第191話
西にある、ゼノア帝国。
今、少しずつ食糧不足は解消され、いつしか皇帝の偏食は完全に治ってしまう処か肥満も解消され、スッキリした体型を取り始めていた。
「魔法が存在しているじゃと!?」
ゼフィーリア・E・フィリアルド・ゼノアは、レスター・フォン・ビッシュから今まで知らなかった魔法について知らされたことから、思わずと声を上げてしまったのである。
「はい。例えばですね…」
レスターは、水を出す許可をもらいながら≪ウォータ・ボール≫を唱えたのだ。
「な、何と…何もない所から水の球を生み出したというのかい」
「はい。世界中にかの魔法使いフォルナと僧侶フィルカが後世のために書き記したとされる魔導書ですが、どれもこれも読みが誤った表記だった上にいつしか、魔法が使えなくなっていた模様なのです」
「使えないというよりも正しい発音では無かったということじゃな?」
「そうです。まだ、訳している最中ですが、今まで無知だった魔法もコレで色々と役立ちそうです」
が、使い道は殆どないに等しいので、どうしようもないのだと、レスターは返したのである。
「言われてみればそうかも知れぬ。妾は魔法について余り興味がないが、使い道がないならば、意味は無かろう」
「そうですね。かつて魔王の地だった北も何やら人が増えているみたいですけど」
「別に問題は無かろう。それだけ今は好奇心で北に行くだけじゃ」
「…そうですね。我々は我々だけでやっていきますか」
「そうだ。別に北の地がどうこうとした所で変わらぬ」
今まで通り過ごすのが一番だとゼフィーリアは言うと、今日もまた、牧畜の様子を見に馬車を出すことにしたのだった。
「もう抽選に飽きた…」
とある地にあるという場所で、転生女神は、あちこちと人々をソルディア・カオスティック・マジフィニクッス・ピーストや別世界へと転生する作業に疲労を感じていた。
「というかさ?大魔王シリウス・リノベイションって結構、気ままに過ごしているし…」
「別に問題ないんじゃない?これ以上、魔王を送り出しても返り討ちになるだけだし?」
「適当にやってくれればいいんじゃね?もう、色々と疲れたし?」
「この世界は放っておいても問題ないし?」
そもそも、スローライフって何よ?って話なんだよねと口々に言いつつ、転生女神は、後のことは自由にやってくれと世界を投げ出してしまい、どこかへと完全に消えてしまったのである。
「何とか広大な領土を埋めるかの如くに街が出来たな…」
シリウスは、移動手段に電車ってどうなんだろうかと思いつつも、街同士の移動で欠かせないことから、電車専用の運転手として、トレインドライバーズ500体ほど用意し、10分置きに電車は運用するシステムを導入したのだった。
「なぜに電車なんですか?」
「ん?俺、余り車の運転とか得意じゃないし、電車だと移動が楽かなって思っただけだけど?」
サフィールの質問にシリウスは、サラリと返したのである。
「そ、そうですか」
魔石拾いに車を利用していると思っていたものの、殆どマナで自動運転任せしていたということにサフィールは苦笑しつつも、異世界に電車はありなのだろうかと思いつつ、受け入れることにしたのである。




