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生まれも育ちもこの世界ですが、異世界人認定されて結婚しました。  作者: きゆつき


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13/14

意味わかんない。

「朝から何よ? って、え?」


 玄関の扉を開けると、弟のワーンク――だけではなく、漁師のオーゴの二人が立っていた。


「ラツハ、何かあった?」


 後ろからキーリも顔を出してきた。


「弟さんと、昨日の漁師さん?」


 キーリが出てきたことで、表情が険しくなるワーンクとオーゴ。


「で、何の用なの?」


 私が訊ねると、ワーンクが一歩前に出てきてこちらを指差して言う。 


「ね、姉さんを返せ!」


「「へ?」」


 私とキーリの声が重なる。


「本当はオーゴさんと結婚するはずだったのに、姉さんを騙して無理矢理結婚するなんてズルいぞ!」


「オーゴと結婚するなんてありえないし、騙されてもないんだけど、どうしちゃったのワーンク?」


「オーゴ(にい)がそう言ってた!」


「オーゴ? そんなこと言ったの?」


「お前に結婚相手が現れる訳無いだろ! 騙されてるに決まってる!」


「いやだから、女神様の託宣だし。

 まあ、私に結婚相手が現れないのはそうかもしれないけど、だからってオーゴと結婚するとか絶対無いんだけど?」


 オーゴは何を訳の分からないことを言ってるんだろう?


 そしてそれに騙されるなんてうちの弟くんは大丈夫だろうか?


 この村の未来を託さなきゃならないんだけど、この子に任せたらマズいかもしれない。


「姉さんはオーゴ兄のことが好きだって」


「誰がそんなことを?」


「オーゴ兄だけど」


 どういうこと? どうなってるの?


「オーゴ? 何でそんな事をワーンクに吹き込んだの?」


「お前みたいな女と結婚してやれる男なんて、オレくらいしかいねえだろうが」


「私に結婚相手がいないとしても、なんでオーゴと結婚するの?」


「お前はオレのことが、その、好き、なんだろうが」


「いや、全然」


 どう考えればそうなる?


「は? 一緒に話したり遊んだりしてただろう?」


「オーゴが勝手に来てただけじゃない?」


「そんなことねえだろうが」


 うーん。どうしよう。意味わかんない。


「ラツハ」


「うん?」


 キーリが声を抑えて話しかけてきた。


「うちの母さんの話だと、酷い言葉をかけるとか、イタズラをするとか、嫌がらせをすることでしか、好意を表せない男がいるんだって」


「うん? それはどういうこと?」


「つまり、オーゴさん? は、ラツハのことが好きだってこと」


「え?」


 オーゴが? 私のことを? そんな風に想ってたの? えええ? そうなの?


「オーゴは私のこと好きなの?」


「は? ちげえーよ!」


「違うってよ? キーリ」


「恥ずかしくて素直になれないんだと思うよ」


「そうなの? オーゴ」


「いや、その、だから」


 しどろもどろなオーゴ。


 あの姿からすると、本当に私のことが好きらしい。


 あんなに嫌がらせとかしてきて、好きとか言われても嬉しくもないしなんなら引く。 


「そんなことより!」


 さっきまで目を泳がせていたオーゴの態度が変わり、キーリを指差して叫ぶ。


「オレと勝負しろ!」


 宣戦布告されたキーリは、突然の事態にぽかんとしている。


「オレが勝ったらラツハはオレのもんだ!!」


「いや無理だから」


「お前は黙ってろ!」


「私のことだし黙らないけど」


「う、うるせぇ!」


「うるさくても何でもいいけど、私とキーリは女神様の託宣で結婚することになったから、オーゴのものにはならないよ?」


「女神とやらの言いなりでいいのかよ!?」


「うん」


「おかしいだろうが!」


「おかしいかはわかんないけど……おかしいとしても、オーゴとは結婚したくないし」


「うるせぇうるせぇ! いいから勝負だ!」


 うわー。話にならなくてめんどくさー。


「キーリ、受けなくていいよ。めんどくさい」


「うん」


「男のくせに逃げるのか!?」


「男のくせに素直に好きって言えない人には言われたくないけどね」


 昨日からキーリは、オーゴへの当たりが強い気がする。


「いいから勝負しろ! しねえって言うならラツハはオレがもらっていく!」


「だから、私が嫌なんだって」


「男同士の勝負に入ってくんな!」


 はぁ。


「俺が勝ったら、二度とラツハに酷い言葉を使わないって約束してくれますか?」


「キーリ? こんなヤツのことはほっといていいよ」


「ラツハには悪いけど、放っておいたらいつまでもわめいてそうで面倒そうだし」


 まあそれはそうだろうけど……。


「オーゴ、だっけ? 勝負はいいけど何で勝負するつもり?」


 キーリの昨日の力からすれば、オーゴに勝ち目は無いか。


「勝負の内容だぁ? それはだな、ええと……」


 何も考えてないんかい。


「じゃあ、魚を獲ってくる勝負だ!」

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