改めてモンスターの討伐
コーテーは真剣に考えていた。
異世界に来てから全く活躍していない、と。
森の最奥のダンジョンの最深部にいたボスらしい魔物は、四大精霊に倒させてもらった。
全然倒してはいないのだった。
剣に至っては準備はしたけど、取り出してすらいない。
特にグノームなんかダダ甘で徹底的に甘やかしてくる。
強く自分を持って討伐に臨む必要があると決意を固めた。
「あ、コーテー様、こちらでしたか」
「ん?なに?」
「お弁当をお忘れなくお持ちください」
「あ、はい。ありがとう」
・・・早速甘やかされている。
メアリーにすら甘やかされている(汗)
結局、玄関まで送りだしてもらってしまった・・・
「じゃあ、行くか」
気合を入れ直した。
「じゃあ、森の入り口まで瞬間移動する?あ、お弁当はお姉ちゃんが持ってあげようか?」
早速、グノームが甘やかしてくる。
「靴下ちゃんとはいた?下がってない?」
ついでに、腕にまとわりついてきてる。
どんどんひどくなるけど、何かあるの!?
「人間の食べ物なら、たまたま作ってみたくて作っただけだからね。」
サラマンダーがお弁当の包みを持って待ってくれている。
折角つくってくれたのなら、もらわないのは申し訳ない。
精霊はお弁当を作るのかと歴史的な大事件に立ち会ったところだったが、サラマンダーが続けた。
「あんたのために作ったんじゃないからね!たまたまだから!たまたま!」
これはやらないと気が済まないみたいだった。
「ん、飲み物もいる」
後ろからシルフが水筒を準備してくれていた。
なんだかんだで、面倒見がいいんだよな、シルフ。
「んじゃー!いくわよ!」
オンディーヌはなんだかいつも調子がいい。
こんなやり取りをしていると、既に森の入り口にいた。
なんだこの至れり尽くせり。
1歩も歩いてないし、経験値すら上がらないなと、小さくため息をつくコーテーだった。
・・・
「なあ、みんな、また森に入ってもみんなの気配を感じてモンスターはいなくなっちゃうんじゃないか?」
「雑魚だと近寄れない」
シルフ辛辣
「その雑魚も倒して肉を村に提供したいんだけど・・・」
「じゃあ、お姉ちゃんがモンスターを索敵で見つけて、そこまで瞬間移動させてあげようか?」
そんな冒険者聞いたことがない。
なぜかグノームはダダ甘だ。
でも、群れを見つけたら、その方法も案としてやってもらおうかな。
ライフルは射程距離に限界はない。
索敵ができるのならば、その情報をもらって、森の外から射撃するのはどうだろう。
念のため森に入ってしばらく歩いてみたが、まったくモンスターがいない。
ゲームだったら運営にクレーム来るレベルで平和すぎる。
「誰か・・・索敵・・・お願いします」
変な意地を張らないのはコーテーのいいところだった。
森を歩き回っても、まったくモンスターに合わないので、体力と時間の無駄になる。
索敵を頼んだら、コーテーの視界にいくつかのウインドウが表示されている。
現在位置と周囲のモンスターが点で表示されていたり、ある点に注目するとそこにいるモンスターが見えたりしていた。
後はライフルを構えて、照準を合わせ・・・引き金を引く。
別に火薬を爆発させる訳ではないので、それほど大きな音はしない。
この音だってコーテーが「銃を撃つと音がする」と言う固定概念を実現したものだった。
魔法のライフルは空気抵抗なども考えなくていいみたいで、狙った所にちゃんと当たるみたいだ。
引き金も形式的に引いているだけなので、引き金を引く動作で照準がブレることもない。
しかも、多分シルフだな・・・狙ったところに100%当たるように調整してくれている。
シルフの方を見たら、無表情にサムズアップされてしまった・・・
あれは絶対「わかってる」と言う親指だ。
豚のモンスター・・・オークだな。
倒れたモンスターの所まで瞬間移動して、ストレージに収納。
そして、次のモンスターを探す。
10匹くらい倒したころだろうか。
緊張感なく100%モンスターを倒せるとなると面白みがなくなってくる。
「サラマンダー、ファイヤーボールをやってみたいからスライムとかの群れの所に瞬間移動させてくれ。」
「しょうがないわねー、私の力が必要ってことね!」
なんか異常に嬉しそうなんだが・・・
「はい、っと」
瞬間移動した先は、スライムが10匹くらいいた。
「ファイヤーボール」
唱えると、火球が10個出て、スライムに当たり消滅した。
「(うーん、なんか違うような・・・)」
「どう!?私のファイヤボールはすごいでしょ!?」
「うん、ありがと。100%倒せたよ」
「ん、次はウインドカッターも」
シルフだ。
変に対抗心を燃やされても・・・
しょうがないので、移動して、ウインドカッター、群れ消滅、移動、ウインドカッター、消滅・・・を10回くらい繰り返した。
これも、ファイヤーボールがウインドカッターに代わっただけのような・・・
「ちなみに、ウォーターカッターもあるけどやってみる?」
オンディーヌは、とりあえず言ってみただけみたいだ。
「遠慮しておきます・・・」
コーテーは元々技術者。
限界がどこなのか知りたくなる性分だった。
ライフルの狙撃で、何kmまで当てられるのか限界が知りたくなった。
現在の記録は、2kmでズレは5cm以内だ。
普通、狙撃だと二脚と言うか、バイポッドって専用の脚を使って、ある程度の固定をする。
こんな手持ちで2kmの狙撃を実現させるって・・・
一気に3km先のスライムも狙ってみたが・・・倒した。
「ん、楽勝」
4km先のグールも・・・倒した。
「えらい、えらい!お姉ちゃん感動しちゃった♪」
5km先のゴブリンも倒した。
「あんた、やるじゃない!」
念のため・・・・10km先のドラゴンを・・・倒した(汗)
「別にガンバってないからね!」
もう、10km先のドラゴンを倒した時点で限界を調べる意欲は失せたのだった・・・
・・・
「メアリー、ただいま」
「あ、コーテー様、お帰りなさいませ」
無傷で帰ってきた。
狙撃は100%当たった・・・
なんだこれ・・・もう嫌・・・
「えっと、モンスターを倒したんだけど、肉を村に寄付するとしたら、ある程度解体した方がいいのかなぁ?」
「そうですねぇ、スキルが必要ですし、解体できるのならば解体した方が、親切ですねぇ・・・ってコーテー様いつの間にモンスターを!?」
「あ、いや、弱いやつを・・・腕試し的に・・・ね」
裏庭にブルーシートを敷いて解体することにした。
「えーっと、何があるんだっけ?」
「『ストレージ・オープン』で一覧になって見れるわよ?」
ダダ甘お姉ちゃんのグノームだ。
聞く前に答えられてしまった・・・
「ストレージ・オープン」
なんかおびただしい量入っている・・・
とりあえず、今日とったモンスターを見た。
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グール×38
スライム×156
オーク×48
フォレストドラゴン×1
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なんか、知らない間に大量に討伐したみたいだ・・・
どれから肉にしようかな・・・
「ストレージの中で『肉にする』を選んだら肉になるわよ♪」
思ってもいないところまで答えられてしまった・・・
「あと、頭よしよしするのやめてもらってもいいですか。」
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グール肉×1520
スライム肉×156
オーク肉×1440
フォレストドラゴン肉×100
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見事に肉になったな。
試しに「オーク肉」を出してみたが、もはや豚肉のブロックと違いは分からないほどだった。
あんまり大量にあげてしまうと、腐らせてしまうかもしれないので、少しずつ村長に渡すのがいいのだろうと考えるコーテーだった。




