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村人との協力

種を植えてから3日たった。

畑を見ると、一面実がなっている。

ちなみに、地面の中にあるものは掘って確認した。


ストレージに収納したら、掘り起こす作業もなかったが、チートすぎるのでやめた。


後は収穫するだけの状態になったので、村長と奥さんに声をかけて、村の人で収穫してもらうことにした。

これで村の食糧問題は解決と言える。


一番大変なのは、畑を耕すところだから。

今後は、村長を中心に村人で働ける人がやれば大丈夫だろう。


「コーちゃん、どうしてコーちゃんが村人のためにここまでやってあげるの?」

「村に食べ物がないと、城から援助が来ちゃう。そしたら、誰かが屋敷に来ちゃうじゃないか、めんどくさい」

「(コーテー様、めんどくさかったら、ここまで全力でやってあげないですよ)」


「ボク、イモを引き抜くやつやってみたい!」

「ルミニスいい子だな。村人に見つかるとやっかいだから、端っこの方な」

「(コーテー様、面倒見がいいです)」


「私がちょうどいい温度に保ってあげてるから成長が早いんだからね!」

「わかってる、わかってる、ありがとよ、サラ」

「ちょっと!誇り高き名前を略さないでもらえる!?」

「呼びやすくて、良いかな、と思って。かわいいし」

「かわっ!どうしてもって言うなら、サラって呼んでもいいけどっ」

「どうしても!」

「(コーテー様、火の精霊王様を手玉に取って・・・)」


「オンディーヌがいてくれるから、水やりに毎日こなくて助かってるよ」

「水やりの量が大事なのよ?深く水が浸透することで植物は大きく根をはれるから、水はたくさんいるけど、多すぎると根腐れするから。」

「だから、お姉ちゃんがコーちゃんのために地面のコンディションを整えてあげているからね。」

「グノームもありがと」

「(精霊王様達が積極的に・・・コーテー様すごい)」


メアリーは、精霊王たちが見えるようになって、コーテーが精霊王たちと多くのコミュニケーションを取っていることに初めて気づいた。


「コーテー様!」

「メアリーどうした?」


「コーテー様は、普段から精霊王様たちとのコミュニケーションが多くないですか!?」

「気づいたら近くにいるから、ついついはなしちゃうな」


「メアリーは不満です!わたくしにももっと話しかけてください!」

「そうだな、正妻的な位置づけで安心しきってたかも、ごめんな」


「せいっ!・・・精霊王様達との意思疎通も大事ですけどね」

「「「メアリー、チョロイン」」」



村人は、村長の案内で、みな新しい畑に来ていた。


「「おおー!」」


「いつの間にこんな大きな畑が!」

「これでお腹いっぱい食べられる!」

「イススの女神さまの思し召しだ!」


村人は口々にいろんなことを言っていたが、みんな喜んでいて、収穫に積極的に協力してくれた。



■束の間の宴

村のことも一段落ついたので、この日はちょっとした宴を開くことにした。

宴と言うと、たくさんの人がいるイメージだが、食堂には2人しかいない。

ただ、6人の精霊王もいる。


合計8人なので、宴で間違っていないだろう。


精霊はいわば神様だ。

数え方も「柱」が本当だろう。

だけど、この6人はどこか親しみやすいキャラクターで少し友達の様に接している。


もっと仲良くなるためには、人間界で培った飲みにケーションと言うことで、メアリーと一緒に食事を準備してくれた。

精霊が人間の食事をするのかは分からなかったので、料理に思い切り魔力を込めたら、それでいいのだという事だった。


心を込めて作ることで、料理がおいしくなるなら、それも何かしらの魔法が作用しているはず。

そういったことが料理に魔力を込めるという事らしい。


とにかく、料理とお酒は整った。

宴会のスタートだ。


メアリーのメイド魂はすさまじい。

主人に対する尽くしたいと思う気持ちが半端じゃない。


地球の料理など見たこともないし、食べたこともないのに、料理の本を渡したら、ドンドンマスターしていく。


宴会には、唐揚げ、ハンバーグなどコーテーにも馴染みのある料理が並んでいた。

この世界の料理もしっかり作られていて、メアリーの料理スキルの高さがうかがえる。


うまい!

なにこれ!?

また腕を上げたな。


精霊たちにも人気だ。

とりあえず楽しめそうだ。


折角なので、ビールとワインと日本酒くらい出しておこう。

精霊王たちも酒って飲めるのかな?


「大丈夫?コーちゃん、ちゃんと食べてる?」

「うん、食べてるよ。グノームも食べてる?」


「食べてるよ」

「飲んでる?」


「飲んでるわよ~。お姉ちゃん酔わせてどうするの?」

「いや、精霊王様に何もしないからね」


「あんた分かってる?このオンディーヌさんとお酒が飲めるって言うのは、この400年であんたたちだけだからね!」

「・・・という事は、オンディーヌがいくつなの?」


「ばっ、バッカじゃないの!?女性に年齢聞くとか!」

「お前が言い出したんだろ!」

「ボクもお酒飲んでいいのかな?」


「ルミニス、お前はいくつなんだ?」

「何歳だろ?」


「まあ、俺より年上なら問題ないだろう」

「私も・・・飲んで・・・みようかな」

「テネブレも自分が大人だと思ったらOKだ」


「口にソースが付いてるわよ、お姉ちゃんが拭いてあげるわね」

「ありがと。あれ?メアリーは?」

「ん(そこ)」


メアリーがテーブルに突っ伏してる。

酔いつぶれた?


「ちょっと、あんた大丈夫なの?」


横に座るサラ。


「聞いてよ!サラマンダー様!」


抱き着くメアリー。


「え!?ええ!?なに!?」

「コーテー様は、かっこいーのー。かっこいいでしょ?」


「え?あ、あ、うん、そうねぇ」


「わらくしの、旦那さまなのー!」

「そうだなぁ」


「勇者様なんだからぁ!」

「そうなんだ」


「わらくしの、肌の傷や痣をきれいにしてくれたの!」

「へ、へー」


「わらくしにとっては、神様とおなじなの!」

「それはすごいわね」


「見たこともない便利な魔道具をたくさんだしてくださるし」

「それは私たちも関わってるんだけど・・・」


「それをみんなに自慢したいの!」

「自慢したいんだ^^すればいいんじゃない?」


「自慢したら、きっと手の届かないところにいかれてしまう・・・だから・・・ひみつ・・・」

「寝たわね」


サラって何気に面倒見がいいな。

メアリーって酔うと色々面白いな。


「コーちゃん、ちゃんと食べてる?お料理取ってあげようか?」


なぜ、グノームはこれほど甘やかすのか!?


「ボクここー!」


そして、ルミニスが膝に。

親戚の子供か!?


「私は・・・別に・・・」

「テネブレ!ほら、ルミニスの横に!」


この2人は、正反対のようで、なんか仲がいいな。


「私ここ」


静かに、シルフが横に来た。


「じゃあ、私ここ―っ!」


オンディーヌがあすなろ抱き。


「べ、別に私は狙ってなかったんだからね!」


なぜそこで、サラも対抗心を燃やす!?


もはや、変な空間となっていた。

みんな酔っぱらってるよね!?


ツッコミ役不在の飲み会は、こうも収集がつかないものなのか。

でも、まあ、こいつらのお陰で、この世界でも楽しく過ごさせてもらってるんだよな。

感謝しないとな。



■勇者との再会

朝の食事の時に、今日の予定としてメアリーに伝えた。


「メアリー、そろそろ勇者の様子を見てくるよ」

「勇者様と言うと、もう一人の方の・・・」


「そう、そう。ダンジョン攻略の後、どうなってるか、近況を聞いてくる」

「では、お城まで数日かかりますし準備いたしますね」


「あ、大丈夫。瞬間移動できるようになったから」

「精霊王様達の件と言いい・・・もう、何が来ても驚きません・・・」


ちなみに、メアリーは昨日の宴会の途中から記憶がないらしく、サラに絡んでいたことは覚えていないらしい。

伝えない方がいいだろうな・・・


朝ごはんも食べたので、コーテーは城に瞬間移動した。


『コンコン』


城のもう一人の勇者の部屋をノックした。


「はい、どうぞ」


『ガチャ』


「ちわー」

「あ!もう一人の!」


「ああ、そういえば、名乗ってなかったかも。コーテーだ」

「コーテーさん!入ってください!!」


軽い感じで勇者の部屋に入り、椅子に腰かけた。

さすが勇者の部屋、部屋には10人は座れるほどの大きなテーブルがあった。

ベッドなどは別の部屋にあるらしい。


「この間はありがとうございました!」

「この間?なんだっけ?」


「ダンジョンです!強いモンスターを倒してくれたんでしょ!?」

「ああ、ちょっとだけ、間引いといたかな」


「頑張れば倒せるくらいのモンスターばかりで何とかなりました」

「そか、そか」


「最後3階くらい全くモンスターがいませんでした」

「そか(あの辺りは勇者くんよりもレベルが高いモンスターだったから全討伐しちゃったんだよなぁ)」


「ボスの部屋は一度開けた形跡があって」

「(ボスも俺が倒しちゃったからなぁ)」


「あ!そうだ!ダンジョンでは剣を2本も手に入れました!」

「(そう言えば、1本はダンジョンの報酬で、もう1本は神剣アスカロンを譲ったんだった)」


「この剣が凄いんです!レベル18くらいまでのモンスターは、近づくだけで倒せるんです!めっちゃチートですよ!」

「(あちゃー、自分のレベルくらいまでしか、自動討伐機能は働かなかったか・・・)」


「この剣で倒せない敵は、僕一人では倒せない敵なので、騎士団の方々にも手伝ってもらって、戦うようにしています」

「(工夫できていて、大変よろしい)」


「近々、南の森のモンスターの討伐に出る予定です」

「ほう、何かあったの?」


「冒険者からの情報で、得体のしれないモンスターが森に住み着いたみたいで、討伐依頼がきているんです」

「へー」


ここで勇者くんが首から下げているペンダントを指で触りだした。

全回はこんなのつけていたかな?

この世界の物らしく、この世界のおしゃれなのかもしれない。

まだ16歳だしね。


「南は大きな通路があって、このモンスターのせいで物資を運ぶのに障害が出ているらしいです」

「へー」


「王都では最近物価が上がってきているらしくて」

「(物価が上がるほどってことは、物が不足し始めているのか)」


コーテーは、考えた。

王都の物資が少なくなる→イスス村の税が上げられる→城からの使いが増える!

情報を得ておかないといけないと考えた。


「そのモンスターについて何か聞いてる?」

「それが・・・よくわからないらしいです」


「どういうこと?」

「最初は、武器が使えないモンスターだという事だったんですが、最新の情報では武器を使っているみたいだし、魔法を使うと言う話もあります」


「魔法か、どんな魔法か分かる?」

「攻撃系と聞いています。すいません、なんかふわっとした情報で」


「いや、助かるよ。モンスターのレベルってわかる?」

「それが、鑑定スキルを持った人が少なくて、レベルは分からないです。ただ、そのモンスターにやられたという冒険者は、かなり高ランクの方までいて、かなり強いみたいです」


「そっか、俺も様子を見に行ってみるよ、情報ありがと」

「いえ、ケガがないようにご注意ください」


「ありがと、後、俺のことは城には内緒でお願いね」

「はい、何となくそう思ってました」


勇者くんいい子だ。


コーテーは、そのまま城の南の森に移動した。

「この森にレベル18以上のモンスターいるか?」


「なんでレベル18?あんたもっとレベル高いじゃない!」

「オンディーヌはバカだなぁ。勇者くんが倒せるなら俺はいらないだろ」


「バカとは何よ!バカとは!精霊王なのよ!」


オンディーヌは人間的な俗さがあって親しみやすいなぁ。


「最高はトロールのレベル10」


シルフは有能!


「思ったより弱かったな。」

「そりゃあ、そうでしょ、勇者って強いから勇者なのよ!勇者が勝てない様なのがポンポン出てきたら世の中終わりよ!」


たしかに。


「じゃあ、レベル18の勇者くんでも倒せるな。何かあっても騎士団とかいるらしいし、何とかなるでしょ。解散、解散!帰ろう!」


この時まだコーテーは知らなかった。

精霊王たちの情報は正確だけど、その瞬間の情報であるという事を。


勇者がモンスター討伐に失敗した話は、それから数日後に知ることとなる。


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