表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/44

帆風七咲6 答えはCMの後で!

熱い。赤い?暑い?熱い。痛い。熱い熱い熱い熱い熱い。

どこだここは。燃えている。赤い。辺り一面すべてが炎。炎の海だ。

俺はどうしてここにいるんだ。何でこんなことになっているんだ。

助けてくれ。息ができない。そうだ。動いて逃げれば。

―――足が動かない。

何かが足を挟んでいて逃げられない。もう走れない。動けない。

火が迫ってくる。火が火が火が。

どうしようもないと絶望が体を包み込もうとしたその時。


「逃げろ!」


誰かがやってきた。炎で顔は見えない。

でもその人は足の上にあった何かをどかしてくれた。


「いいか翔琉!火は怖いものなんだ!!だから逃げな!!」


女性の声だ。でも聞いたことのない、声。

その必死な声に押されるように必死に足を動かし、俺は………。




「翔琉!」


気が付けば七咲に手を握られていた。体中に汗がべっとりとついている。

ただ、数秒の出来事だったのか周囲は花火に火をつけようとしているところだった。


「大丈夫?翔琉の顔色、相当悪いよー?」


七咲が心配そうに顔を覗き込んでくる。俺はすぐに返答することができなかった。

大きく深呼吸をする。蝋燭の火をじっと見る。

平気ではない。心臓がバクバクとなっている。火から目を背けて逃げ出したくなる。

…だけど、それだけだ。耐えられている。折角なんだ、楽しもう。


「大丈夫だ、多分。心配かけたな」

「ふーん。本当ならいいけどねー。じゃあ花火できる?」

「ああ」


花火が差し出されたので受け取って、二人で火に近づける。

正直、火をつけようと近づくだけで手が震えたが七咲は何も言わず黙って寄り添ってくれた。


バチバチバチ!


雪の結晶のような火花が飛び散る。

怖がるな。ただの花火だ。体がぎこちないながらも動いてくれる。

しばらくじっと火花を眺める。綺麗に色とりどりの光が咲く。


「綺麗だねえ花火」

「そうだな」

「いろんな色が輝いてさー。花火って最高でしょ?」


恐怖の気持ちは七咲との会話のおかげか薄れていった。

周囲でもそれぞれ思い思いに花火を楽しんでいる。


「あー、もしかして七咲の由来って花火?」

「さあそれはどうでしょうか。答えはCMの後で!」

「CMの後って古いな」

「古くない古くない。仕方ないなあ翔琉君は、じゃあ線香花火で私に勝ったら正解を教えてあげる!」

「お!線香花火の勝負か!?俺もやるぜ!!」

「楽しそうじゃん。景品はあるの?」


七咲の声に釣られたのか、気が付けば皆で線香花火の勝負をすることになった。

ちょっと残念のような気もしたがこれはこれで楽しい。

皆で蝋燭を囲んでせーので火をつけることにした。


「じゃあ行くぜ!せーの!」


パチパチパチ


静かに線香花火が燃えている。

両手で持って態勢を維持しようとしたり、片手をピンと伸ばして動かないようにしたり、それぞれで真剣に線香花火をつかんでいる。


「…線香花火って火の玉が落ちる前に火が消えると願いが叶うって知ってるかしら?」


しばらく無言だった中、守莉がぽつりと呟いた。そういえばそんな話を聞いたことがある。


「マジか!?じゃあマグロ一本釣り成功祈願だ!って落ちた!?」

「究極のもちふわパンを、ううん、ダメだよ私。自分の力でって、あ」


その言葉に動揺したのか結と万花ちゃんの火の玉が落下した。

守莉はうっすらと笑っている。策士だ。


「筋肉筋肉…」

「いや大郷はこれ以上筋肉必要ないでしょ!?あ!?」


大郷の呟きに思わずツッコんだ八重の火の玉が落ちた。


「翔琉はさ、なにか願い事ある?」


その流れで七咲が願いを聞いてきた。


「願いか、今年の夏休みを後悔のない夏休みにしたいな。七咲はあるのか?」

「私の願いは………」


本当にそうだ。後悔しない人生は無理だとしても。

この夏休み、後悔のない夏休みに。最高の夏休みにしたい。

聞き返すと七咲は真剣に悩み始めた。そこで七咲の火の玉が落ちてしまう。


「あーあ、ま、願いなんて自分で叶えてなんぼですから」


落ちた火の玉を見てあっけらかんと七咲は言った。でもどこか残念そうでもあった。

これで残るは俺と守莉と大郷だけだ。


「ま、これで勝って、あー…代わりに願ってやるさ」

「え?」

「なんでもない」


ちょっと恥ずかしいことを言ってしまった。

後半は小声だったし聞こえてなかったようだ。よかった。

じーっと火花を見る。たまたま対角線上にいる大郷と視線が絡み合った。

大郷は線香花火を右肘で挟んだまま器用にサイドチェストをした。

思わず笑いがこみ上げそうになる。


「おおっと!?高度な精神戦の様相を呈してきたぜ!」

「………」


関係ない結が茶々を入れてくる。

耐えろ、耐えろ俺。線香花火はまだ頑張ってくれている。

ここで耐えれば勝てるはずなんだ。


「ふふふ、あ…」

「守莉に飛び火したあ!守莉脱落!!これで一騎打ちだ!!」

「ふむ、真っ向勝負と行こうか」


守莉が脱落したのを確認した大郷がサイドチェストのポーズからスッと戻る。

その動きにも何とか耐え、お互い集中する。

というか真っ向勝負といわれてもな!?と叫びたいのも耐える。


チッチッ


と徐々に火花が小さくなっていく。勝負が始まってから何秒たった?

10秒か?20秒か?大郷、早く落ちてくれ!

火花が小さくなっていく。大郷も同じだ。

どちらが勝つか、固唾をのんで見守る。


勝負の行方は!?


昨日投稿したっと思ったらできていませんでした。

3日で2000文字。もう少し分量を増やしたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ