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結果から言えば、大丈夫といえば大丈夫でした。
学校には騎士の子がたくさん通っているので、彼の言葉は騎士の子を敵にまわしたと捉えられ、味方がたくさん出来たからだ。
特に、彼と同じ学年の双子やリリーナが私に味方してくれたしね。
双子は三枚目キャラで親しまれているし、リリーナは男女共に慕われているので騎士の子以外の子も味方してくれた。
度々、人間関係で問題を起こす子だったということもあるが。
また、彼の親は地方の領主で、王都の騎士を派遣してもらっていたのだが、サグマさんが守っていた辺境も含まれていた。
今回のことを双子はサグマさんに言い、リリーナは団長に言い、他の子も自分の親に言っていた。
私の父方の祖父にまで伝わってしまって、大事になってしまった。
一時は「おめぇのシマ守んねぇぞゴラァ」と啖呵をきっていて、必死に止めた。ジジイつよい。
彼の親は騎士の子だから仲良くしろと言っていただけだと言っていたが、脳筋だと子供の前で言っていないと分からないよね。
そこまでは頭が回らなかったようだ。
双子やリリーナは人気者で嫉妬があり、ライバル心から仲良くならなかったようだが、私は年下だし云々と言っていたこともあって目を付けたそうだ。
私じゃなかったらこんな大事にならなかったかもしれない。
そういう意味では良くも悪くもあるが。
そんなこともあり、彼は現在孤立している。
自業自得か。
私は「キレたらヤバい奴」として認識されている。
自業自得か。
大人しい子に話かけるとビクッとされるのが悲しい。
私の着実に築いていた人脈を返せー!
先輩にはよくやったと喜ばれて、新しい人脈が築けたけどね。
「迷惑かけて、ごめんなさい」
夜の会話の時間に両親に謝る。
「大事にはなったが、迷惑などではないよ」
「そうよ、ウィルに怪我がなくて良かった」
そうは言っても、こんな迷惑をかけたのだ。
問題視している一部の領主もいるだろうし。
優しくされるのは違う。
流すことも出来たんだろうが、感情的になってしまった私の落ち度もある。
やっぱりまだコミュ障は治っていないのだろうか。
前世で治っていたと思っていたのだが…。
そんなことを考え、俯いていると父に頭を撫でられる。
「子供のしたことだと言えば良いんだろうが、確かにウィルのような子供にも少しは責任がある。だがな、その責任もまとめて受け止めるのが親というものだ。それに、俺達のことで怒ってくれたんだろう?言われたことで傷付いただろう?それが俺達は嬉しいんだ。ウィルは優しい子に育ってくれた。それが嬉しい」
顔を上げると父も母も優しい笑顔を浮かべていた。
その笑顔を見るとぽろぽろと涙が出てくる。
申し訳ない気持ちより、私は愛されてるんだと嬉しい気持ちが大きくなってくる。
「僕も…僕も、お父さんと、お母さんの、子供で、良かった。嬉しいよ」
涙を流し途切れながら言う私を父も母も抱き締めてくれた。
確かに、今は両親のことで感情的になるけれど、両親のことをすきだということは忘れないようにしようと心に決めた。




