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賢者セイヤ2


「実はミラからその話を事前に聞かされておってな、まぁアトランタルは魔素が一番高い大陸じゃ」

「そういった亜神の類(たぐい)が生まれていても、ない話ではない。」


「そうね、亜神クラスまで達している魔人も数体いますし」

「アトランタルでは珍しい話ではありません」


「・・・じゃがの。」


「賢者セイヤよ、あの話を言うぞ?」


いきなり振られたセイヤは緊張した面持ちで答える

「あ、はい。」


セレスティアは溜息を付いた。


「実はのう、これには秘匿されてる情報があるのじゃ」


「・・・?」


「その手の存在が、異世界の・・・・地球人の可能性があるという事じゃ」


「・・・・・」

「何か・・・証拠でも?」

そう言ってポッキーを口にやるセレン


「腕時計をしとったそうじゃ」


「・・・・・・・」

セレンは無表情を崩さず心の中で(ケーシンらしいw)と、どこか微笑ましく笑うのだった。


「・・腕時計とは?」


「あぁ、地球の文化でこう、腕に機械仕掛けの時計を巻きつけるのが一般的らしいぞ」

自分の腕をだして方手の手首を掴んで見せるセレスティア


「面倒ですね、魔石があれば必要ないではないですか」


「まぁ向うには魔石というか魔素もないらしいからな」

そう呆れた感じで言うセレスティア。


「でじゃ、儂が思うに異世界人がお主のアトランタルに転移した可能性じゃ」

ギラリと目を光らせて妖しくセレンを睨む


ふふふと笑いながら

「別に異世界転移なら起きても不思議ではないでしょうね、ただ」


「あぁ分かっておる、アトランタルのプルケリマか・・・確かに人間には不適格じゃ」


「あの魔素量は異常じゃ人間には不利な条件が揃っておる、異世界人なら転移に耐えられんじゃろう」

「じゃが・・・」


そうアトランタルでも人間の支配する時代がかつてあった。

その時代には人類の限界のレベル99を突破しさらに亜神へと進化した者達がいたのである。

まさに生き延びる為の限界突破が引き起こされた過去があったのだ


「例外というものはいつの時代にも生まれるものです」


「プルケリマには・・・・狭間があったじゃろ?」


ぴくッとセレンのポッキーを食べた動きが止まる、まさにポキッと折れた時に。。。


「周りくどいですね、セレス。何が言いたいのですか?」


「あぁそうじゃ面倒臭い、あぁ!じゃからこういう話は好かんのじゃ!」


そういってぶっちゃけてセレスティアは言い放った


「手の持ち主、その地球人、お主、思い当たる者がおるのじゃろう!?」


セレンは優雅にコーラを飲みグラスを眺めながら答えた。


「知ってますよ・・・それが何か?」


「!!そやつは何者じゃ?」


「魔神ですよ、魔神ケーシン」

どこか勝ち誇った雰囲気のセレン


「魔神の化身?何の化身じゃ!?」


ムッとするセレンだが静かに答えていく

「ケーシンですよ名前がケーシン、間違えないでください。」


「魔人じゃなくて魔神か、、、ははは我らと同じ神種というのか?」

ギラリと更に妖しく光る眼のセレスティア


「面白いでしょ、異世界人が魔神になって現れたのよ。。。」


わあはっはは!と豪快に笑うセレスティア

「確かに面白い・・・が素直には笑えんな」


(今笑ってたでしょっ)


と思わず突っ込みたくなるセレンと

唖然と会話を聞かされるセイヤは話が大きくなりすぎて付いていけず茫然と跪いたままだった。


「疑いはせぬよ、突拍子無いことも起こる物だな」


「が、この世界は我ら神種たる神龍3柱のバランスで統括しとるのじゃ、他の神種が勝手に何かするのは面白くない」


「もういないわ、彼は狭間から現れ狭間に帰った・・・それだけ」

「・・・セレスにも分るでしょう?」


「はん? 何じゃ!逃がしたんかい!面白くないのぅ」

「どうりで簡単に喋るわけじゃ!」

拍子抜けに肩を落とすセレスティア


「何を今さら、安心したでしょ?」


「あん、そんな異世界人がおるなら見てみたいと思っただけじゃ!」

「面白そうじゃからな」

「まさか魔神とは思わなんだがなw」


「・・・じゃが・・・特異点となる可能性は無かったのか?」


「わかりません、私が知ってるのは覚醒前の魔神です、力だけあっても目覚る条件は。。。」


「あぁそういう事か・・・」

「勿体ないのぉ~狭間に入ったら時間軸から遡っても儂らでもどうにもならん」


「ふふふ、残念でしたね」


「期待させおって、やられたわ」

「まぁ久し振りにあったんじゃ、少しはゆっくりしていけ」


「いえ、また次にするわ、ありがとうセレス、コーラ美味しかったわ」


「あぁまたな」ひらひらと手を振り見送るセレスティア


そう言ってテーブルから離れたセレンだが


固まったままのセイヤを前にカツンとブーツが音を立てて止った。


「そういえば?・・・セイヤと言いましたか、あなたは地球には帰らなかったのですか?」


跪いたままのセイヤは思いもかけず声を掛けられビックっとした。


「あ、いえ」


「面を上げなさい、私が聞いているのです」


セイヤは恐る恐る顔を上げたがすぐ後方のセレスティアやミラの方を見た


それはまるで助けを呼ぶ子犬の様な目になっていた。。。


しかしどちらも何の反応もせず見ているだけだった・・・


だがミラがコクンと頷いたのを見て安心して喋りだすのだった。


「僕はこの星が・・・アンゴルモアが好きです。」

「仲間も出来ましたし彼らを残して帰れません、ここが僕の生きる星です」

「何よりセレスティア様が納めるムー大陸が僕には理想の地に思えました」


「そうなのですか。」

とセレンはセレスティアの方に視線を流した

(別に言わされてる感じではないですね)


「他には?」


「勇者のタイキは一度、地球に帰りました」

「家族を心配していましたから」

「でも多分また来るんじゃないかと思います」

「今、帝都ではその為の準備で皇女が・・・あっ」


ーそれは秘匿事項であるー


しまったという感覚がセイヤを襲い冷汗が流れた。

(何故こんな事まで僕は喋っているんだ?)


「そうですか、その為の伯爵や皇帝からの依頼だったのですね」

「フフフありがとう」


そう言ってコートのマントを翻(ひるがえ)しセレンは城を出て行った

案内にすぐミラが後を追った。

全てを見抜かれたよな不思議な感覚とその後ろ姿に見とれてるセイヤを残したまま。。


時の流れは無情な擦れ違いを引き起こす


異空間のドアをミラが開けた時、事態は急転する


「ケーシン!!」


叫ぶや否やセレンはその瞬間、神龍の姿となって搭の表に飛び出た。


巨大な緑色に輝く神龍が聖セレスティア大神殿上空に現れたのを見て守護者達に一斉に緊張が走った。


しかし一瞬でその姿は掻き消え遥か天高くに昇っていったのだった。


アトランタル上空に固定しているセレンの精神世界に少し前までケーシンが訪れていた残滓があった。


丁度この亜空間にいた時だ


審判の時は分神体を使うが同等の神龍から招待を受けた際は礼を尽くすのが当然と本体で来ていた


即ち精神世界は留守だったのだ。


セレンは悔やんだ。


光速でそのまま空中に消えアトランタル上空の自分の精神世界へ戻っていくのだった。


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