アンゴルモア
(待て!待て!待てえーーーーぃ!!!!)
なんだこれは!
俺は左手を突っ込んでモンスターの尻尾を掴もうとした。
画面を見るとゴーゴンの飛ぶ方向に俺の巨大な手が出現した
最初、遠近法が狂ってる!錯覚かと思ったのだが。
次の瞬間、無造作に飛んできたゴーゴンを咄嗟に鷲掴みしてしまった。
気持ち悪い滑っとした感触が手のひらから伝わてくる。
というか力の加減が難しい、豆腐でも掴んだような、ちょと力を入れたら潰してしまいそうな感触だ。
掴んだ弾みで爪先が簡単にゴーゴンの体に喰いこんでいく
まるで柔らかい粘土でも握るようだった。
一瞬の事に現状が把握出来ず、手を出した先の崖にそのまま左手を打ち当ててしまうと
その崖も豆腐のように崩れていった、、、が。。。
むしろ驚いたのは俺の方なのだ!
「なんの冗談だ!これは!!!!」
捕まれていた女性は尻尾から振りほどかれ落ちていったが先程の魔法使いが助け出したようだ。
取り合えずこのまま手を出した状態は不味いと慌てて手をひっ込めたのだが
ゴーゴンを掴んだまま持ってきてしまった。
「はぁ~~」
大きく溜息をついた。。。
俺はそのまま後ろの椅子にドサッと倒れるように腰かけた。
左腕を肘乗せに置き掴んだ手でゴーゴンを上から見下ろす。
ゴーゴンには今何が起きたか、起きているのか
一瞬の事で事態が呑み込めない。
ただ自分を掴んでいるこの手から逃れる術がないのだけは理解した。
自分を掴んだ手から感じる魔素量や瘴気が尋常ではない
抵抗をしようと自分を掴む手の腕に尻尾を巻きつけたが
たちまち先端から麻痺していき感覚が途絶えボトボトと腐れ落ちていったのだ。
ゴーゴンは抵抗を諦め逃げ出す隙を狙う
まさに大魔王とでも形容するしかない巨大な力と魔力も己の想像の範疇どころではない。
自分が住むエリアを統括する魔王も強大であるがそれすら霞んでしまうほどの巨大な物体
二つの目が今我を遥か上方から見下ろしている。
巨大にそびえる濃紫色なシルエットから顔の表情すら窺がえない
頭の両端から巨大な角が聳え立っている、金色に輝く鋭い目に睨みつけられ本能が抵抗する事を諦めている。
ガタガタと全身が震えゴーゴンは生まれて初めて恐怖という感覚を知った。
人間が石化していく恐怖を分かった気がした
両眼をクワッと見開き
「お前は何者なのだ?神なのか!・・・」
「ここはどこだ?我をどうする気なのだ・・・」
全身の鱗の隙間から冷たい生汗が湧き出ていた。。。
俺が黙って見ているとそのゴーゴンは何か喋った
「cdssだmb?:おvcc!・・・」
「いぇbgんcんgvhcmjcgkjgc・・・」
まるで聞き取れない言葉だ
しかし何らかの言葉を喋っている。
モンスターでも知能はそれなりにあるのか?亜人に分類される者なのか?
俺はこいつのステータスを見てみたいと思った
「ステータス・鑑定」
このモンスターの頭の上にボードが表示された。
種族 ゴルゴン 名前 ーーー
LV 213
HP 150,056/230,150
MP 423/2000
力 8000
攻撃力 12000
防御力 4500
知力 48
器用度 50
素早さ 3500
運 5
EXP 50,004/1,250,000
スキル 石化 麻痺 猛毒 炎
解せぬ!
なんかいっぱい表示された。
シンプル イズ ベスト な俺に喧嘩でも売ってるのか?
思わず少し拳に力が入ってしまった。。。
まぁ基準がいまいち分らんからどうでもいいんだが
スキルが狂暴、、、というか攻撃に特化してるなぁ~
相手が人間なら蹂躙も簡単だろう。
実際、こいつは先程人間を喰い殺していた。
自分の幼馴染に似た女性も殺そうとしていたんだ
気に喰わない、はなから生かしておくつもりなど無いけどね。
命など軽いものだ、俺の認識は変わらない。
左手にはゴルゴンの体全体からガクブルした震えが伝わってくる
(※ゴーゴンがゴルゴンへと認識されました)
「・・・ふーん」
俺は掴んでいる手に少し力を入れた。
ゴルゴンは途端に灰色に変色していき真っ黒な目の赤い瞳孔がクルンと裏返えったかと思うと
避けた口は顔程の大きさまで一瞬で広がった
「ぐぎゃああああばばじがやあああああああぁぁぁぁぁ・・・」
避けたまま泡を吹きだし血を吐き地獄の様な叫び声をあげたのだが
それが蛍真の耳に届くことはなかった。
同時にゴルゴンの体がプリンのようにグシャッと潰れていく、肉片は石化すらならず
その残骸は炭素化して砂のようにサラサラと崩れ落ちていった。
まるで子供が飽きた玩具を潰すようなもの。
「・・・・・」
手に残った砂カスを無造作にパンパンと払う。
さて、いろいろ考える事があるが
先程の兵士達をみると生き残りは兵士が8人と冒険者が4人だけだった。
どう考えても此処は人間が居てよい大陸ではない
サーチしてもこの大陸に人間の反応はなかったんだ。
むしろ今のゴルゴン程度ならその変にゴロゴロ居る感じだ。
恐らく先程のボロボロになった船から察するにモンスターにでも襲われて難破して流れ着いたのだろうが。
せっかく助けたのにこのまま放ってい置いたら野垂れ死ぬかまた襲われて全滅だろう。
見殺しにするのは目覚めが悪い。
関わってしまった以上は最後まで面倒見るのが責任って・・・別にペットの事じゃないがw。
そんな自分の習慣された記憶が語り掛けてくる。。。
一端画面を朽ち果てた船のところに持っていく
俺の創造スキルで治せるのか?
先程と同じ様に右手をモニターに翳すが何も反応しない
手に意識を集中し魔力を流すイメージをしたが変化無かった。
(さっきは反応したのに。。。)
スキルの使い方が良く分からない、意識すると余計に発動しないのか?
俺は船を治したいという願いに集中した
結構難しい、このスキル中々意識的に使いこなすのにはコツでもいるのか?
やがて、意識の集中を繰り返しているとやっと3cm程の小さな空間の歪みが出来た。
俺はそこから指先を入れ船の上空に指を出して船が壊れる前のイメージを想像した。
実際は帆船の元の姿を俺は知らないから、それは地球での記憶を頼りにイメージするしかない。
指先から魔素が流れていくのを感じて船に干渉する、壊れる前の状態に戻れと。。。
魔素が船を包み込み、暫くすると立派な帆船が姿を現した。
それから風を魔素の流れで作り風圧で海岸線まで運ぶことが出来た。
やればできるではないか。。。
取り合えずこれでここから脱出は出来るだろう。
俺が関わるのは此処までだ。
後は本人たちの運でしかない。
延々見守るつもりはないよ。
悪いがそれ以上関わるの程俺は人間が出来てない。
というか、もう人間ではないか。
いったん此れでいいかと俺は一息ついた
この異世界に人間がいる事が分かっただけでも成果である。
同時に亜人や魔人、モンスターもいるだろうという事が分かった。
「ステータスオープン」
NAME 鷹搭蛍真 AGE 17歳
種族 魔神
Level/s 10,000
HP/s 1,000,000/1,000,000
MP/s 99,985/100,000
スキル 創造ノ命 LV.3
確認したらMPが15ほど減っていた
それとスキルが3に上がっていた。
この空間では一切変動しなかったMPが減った
スキルが上がったことは外の世界に干渉できた事が原因か?
その後、俺はサーチをして世界の大陸を見たが大陸は丁度地球の大陸の2倍位の面積を有しているが同時に海洋もそれ位の比率を持っている
要するに地球の2倍規模の大きさのある惑星だというのがサーチして分かった。
ただ地形は地球とは似ている環境はあるが山脈や運河など様々な違いがみられた
そして先程3Ⅾ表示された画面は再び3Ⅾ表示しなくなり
その後はサーチしても航空写真程度の拡大しか出来なかった。
正直、、、訳が分からない。。。
種族が魔神なのだ、卑しくも神と付くならばそれなりの能力はあるんじゃなかろうか?
年齢が17歳で若返った気分だが55歳までの記憶がある。
魔神となった今の俺にもそれなりの影響もあるだろう。。。
だがここは静かだ。。。ここで永劫を過ごすのも悪くない。
というかこの体では外の世界に出れたとしても世界を敵に回すだけだろうw
自然とそんな判断に行きついたのだ。
面前には柱時計の様な巨大な時計塔が作り出されていた。
カレンダーが付いており6月5日の15:00を表示していた。
椅子に座り深い眠りにつく鷹搭蛍真。
サーチ画面はデフォルト状態に戻り、この異世界の惑星の全体を表示していった。
そして惑星に重なってこの異世界の星の名前を表示している。
【 惑星 アンゴルモア 】




