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宇宙創成 1

俺は部屋の隅、窓際の机の椅子に座って外を眺(なが)めた


人間だった俺が絶望の状態で世界を呪っていた場所だ。


、、、もはや習慣だったな。。。


今はアトランタルのプルケリマ山頂の白銀の景色、ここには絶対の静寂がある。


「・・・・・・・・・・・・」


ふと自分の頭の中から消されていた記憶が浮かび上がってくる


それは高校3年の12月のこと。時代は80年代~


就職も決まり後は卒業までの学生最後の冬休みを過ごしていた


ある日、20時を過ぎた頃、思い立って缶コーヒーを買いに


歩いて5分程のスーパーの自販機に半纏(はんてん)を羽織ったままテクテクと向かった


車通りは多かったが田んぼばかりで見渡しても周りは闇が広がっている。


街灯も無く真っ暗な中、車のライトで道路の周囲が照らされる。


後にガソリンスタンドが出来る場所


そこから30m程奥の方に幅1mの小川が横切っていて側に数本の杉が並んでいる所がある。


何気なく畔(あぜ)を歩いている時その杉の間に赤い光点が灯ったのに気付いた。


「あれっ!」

と思ったが当時は側に民家も無く山間部の真っ暗な場所で人工的な光はあり得ない。。。


夏ならばマムシ等の蛇の目が夜中に赤く光って見えるという話を聞いた事があるが


12月に蛇がいる筈はない。。。


不思議に思って見ているとパッと一瞬で消えた。


その後なにも変わった事は無かったんで目の錯覚か何かと片付けていたのだが。。。


すっかり忘れていた記憶、、、何故今さら思い出すんだろう?


不思議な記憶だなと思ったが今更である。。。


さてと


俺はゆっくりと椅子から立ち上がり


この部屋に元からあるドアの前に立った。


「・・・。」


ドアに手を当てる


魔力の流れから想念をイメージし部屋同士を繋げるよう思い描く


スキルの中にはこういった能力があるのかも知れないが


俺は魔神としての権能で強引に時空間を繋げていった。


その間の不要な場を取り除けばいいのだ。


(・・分かる)


魔力を流して先の空間に干渉していく


ドアが光に包まれ大きく輝いて元に戻る


ドアの向こうにセレンさんの精神世界が感じられた


カチャリッ


「セレンさん、ただいまぁ~」('ω')ノ♪


はやる気持ちを抑え深呼吸してサラッと挨拶交わす感じでドアを開けた


そこには全く同じ部屋の様子がそのままにあった。


しかし・・・・・


「あれっ・・・?」


そこに神龍セレンの姿は無かった。


ポツンとたたずむケーシン


バッと窓の外を見るが雲海と青い空が広がっているだけだ。


そこに神龍の姿はない。


ドアの向うは自分のスペースに繋げてしまった。


向うの部屋でアイテム空間として作ったドアと同じ場所に外へのドアを手を翳(かざ)して作った。


外に出てすぐにセレンさんの気配を探したが何も感じない


セレンさんの精神世界ではあるのだが?


「確かにあれから半年、いや9か月は過ぎたけど」


「ここでは時間の流れは違うはず・・・」


「何かあった?」


静まり返った空間にケーシンの独り言だけが漏れる。


俺は部屋の中に戻って出したままの座椅子に座った。


テレビは消えている。アニメやドラマなどのまだ見ていなかったビデオが


奇麗に並べられて途中まで鑑賞していた形跡が残っていた。


目の前にセレンさんの残像が映る。。。。


微妙な寂しさが湧き出てくる。


(仕方ない・・・戻るか)


俺はドアから自分の方の部屋へ戻り椅子に座った。


(どこかに出かけたのかな?)


(神龍としての見回りとか?外の世界に?きっと色々あるのかも知れない・・・)


「・・・何だろう」


(体力的には何ともないがこの体は精神状態が直接体に影響を与えるようだ)


妙な脱力感と眩暈(めまい)に襲われ取り合えず一休みしようとそのまま眠りに落ちた。


少したって目を開ける魔神としての俺の方だった。


(これは?・・・魂が戻っている?)


ここは俺が作ったアイテムボックスの中


亜空間、魔神の展開した無の空間だ。


何処までも真っ白な世界、何もない世界


そこで俺は目を覚まし巨大な魔神として存在している


収納された椅子に座ったままの状態で。


(ここに生命体の俺が存在している・・・変な気分だ)


(何かもう分け解らん事ばかりだ、俺の常識って脆(もろ)いなぁ~)


俺は体から緊張感を解いてリラックスしようと心を落ち着かせていく


体内から溢(あふ)れる魔素をそのまま全て解放した


「ふぅ~」大きく息を吐(は)いて力を抜く


解放された魔力が全身を駆け巡っていく


濃紫色の体の表面を青白い電流がバチバチと轟雷の如く全身を駆け巡る。


髪が自然と逆立ち、角は真っ白に光ってスパークした


俺を覆ったままの雷光が轟音を伴って大爆発を起こし周囲に拡散した


同時にスーッと全身から力が抜けていって心地良い気分に包まれる


気分が落ち着いていき魔神の表情も優しくなった気がする


{ちなみにこの時のケーシンが知る由もないがこの爆発がもし地上で起きた場合

ケーシンを中心とするアンゴルモアの地表の1/10程の生命体が炭素化し大地は枯れ果てる結果を齎(もたら)す}


{ケーシンは魔神としては雷と闇の能力に特化している}


{神龍セレンが言った同じレベルの審判の根拠が垣間見えた瞬間である}


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