■第三話 邂逅
本日更新ラストです!
――さらに数十分後
地面が砕ける。
巨体のガルムベアが突進してくる。
「さっきと全然違うぞコイツ!?」
リオンが飛び退く。
「魔力が……増幅してる」
フィナが低く告げる。
「だぁから斬っとけって言ったんだ!」
カレンが舌打ち混じりに叫ぶ。
その側面――わずかな気配。
「……右!来る!」
エリシアの声と同時に、脇の茂みから黒い影が迫る。
「はっや!?」
リオンが紙一重で躱す。
「ここで二体目!?ってか速すぎだろ!!」
前からガルムベア、横から豹型のモンスター。挟撃。
「フェイズパンサー……二体同時は……きつい」
フィナが低く呟く。
豹が先に動く。
死角にはいり、一直線に飛び込んでくる。
「ッ――」
リオンの体勢が崩れる。
その隙を逃さず、熊の凶爪が迫る。
――その瞬間。
地面を這う黒い鎖。
一直線に伸び、熊へ絡みつく。
ギリッ、と。
巨体が軋み、動きが止まる。
「ッ!?」
カレンが振り向く。
軽装の男――リガーレ。
鎖を引きながら叫ぶ。
「でかいのは俺がやる!速いの任せる、相性悪い!」
「誰だか知らんが助かる!!」
リオンが即座に応じる。
「やるぞ!!」
豹が距離を取る。
リオンが前に出る。
「お前はこっちだ!逃げるなよ、子猫ちゃん?」
薄く笑い、挑発する。
風を裂く音。
「っと!!」
ギリギリでいなす。
「速すぎだろコイツ!!」
「……そこ」
フィナの魔弾が走り、リオンの頬を掠めて飛ぶ。
「当たるってそれ!!」
「当ててない」
「怖いんだよ!!」
正確無比な魔弾がフェイズパンサーの脚を撃ち抜き、体勢を崩す。
「今!!」
エリシアが踏み込み、カレンが続く。
交差する斬撃。
フェイズパンサーの体が断たれた。
――――
「……っ、暴れんなって」
リガーレが鎖を引く。
熊の四肢を締め上げる。
だが――
バキッ。
「……は?」
鎖が引きちぎられる。
直後、振り抜かれる爪。
ズッ――
頬を掠め、血が滲む。
「……っ、あぶね」
(今の、まだ本気じゃなかったのかよ……)
一歩引き、呼吸を整える。
「……手加減なしだ」
影が広がる。
より太く、重い鎖が幾重にも伸びる。
絡みつき、締め上げる。
ギギギ、と。
今度こそ、完全に止まる。
視線の端で、豹が崩れ落ちる。
(……あの太刀筋なら問題ないか)
小さく息を吐く。
「動きは止めた。……ちょい太いけど、いけるよな?」
カレンが笑う。
「上等!!」
踏み込み、一閃。
――首が落ちた。
巨体が崩れ、地面が揺れる。
⸻
静寂。
土煙が、ゆっくりと晴れていく。
血の匂いだけが残る。
リガーレは頬の血を拭う。
「……いってて、今日は厄日だな」
小さく呟いた、その時。
背後から、鋭い視線。
振り返ると、カレンの剣先がこちらへ向けられていた。
森の奥。
勇者パーティと、魔王。
――その視線が、初めて交差する。
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