第七十五話 久しぶりの笑顔
リリアーナを乗せた馬車は、王立学園へと静かに走り出す。
やがて見慣れた校門が見えてきた。
既に多くの生徒たちが登校しており、冬季休暇中の出来事を語り合う声があちらこちらから聞こえてくる。
馬車を降りたリリアーナは、久しぶりの学園の景色を見渡した。
「リリアーナ様!」
弾むような声に振り返ると、オリヴィアが笑顔で駆け寄ってくる。
「オリヴィア様!」
「お久しぶりです!」
「お久しぶりです。お元気そうで何よりですわ。」
「はい! リリアーナ様もお変わりなくて安心しました!」
オリヴィアは満面の笑みを浮かべる。
「冬休みはいかがでしたか?」
「家族とゆっくり過ごしておりましたわ。」
「私もです! 父や母とたくさんお話をして、とても楽しかったんですよ。」
嬉しそうに話すオリヴィアを見て、リリアーナも自然と笑みがこぼれた。
「おはようございます!」
聞き慣れた明るい声が響く。
「セレナ様。」
「お二人とも、お久しぶりです!」
「お久しぶりです。」
「やっと皆さんに会えました!」
セレナは嬉しそうに両手を合わせる。
「冬休みは長く感じました!」
「ふふ、そうですわね。」
三人が笑い合っていると、
「おっ、もう集まってたのか。」
振り向くと、フィンが大きく手を振りながら歩いてきた。
「おはよう!」
「おはようございます、フィン様。」
「元気そうで何よりだ。」
「フィン様こそ。」
「もちろん! 休み中もしっかり鍛えてたからな!」
自信満々に胸を張るフィンに、セレナがくすりと笑う。
「やっぱりそうなんですね。」
「当たり前だろ!」
そんなやり取りをしていると、少し後ろから落ち着いた声が聞こえた。
「皆さん、おはようございます。」
セドリックだった。
「おはようございます。」
互いに挨拶を交わし、自然と輪が広がっていく。
さらに、本を片手に歩いてくるヴィンセントの姿が目に入った。
「あ、皆さん。おはようございます。」
「ヴィンセント様、おはようございます。」
「休み中に面白い本を見つけましてね。つい読みふけってしまいました。」
「ふふ、ヴィンセント様らしいですわ。」
皆が笑みを浮かべる。
こうして久しぶりに顔を合わせた仲間たちは、それぞれの冬休みの出来事を語り合いながら、教室へと向かった




