70/130
第六十九話 それぞれの冬〜オリヴィア編
「お母様、ただいま戻りました!」
明るい声が屋敷に響く。
冬季休暇を迎え、オリヴィアは久しぶりに家族と過ごす時間を楽しんでいた。
「おかえりなさい、オリヴィア。」
母は優しく微笑み、温かな紅茶を勧める。
暖炉の前には父も座り、新聞から顔を上げた。
「学園生活はどうだ?」
「とっても楽しいです!」
迷いなく答えると、両親は顔を見合わせて笑みを浮かべた。
「お友達もたくさんできました!」
「まあ、それは良かったわ。」
「リリアーナ様という、とても素敵な方がいらっしゃるんです。最初は少し緊張していたんですけど、とても優しくて……。」
話し始めると止まらない。
エリアスのこと。
セレナのこと。
フィンやセドリック、ヴィンセントのこと。
学園での出来事を夢中になって話す娘を、両親は微笑ましそうに見守っていた。
「オリヴィア。」
父が穏やかな声で口を開く。
「良い出会いに恵まれたようだな。」
「はい!」
その返事は、冬の陽だまりのように明るかった。
家族と囲む温かな時間。
それもまた、オリヴィアにとって大切な冬の思い出だった。




