第023話「ふたりの帰り道」
【Tips:〇二三 心穏やかに】
・終わってみたらなんということはない……のか!?
死人も出たし表舞台には出てこない連中までも出てきたというのに、本人たちは至って平常運転なのだが……。
しかしながら、終わった事や自分だけではどうにもできないことをいつまでも考えるより、自分にできること、安らげることを見つけてそちらに時間を使うのも、日々死線を潜る彼女たちには大事なのかもしれない。
【〇二三 ふたりの帰り道】
夜はすっかりと更け、もう深夜となっていた。
「終わってみると、あっさりね」
「うん。でも、これで脱走の件は全部消えるかな?」
「そう願いたいわ。秘薬の件もあるから……まだまだ任務は増えそうだけど」
「うん。でも、パリィと一緒なら」
宿舎へ向かう道の途中、ランナが手を握ってきた。パリィも握り返す。
「ねぇ、そういえばパリィの机、真っ二つになってたけどどうしたの?」
「あ、あれはその……少しいらついてしまって」
「うわっ、パリィってカッとなっちゃうんだね?」
「わ、わたしだってそういう時くらいあるわよ。あなたのこととなったら……冷静でばかりいられないもの」
「えへへ、そんなにわたしが好き?」
パリィはなんのためらいも、罪悪感もなく、素直に言葉にする。
「ええ。好きよ。大好き。どうしようもないくらいに大好きよランナ」
正面からの言葉を受け、ランナは赤面してしまう。
「もう……」
パリィへと体を寄せ、赤くなった顔を隠すランナ。
「帰ったら……」
そんなランナへとパリィは心穏やかに言うことができた。
「一緒にお風呂、入りましょう。一緒に入りそびれてしまったいたし」
「うん。いいよ。今度は恥ずかしがらないでね?」
「お風呂なら平気よ」
「そうなの? ふふ、パリィの基準がよくわからないけど……これからもっと、パリィのことを教えて欲しいな」
「あなたのこともね、ランナ」
ひとつの惨劇のあった夜ではあったが、ふたりに取ってはより仲を深める夜となった。




