩んでいる友達に勇気を持たせてやりたいねえ」
「いや、それ七咲じゃない」
「だな」
「そうですね」
「やっぱりね」
ぼかしたのだがあっさりバレた。八重にもバレたのは驚きだった。
皆は呆れたように俺を見ている。
「むしろ分からないと思ったのかしら?」
「みんなと付き合いの浅い私でも察せる」
「なななななんのことか分からないな…、それでどうすればいいと思う?」
少しばかり動揺してしまったが何とか軌道修正をはかる。
「その前によ翔琉」
「結、なにかあるのか?」
「いや、どうしてそこまで気にかけるんだ?ラヴなのか?」
「それは気になります!」
結はおどけた口調で聞いてくるが、目は真剣だった。
万花ちゃんはキラキラした目でこっちを見ている。
「そういうのじゃないよ、ただ放っておけないんだ。俺は選択もせずに逃げた。
無理だから仕方ないと、どうしようもないことだって。それで諦めて人生を送っていたんだ。
それはとてもむなしい人生だった。七咲にはそんな人生を送ってほしくない。
だから走れる可能性が高い手術の道を選んでほしい。でもそれを強制することも間違ってるだろ?
だからせめて後悔のない道を勇気をもって選択してほしい。それだけだ」
「なるほどな。オッケー分かった!協力するぜ!!」
「そうだな」
「勿論よ(自覚がないだけでホの字ね)」
「はい!(素敵です)」
「私も協力する」
うまく説明できたかは分からない。だけど皆から協力してもらえることになった。
俺たちはそれぞれ意見を出し合った。
でもなかなか良い感じの案は出てこない。
「ふっ、ならばこれはどうだ?」
そんな時、大郷が灯台の本棚から一枚の紙を持ってきた。
そこには【伝説の飛脚を見つけろ祭!夏休みリレー大会!!】と書かれていた。
「あったなあ。隣町で行なわれる夏のリレー大会。七咲も出れねえし不参加にしてたよな」
「なんでも江戸時代に伝説の飛脚が住んでいたらしいわよ。この大会の後にはお祭りがあるわ」
「隣町ですけど天海村も是非!って言われたんですよね」
地元組はあったなあ、といった感じで頷いている。
参加メンバーは4人。距離は100m×3、最後は200m。男女問わず。年齢不問。と書かれていた。
「これに優勝するってことか…」
「ああ、見物客も多い。翔琉、お前がアンカーだ」
「なるほど」
このリレーで優勝して七咲に勇気を出してもらうということか。
いいんじゃないだろうか。
俺たちの走りをみて楽しく走りたい、手術を受けようと思ってくれるかもしれない。
ただ、俺にできるのか?いや、大丈夫なはずだ。もう克服したんだ、人前で走ることなんて何でもない。
「大郷、ありがとう。良い案だと思う。俺はこの意見に賛成だ」
皆で顔を見合わせ頷きあう。異論はないようだ。
円陣を組んで手を重ねる。
「よし、目指すは優勝だ!」
「「おう!!!」」
文章書くのって難しい。2か月ぐらい書いてるのに成長を感じません。
ギャルゲー風の小説を書くのが目的です。
書きだめしたほうがいいと思うのですがそうしたらエタる気がします。
帆風七咲7 あー、聞いちゃいます?
の最後のほうの会話文を
「手術をすれば治る」から
「うん、手術をすれば多分ねー」と
修正しました。




