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第六十七話 それぞれの冬〜リリアーナ編
冬季休暇を迎えた学園は静けさに包まれ、生徒たちはそれぞれの冬休みを過ごしている。
アルディス公爵家でも、穏やかな時間が流れている。
窓の外には、一面の銀世界。
暖炉の火が部屋を優しく温める中、リリアーナはお気に入りの本を静かに閉じた。
「お嬢様、お茶をお持ちいたしました。」
クララが紅茶を運び、テーブルへ置く。
「ありがとう。」
ふわりと立ち上る湯気とともに、心地よい香りが広がった。
カップを手に取り、一口含む。
冷えた体がゆっくりと温まり、自然と肩の力が抜けていく。
「このようにゆっくり過ごすのも、久しぶり。」
「学園では毎日お忙しく過ごされておりましたから。」
クララの言葉に、リリアーナは小さく微笑んだ。
入学当初は、不安ばかりだった。
けれど今は違う。
気がつけば、隣には大切な友人たちがいた。
笑い合い、ときには悩みながら過ごした日々は、どれもかけがえのない思い出になっている。
「休暇が明けるのが、少し楽しみです。」
ぽつりと漏れた言葉に、クララは優しく目を細めた。
「皆様にお会いできる日が待ち遠しいのですね。」
「……ええ。」
照れくさそうに頷くリリアーナの表情は、どこか柔らかかった。
窓の外では、雪が静かに降り続いている。
穏やかな冬の午後だった。




