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第五十一話 笑顔の時間



担任の先生が教室を出ていくと、それまで静かだった教室は一気に賑やかになった。





年間予定表を見比べながら、あちらこちらで楽しそうな声が上がる。




「やっぱり校外演習だよな!」


真っ先に声を上げたのはフィン様だった。



予定表を片手に満面の笑みを浮かべている。



「今年も思いっきり体を動かせそうだ!」


「まだ演習の内容も発表されていませんよ。」


セドリック様が苦笑する。


「内容なんて何でもいいんだよ! 外に出られるだけで楽しみじゃないか!」


「あなたらしいですね。」


そのやり取りに、思わず笑みがこぼれる。


すると、予定表をじっと見つめていたヴィンセント様が小さく呟いた。


「今年は調査区域が変更されていますね。」


「え?」


フィン様が予定表を覗き込む。


「どこに書いてある?」


「こちらです。」


指先で示された小さな注釈を見て、フィン様は目を丸くした。


「こんな細かいところまで見てるのか!?」


「気になりましたので。」


「さすがヴィンセントだなぁ。」


感心するフィン様とは対照的に、セドリック様は静かに頷く。


「調査区域が変わるなら、課題内容も見直されるかもしれませんね。」


「うわぁ、急に現実的な話になった……。」


フィン様が肩を落とすと、周囲から小さな笑いが起こった。




「私は舞踏会も楽しみです。」


セレナ様が穏やかに微笑む。


「私もです!」


オリヴィア様も嬉しそうに頷いた。


「それに収穫祭も楽しみなんです。去年はあっという間に終わってしまいましたから。」


「食べ物の屋台も増えるらしいぞ!」


フィン様が身を乗り出す。


「結局そこなんですね。」


セドリック様が呆れたように笑う。


「いや、大事だろ?」


「否定はしません。」


珍しくセドリック様が即答すると、教室中がどっと笑いに包まれた。


その穏やかな笑い声を聞きながら、私も小さく微笑む。


一年前には想像もできなかった光景。


こうして皆と他愛ない話をして、笑い合える日々がある。


それだけで胸が温かくなる。


(今年も、この時間を大切にしたい。)





そんなささやかな願いを胸に、私は楽しそうに笑い合う皆の姿を見つめていた。




おっと!これも短い。更新更新

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