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来訪者 2


ミラはムー大陸の聖セレスティア大神殿の上空まで来ると魔法陣を止め


大神殿の前の広場に下降用の魔法陣を広げ神龍セレンを伴って降りていく。


広場には20人程のエルフが二人の帰着を待っていた。


ミラとソーラが先に広場の石畳の上にスーッと降り


同時に服装がローブ状からセレスティアの侍女の制服に切り替わる


それは凛とした軍隊の将校とでも思わせる格好だ。


飲み物を乗せた器(うつわ)を持った女性エルフを伴って執事服を着た男性エルフが


ミラの前に歩み出て


「ご帰着お持ちしておりました」


そういって挨拶をするが


ソーラ

「・・いや」


ソーラが目線を上に向けた瞬間、そこにセレンの龍の影が広場に落ち


神龍セレンの100mの巨体が降りて来た。その執事を始めとするエルフ達は


一斉にその場で跪(ひざまず)き神龍セレンに崇敬(すうけい)の念を示した。


それを確認してセレンは人化した。


かつてセレンの人化は人の姿と言っても発光体で目の表情しか分からなかったのだが


ケーシンの記憶と共に過ごした今のセレンは見事に人の姿に人化して見せた


それはエルフの目から見ても魅了される程に。


透き通る肌に切れ長のグリーンの瞳、腰まである銀色の髪と


まさに人の美の理想形と言える女神を思わせるものだ。


しかも服が真っ黒のコートの後ろからマントが装備され


節々にセレンのカラーの蛍光色のグリーンが流れるような模様として入っている


靴は膝(ひざ)まである重圧のロングブーツだ。


女神の様な容姿にその服のセンスのギャップに声も出ず釘付けになるエルフ達


凛として目を引いていた竜人のミラとソーマが一気に霞んでしまったとは


口が裂けても言えないエルフ達であった。


実はこれはケーシンが残していったビデオのアニメやドラマを見てセレンがクールに感じた


ものからアレンジして創造したものだ、いわゆるコスプレである。


だがそれを知るものは誰もいないのだ。。。


ミラ

「ご足労ありがとうございます」


セレンは何も言わず周囲を見渡す


広場の前方には大神殿へ続く様に白亜の柱が並んでいる


複雑な彫刻が施された神殿が構えている後ろに天をも突き刺さんばかりの


巨大で鋭利な搭が5棟並んでいる


その中央の搭に神龍セレスティアの気配があった。


「セレスのところへ」


ミラ

「はい。ご案内いたします」


大神殿の中へミラが斜め前に立ち案内していく


通路ではエルフや魔人達が総出で並び敬礼して敬意を表した。


神殿の中央を横切り奥にある搭の入り口から入ると丁度エレベーターの入り口で止まり


「此方から最上部の部屋でセレスティア様がお待ちです」


ミラがそう言って先にエレベーターへ案内する


動力は魔石に風を付与した魔錬丹が組み込まれ音もなく上昇していく。


一方ソーラは挨拶の後すぐさま後方へ下がりセレスティアの所へ空間転移していった。


聖セレスティア大神殿のある山脈の麓(ふもと)には大ムー聖堂がある。


現ムー帝国の人間が関与できるのはこの大ムー聖堂までであり


警備には帝国兵の中でも佐官クラスが常駐している。


大神殿との意思疎通は竜人のミラとソーラの2人を介して教皇へと告げられる仕組みである。


その際も大神殿から一方的に命が下されるのが一般的であり逆はない。


ムー帝国の聖セレスティア大神殿はその名の通り神龍であるセレスティアが


現実に存在する場所であり神殿は人類不可侵の場なのである。


セレスティア曰く100年前後の寿命しか持たない人間に


興味持っても此方が顔を覚える前に人は死んでしまうという事らしい。


故に皇帝や教皇ですら直接大神殿のセレスティアへの拝謁許可は下りていない。


ただ最近では異世界召喚された人間が直接セレスティアと面会したという


話が帝都と周辺諸国へニュースとして広まっていた。


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