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宇宙創成 2


ふと違和感を感じる。


「なんだあれ?」


ここは自分が作った亜空間、無の空間だ


魔素にもよるが広さは無であり無限でもある。


その中に自分の意を介さぬ異物の存在は考えられない。


「・・・あり得ない。」


俺の眼がユラユラと蜃気楼のように浮いている赤い一点の光を捉えた。


距離感が分からないが、ただ酷く嫌な気配がする。


俺は立ち上がり、その光に向けて飛んだ。


しかし流石に無の空間、一向に近づく気配がない


恐らく音速や光速超えてるはずなのだが、自分のイメージを具現化する世界で


速度によるソニックブームが引き起こされ異常性を体感していた。


やがて赤い点の傍までやって来たが


それは自分と同じサイズの丸く赤い光の塊(かたまり)だった


2m程と感じるが自分が100mはあるのだ、つまりそれ以上の大きさと言いう事になる。


ユラユラと浮かぶその赤い塊はまるで生きてるようで意志があるのが感じられる。


「お前は何者だ?」


「・・・・・・・・・」


「・・・私はZERO」

喋(しゃべ)った!

「ZEROって?」


「待っていました・・・ずっと」


何故かゾクッっと言いようのない寒気と鳥肌がたった。


これもあり得ないのだ、俺は魔神だぞ!


「やばい!!」

本能が最大限の警告を発している


「さあ」


エコーでも掛かったような女性の奇麗な声が頭に響く


同時に赤い塊の中から、しなやかに女性の腕が伸びて俺を導く


「はい」


咄嗟(とっさ)に手を取る俺だった


「アホかーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


免疫がないとは哀しい事かも知れない。。。


(自分を殴りたい、、心の底からそう思った)


手を掴んだ瞬間それは直ぐに俺へと浸食を開始した


手先から濃紫色の色がどんどん黒ずんでいく


手が離れない


今の俺が魔神とか神種とかが一切意味を為さない


バサバサと大きく翼を広げ羽ばたき抵抗した!


体中から魔力を放出して雷を発現させ本気で目の前の赤い塊に放電をぶつける。


凄まじい轟音と火花が飛び散り眩(まばゆ)い光に辺りが包まれる


「これっ!まじアカン奴や!!!」


「・・・・!」


(雷でダメなら凍らせればいい!赤い塊に向け俺は全身から冷気を発し絶対零度まで魔力を操る)


体の1/3を塊の中に埋め込まれた状態で同時に氷漬けとなっった、


「お前は何者だ!!」


「・・・・・」


「何故ここにいる!」


「・・・・・」


「俺を如何(どう)するつもりだ!」


「・・・・・」


「何がもくて・・・」


バチィイイイイイイイイィイイイイイイッ


氷漬けになった俺達は同時に固まった時間の中であの記憶が展開された


18歳の頃あそこで見た赤い光点だ。


視点は赤い光点から見た俺が映っている。


凍った時間の中にその後の自分が辿(たど)る人生が詰まっていた。


「な・・・なんだこれはあああああああああああああああああ!」


・・・それは・・・全てが仕組まれていた軌跡。


そして頭の中に直接語り掛けて来る


(・・・私はZERO、あなたの。。。)


赤い塊はそう語り掛けて来る


その声はとても悲しい響きに聞こえた


(訳が分からない・・・意味もなく涙が滲む)


全ては罠だったのだ。


あの日、コーヒーを買いに行く途中、何気に見た赤い光点、


あれから全てが始まった。。。


神に見込まれた人間には本来の人生とは相反する人生が与えられます

どれ程苦しもうが、これでもかと容赦なく試練が降りかかります

手加減も容赦もない、あなたが必死なように向うも必死


そんな思いが赤い塊から伝わってきた。


「それが宇宙の理」


「何の為に?!」


「・・・全ては・・・この瞬間の為に・・・」


(!! あぁ、そうか・・・そういう事か。。。)


魔神となった思考にその真意が流れ込んでくる


そして。。。


ゆっくりと目を瞑(つぶ)り、、、そして抵抗を辞めた。。。


諦(あきら)めるといった事ではないが、、、理解できた。


悔しいが同意するしかないんだ。


セレンさんが俺のステータスは偽装されてるよと笑っていた。


複数の神の残滓(ざんし)。。


あの龍神の翁さへも、そのプログラムの意志に動かされていただけなんだ


俺が生死の限界の果てに偶然にも魔神となったのも神々の計算の一つに過ぎないか。。。


正直たまらない~(´・ω・`)カナワンネ


そして俺はそのまま赤い塊の中へ飲み込まれ消えていく。。。


同時に其れは赤色から黒色へ変化しエネルギーを凝縮しながら縮退していく。


魔神と化し許容量を大きく超える魔素エネルギーを帯びた俺の体と魂を吸収した塊は


感覚的に2m程あった大きさから10cmまでの玉に濃縮され眩(まぶ)しい発光体となる


そえは太陽光の何万倍もの光を放ち、人が見れば一瞬で失明するレベルだ。


周囲にプラズマが発生しバリバリと異様な電磁波が広がっていく


濃縮され続けた塊(かたまり)は限界を超えて次の瞬間、無の世界に大爆発が発生


  BIG・BAN  


そして全てが始まった。


宇宙創世


ケーシンが作り出した亜空間収納ボックスは厳密にいえばそれとは異なる


魔神に寄って創られた異空間そのものであり、それ自体が質量を伴わない異世界なのだ


無の世界には時間も空間も既成の概念すら存在しない


しかし今その遥かな中にあって一滴の雫が堕ち大爆発を起こした


例えるなら大きな湖の中心に墨汁を一滴落とすようなものだ。


落ちた点が水面を広がり、やがて全体に浸透し拡散するように


亜空間の無の世界に急速に広がっていく宇宙が発生した


同時に宇宙空間に独自の時間が誕生する、赤い塊に秘められていた物質とケーシンの体と魔素が縮退され


やがてそれは星雲や恒星の種となりやがて星々が独自の成長を始めていく


ここに新たな並行世界、時間軸を伴う一つの宇宙(パラレルワールド)が生み出された。


(俺の魂はここに縛られる)


不思議な感じだが自分の心(いし)が存在している。この宇宙のあらゆるところに。


セレンさんが精神世界を自分自身だといった意味が分かったような気がする。


そう、これが一番大事な事なのだ


恐らく俺の様なケースは一人ではないのが分かる。


幾多の並行世界が知らない所でミクロからマクロへと続く事象が起きている。


これは試練だが人類全体に与えられる方の試練には一切の救いがない。


どんなに否定しようが、この俺の存在は神が人間を見捨てたという事の証でもあるのだから。。。



俺は、この自分の宇宙では神などといった曖昧な存在ではない、


文字通りの創造主、絶対神であり理そのものとなる。


よってここに誕生する魂、転生する魂、それら全ての生殺与奪


存在そのものを決定する理の中心に俺がいるという事だ。


地球でいう時代ごとのご都合主義に作られる理屈や法律などの御飯事(おままごと)に価値はない。


地球では魂は不滅であり転生を繰り返すがこれまでの理では魂の進化が遅すぎるという事


進化どころかむしろ堕ちていく魂の方が多いのだ。


懸念した神の集団はそれぞれ対応できそうな人間に白羽の矢を立てていった


そして、その人間に神の意志に反する存在をぶつけていく。


そうすればその魂が新たな創造主となった宇宙では意に反する魂は完全に抹消される結果となる。


勿論、俺はそれを肯定した、だからこそ、この現実を受け入れたのだ。


俺の場合は騒音だったが他にも様々なケースで神の意に選ばれた数多(あまた)の人間が存在する。


(遥かな時間の先で違う試練を超えた仲間と巡り合えたら・・・いいな)


魔神と覚醒した俺はそういった理(ことわり)をプログラムとしてあの赤い塊から受け取り理解した。


あの塊の正体が何なのかはこの際どうでも良かった。


こうやって実際、新たな宇宙にあって初めてわかる、あの地球の異常さが


急速な発展に魂が追いついていけてない。


100年程の急速な発展の折り返しに同じ時間など与えられない。


救いや改善などの意志があれば、俺といった存在は必要ないだろう


救える魂は救うが堕ちた魂はもはや見捨てるという事。


そう、、、俺は餓鬼どもを許す気はない。


{魔神ケーシンの中に鷹搭蛍真の記憶が頭の中に映像として蘇る}



やがて宇宙空間に恒星系が誕生し太陽を周る地球のような星がいくつも誕生していく


雷雨と嵐を飲み込みながら地表が生命を育む地盤を形成していく


原始の海からプランクトンが発生を始める。


これから何十億年といった時間が経過していくのだろう。


悠久の時を超えていつの日か理想の世界が出来たら俺も一人の人間として復活し


あの部屋に戻れる可能性を信じて待とう。


セレンさん、待っててくれるかな。。。。


怒られるかな?、、、というか忘れられてるだろうなぁ~(´・ω・`)ハハハ



そして宇宙に広がった俺の心の中に他から迷い込んだ1つの異物を見つける


あれは・・・龍?。



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