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サイコパス


*********************************


時は戻る


重い空気が漂う事故現場。


華厨斗は水でも掛けられたとでも思っているのだろう。

慌てるでもなくさらに口汚くこっちを罵(ののし)っている


爆音出して周りに迷惑かけてるという意識はないのか?

それすらも教育されてないのかとふと哀れさがこみ上げるが。


「くだらんなぁ~」


寝てないからもはやちゃんとした思考回路も働かない


私は松明を下にやり流れている灯油に着火した。


瞬間、炎がアスファルトを走り華厨斗を足元から包み上げていく。


「ぎっ!ぎゃあああああ!!」


咄嗟に悲鳴が響き渡る


足を負傷してるだけに思うように動けないのだろう。


私は踵(きびす)を返し車へ戻り後部座席のドアを開けた。


バタバタと慌ただしい動きが後方から聞こえる


フルフェイスのヘルメットを投げ捨て灯油に濡れた上着を脱ぎ棄てている


炎を纏(まと)ってパタパタと後ずさりしている。


(ふむ、火力はそう高くないか。。。)


しかしズボンから燃え上がった炎が徐々に全身を包み上げていく


「熱いっ熱いいいいいいーーー!!!!!!!」


転がり、のたうち回りながら悲鳴が響き渡る。


ガードレールを越え川へと逃げようとしてるが下は5メートルほどの高さがあり


普段は水深20cmほどと浅いのだ、落下すれば骨折は免れまい


人が燃え盛ってるのを見ながら冷静にそんな事を思っている。


もう完全に壊れてるわな。。。


そう思いながら次の作業に移る


バッッシャアアアア!!!


その刹那、たった今、後部座席から持ってきた2つ目のペール缶の灯油を


頭めがけてぶっ掛けてやった。


瞬間、頭部が真っ赤に燃え上がる!特に髪が激しく燃え上がっていく。


ゴーゴーと動物とプラスチックを混ぜて焼いたような臭(くさ)い匂いが辺りに

たち込める。


「ぎゃああああああああああああああああああああああああ」


「ああああああ熱い熱いーーーーーーーーーーーー」


(このキチガイは何なんだーーー!なんで俺はこんな目にっーー!)


叫べば口の中に炎が入り込んでくる


しかし息が出来ない苦しさにさらに口を大きく開けて叫ぶ格好だ


「助けて!助けて!助けて!助けて!」


「俺が何をしたってんだーーー!」


「が、みざばああ、ああああーーーーー!」


(くそっ、警察、来るのおせええええええ!)


あついあついあつい


炎が全身を包み込んでる、やばいやばいやばいっ


と、飛び込めば!!!


痛い体、足を引きずって燃え盛る炎から逃げるようにガードレールを跨いだところで

意識が薄れていく。。。


ドスッ!


私はガードレールに固まったままの山本の腹部を松明で付いて川に突き落とした。


「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁxx・・・・」


ボーぼおおーと燃え盛る炎と共に悲鳴にならないか細い声がかき消されたように響く。


ザバンッと下方で落ちた音が響く。


水深は浅い、火は消えずに川面に浮いた半身をブスブスと焼き続けている。


(殺すだけなら簡単なんだよなぁ~)


「豚が・・・」


冷めた目で吐き捨てた。


転がってるバイクを起こしガードレールに押しかけたままそこを支点に重心を乗せた。

作業員時代は油圧プレスや原料搬送で20k30kクラスは普通に扱っていた。

重量物の扱いは慣れたものだ、腰を落としそのまま体ごと持っていけばちょっとしたコツで持っていける。


グアシャァアアアアァァ!!!!!!!


暗くてはっきりは見えないがバイクは炎に燻(くすぶ)る華厨斗の真横に落ちた。


シュウウウウウーーー


その直後、車が一台横を通り過ぎた。


ギラッとした妖しい目つきがその車を追った


ユラリと月明かりに照らされた私の影がアスファルトに伸びる。


(もし止まって何か確認しに来ようとしたら殺すしかない)


腰には刀タイプのサバイバルナイフが長い鞘に自然に下げられていた。


が、車はそのまま行ってしまった。


私は一仕事終え満足感に楽しくなっていた

ほんとに心の底から笑いたい気分だ

ざまあみろwww


「ははっはははあはあああああああああW」


何と楽しいんだろう。

若い頃の情熱とは違う、狂った感覚が狂喜となって襲ってくる。

眠いながらも心の底からゴミを始末した感情に満足した気になった。


そして車に乗り込んでそこでUターンして家路についた。



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