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第五十四話 穏やかな日々





校外演習から数日が過ぎた。


あの日、無事にお守りが見つかったこともあり、

学園には再び穏やかな日常が戻っていた(お守りのおかげ!)


「リリアーナ、おはよう!」


教室へ向かっていると、元気な声が響く。


振り向くと、フィンが大きく手を振りながら駆け寄ってきた。


「おはようございます、フィン様。」


「この前は本当にありがとな!」


首から下げられたお守りを嬉しそうに持ち上げる。



「あの日帰って妹に話したらさ、『よかったね!』って泣きそうになってた。」


その表情はどこか誇らしげだった。


「妹さんも安心されたのでしょうね。」


「うん!」


フィンは大きく頷いた。


「だから、これからはもっと大事にする!」




その様子に、私も自然と笑みがこぼれる。



「それが一番ですね。」


そんなリリアーナたちのやり取りを見ていたセドリックが、小さく笑った。


「以前よりずいぶん仲良くなりましたね。」


「友達だからな!」


フィンは迷いなく答える。


その言葉に少し照れながらも、リリアーナは頷いた。







教室へ入ると、ヴィンセントはすでに本を開いていた。





「おはようございます。」




顔を上げたヴィンセントは静かに会釈をする。


「今日は魔法史の授業ですね。」


「ええ。」


「楽しみです。」


相変わらず勉強熱心だ。


「楽しみなのか……。」


フィンが感心したように呟く。


「俺は眠くなりそう。」


「寝ないでください。」


セドリックの即座の返答に、教室へ笑いが広がった。


授業が始まり、休み時間になり、昼休みが訪れる。


特別な出来事は何もない。


それでも、皆と過ごす時間は心地良かった。




ゲームでは、この二年生はもっと緊張しながら過ごしていたはずだ。




誰が敵になるのか。


誰が味方なのか。


そんなことばかり考えていた。



けれど今は違う。


フィンは笑っている。


オリヴィアも、セレナも笑っている。


セドリックも、ヴィンセントも変わらない。




――きっと。


未来は、変えられる。


そう思えた。





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